ケイアールエス浦和のブログ

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Z1000MKⅡ 整備

2012-07-06 16:28:13 | Z1000MKⅡ

旧店舗時代にお買い上げ頂いたKZ1000MKⅡ(A3A)です。

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至って綺麗な状態でありますが、納車前作業として 外装NEWペイント、メインハーネス交換、MFバッテリー/ICレギュレーター化、電球類全交換、キャブレター全分解フルオーバーホール、シリンダーヘッドカバー、カムプラグ交換(バルブクリアランス点検含む)、エンジンフラッシング:MOTULエンジンクリーン、オイルエレメント交換。エンジンオイル:MOTUL300V 15W50交換、ドライブチェーン/ドライブスプロケット/ドリブンスプロケット530化、前後タイヤ交換(チューブレス化)、ワイヤー類全交換 等を行い納車させていただきました。

しばらくは問題もなく乗っておられましたが、モリワキの限定版の集合管を装着しフットワークが良くなったせいかもう少し回転のツキを良くしたいとの事で、点火系の変更と車軸3点をクロモリ化し外乱に対し強化をすることになりました。

お預かりした時点でステムベアリングに違和感があるのを発見し、早速前輪を上げ確認したところ引っかかる部分があり急遽直す事になりました。ステムを分解しボールを取り去りレースを確認すると赤点の部分に打痕があります。

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ロアーステムからレースを抜き出し、フレームからも打ち出し、部品を交換します。

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上下レースにボールを乗せグリースを塗布し分解した時の反対に組立てます(ボールは上下で違うので数を間違えない様に)。上下ステム組み込み、フォーク/ホイール取り付け、クロモリアクスルシャフトまで組み立てました。

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次に、スイングアームピポッドシャフトとリアアクスルシャフトをクロモリ製に交換です。カジり防止にネジ部にスレッドコンパウンドを少量塗り、規定トルクで締め付けます。

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ここでアクセルの戻りが悪いとリクエストがあったので点検作業となりました。

実は入庫前にお客様ご自身でハンドルバーをロータイプに交換され、スロットルワイヤーが長いのでノーマルより10cmショートのワイヤーを取り付けたとの事でした。実際スロットル操作をすると引きは問題ないのですが戻す際にゆっくりとしか戻りません。これではエンジン回転が落ちませんので危険です。

スロットル取り回しとかワイヤーの取り付け部の確認をしました。スロットルワイヤーが10cmも短いとUの字に折り返すアールがきつくて戻る時内部抵抗が大きくなり、結果として戻らない症状になります。経験則でワイヤーのアール形状とワイヤー長さを検討したのですが、右画像の様にあと5cm長い方が丁度良い長さと判断しました。

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Z1(Z1000系の同じ)より5cm短いワイヤーとなると、Z1-Rのスロットルワイヤーが該当しますが、既にメーカー欠品なのでMRS製の5cmショートに変更です。注意点として、スロットルを目一杯に戻した際にキャブ上部のリンケージとダンパー(赤点)の隙間がなく接触した状態になる様ワイヤー調整をして取り付けます。

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最後に点火強化でウオタニSPⅡに交換し終了です。

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最後に点火系を強くしてもキャブの燃調も合っていませんと効果が出ません。Z系は乾式エアーフィルターを使っており、エアーブローで清掃しつつ長年使っていると目詰まりしてエアー量が不足します。定期的に交換をお奨めします。

左:長年使用した状態                右:新品

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駆動系交換・リアショック交換

2012-06-12 17:51:05 | Z1000MKⅡ

フロントと同様にリアショックもオイル漏れしておりました。

要交換になりました。

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下画像のS36DR1Lタイプのオーリンズを付けます。同時にチェーンスプロケットを、純正サイズの630サイズから低フリクションの530に変更です。

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ドライブスプロケットはサンスター、ドリブンはアファムハードアルマイト、チェーンはD.I.DのZVMXのシルバーを装着し、耐久性も確保しつつシックに仕上げました。

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ノーマルショックとは違い社外品の多くはスプリング径が太く、スプリングとチェーンとのクリアランスが少なく、このショックの場合1mm以下しかありまあせん。

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このままではチェーンとスプリングが干渉してしまいますので、ショックのエンドアイのインナーカラーの外側を削り、内側にカラーを使う事により3mmのクリアランスを確保しました。チェーンカバーも勿論装着してあります。

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ステムベアリング

2012-06-12 16:57:20 | Z1000MKⅡ

ステムベアリングの状態を確認しました。

多聞に漏れず、ハンドルを右一杯に切ってから左にゆっくりと切って行くと、コクッと重い部分があり引っかかりますので、お客様と相談の上交換することになりました。

ハンドル回り周りが外れていないと出来ないので、一石二鳥です。

作業途中の画像は撮り忘れ、組み込み画像だけです (+o+)

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純正のボールレースで組み直しました。

テーパーローラーに変更しないのは、ボールレースの方が初期抵抗もなく軽快なハンドリングが可能だからです。


フロントフォークオーバーホール

2012-06-11 20:08:39 | Z1000MKⅡ

MKⅡのフロントフォークオイル漏れの修理です。

左側のみオイル漏れしています。

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ダストシールをめくってみると錆が発生しており、その錆がオイルシールを傷つけたのが原因でオイル漏れをさせた様です。

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ヘッドライト類を外し、フォークを抜き取ります。

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分解後部品洗浄してインナーチューブを点検してみました。

オイル漏れしていなかった右側は問題ありませんでしたが、左側の摺動部に錆が発生し、メッキが浮いて剥がれた状態になっており、オイルシールを切ってしまいオイル漏れを引き起こしていました。(画像拡大してみると上のインナーチューブの真ん中辺にポツんと錆があります)

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直す方法として新品にするか再メッキ掛けるか 、リプレース品にするかですが、すでに純正は欠品ですので再メッキかリプレース品にするかに絞られて来ます。

再メッキも良いのですがメッキ費用もそれなりに掛かります。

幸いMRSさんで純正同等品質のインナーチューブを販売してますので、再メッキするのと同じ位の値段でしたので、お客様と相談の上使うことにしました。

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Z1000MKⅡ

2012-06-09 16:10:57 | Z1000MKⅡ

以前お買い上げ頂いた北米仕様のZ1000MKⅡです。

エンジンヘッドカバーからのオイル漏れ、フロントフォークオイル漏れを含め、電装系の改修などを行いました。

下の画像は改良後の画像になります。

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ウオタニSPⅡフルパワーキット、ナイトロ製SPⅡ専用マウントキット、NGKパワーケーブル、ビトーR&D製クロモリシャフト3点

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先ず、30年来未交換のSTDメインハーネスからリプロのメインハーネスと入れ替えます。

配線交換の際には、STDの位置に配線を合わせておくのがポイントです。

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配線の処理が決まったら、先にヘッドカバーのオイル漏れの方を治します。

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ヘッドカバーを外しガスケット、カムプラグ交換しますが、ついでにバルブクリアランスの測定をしておきます。

カムに傷もなく状態は非常に良いです。

バルブクリアランスも規定値内(0.05~0.15mm)で問題ありませんでした(右図)。

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ヘッドカバー取り付け後、ウオタニコイルの取り付ける位置決めをします。

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位置決め出来たらIGコードを適正な長さに切り、IGコイルとIGコードをボンドと熱圧縮チューブで接続作業をして車体に取り付けです。

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これまでに交換作業したメインハーネス、ウオタニIGコイルの収まり具合を確認しておきます。

この車両は北米仕様の為ヘッドライト常時点灯式で、お客様が通常使う都内のノロノロ運転の環境ではバッテリー上がりに悩まされておりました。ハーネスを入れ替える際ヘッドライトON-OFF式スイッチに変更しました。

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最後にウオタニユニット取り付で、ノーマルイグナイターの位置を使いナイトロ製ウオタニ専用ステーで取り付けます(この車両は、以前にMFバッテリーとICレギュレターに交換してあります)。

下の画像は、ウオタニユニットに変える前のイグナイターとICレギュレター装着画像です。

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新にICレギュレターを取り付けるステーを製作し、ウオタニユニットと並列で取り付けました。

レギュレターを取り付ける位置には元々リアブレーキマスタータンクが付いていましたが、位置を下げてステーで付けてあります。

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今日はこれまで、次回フロントフォークオイル漏れ修理、ステムベアリング交換に続きます。