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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

部品の掟

2008年03月17日 | Weblog
「あれっ?いつ消えたんだ?」バイクを置いて歩き回って初めて気付く街の変容です。世界一の電気街「秋葉原」から大手家電屋が消えています。かって「東京熱気三名所」と呼ばれた築地・アメ横・秋葉原。往時の表通り(中央通り)には有名家電店がズラっと並んでパチンコ屋顔負けの音と光で客の脳中枢を麻痺させ、うっかり店に入り込んだら素人は手ぶらでは出てこれない程のエネルギーに満ちていました。ところがド派手な店頭は昔ながらでも業種は一変、今や携帯ショップとアニメ屋とゲーム屋ばかりです。要するにガキ相手の店ばかりで「正統な家電屋」として残っているのは「石丸電気」と「オノデン」だけ、それも土日だというのに客はまばらです。

「不幸」の本質は、かっての表通りが「裏通り」になりつつあることです。駅の反対側にツクバエクスプレスの開業と百貨店のようなヨドバシカメラを始め高層ビルが次々建てられ今やちょっとした丸の内です。今日(16日)もヨドバシカメラはイナゴの大群のような客です。家電もパソコンも行き渡ったと言われる中で独自の見せ方と品揃えの豊富さで差別化しています。客層も家族やカップルでこれまでの秋葉原には来なかった連中です。

「これで勝負あったな・・・」それを確かめるため秋葉原歴45年の老少年探偵団はかっての「路地裏の店」を探します。表通りが「外人と一般人」相手なら裏通りは「オタク」、更にもう一本路地に入ると看板も出ていないような「普通の家」があって入口に得体の知れない物体が並んでいます。物体に関する質問は一切不可です。撃墜された戦闘機の計器とか、巨大な半導体とか、マグネシウム入り容器なんてものです。「客」は黙って金を払い親父は黙って品物を古新聞に包む・・・秋葉原の「厚み」を象徴するそうした風景は既にありません。

次に「ラジオ少年の聖地」ガード下パーツ街へ向かいます。ここには間口1メートルもないような店先に電気コードや抵抗器、コンデンサー、各種プラグ類などがビッシリと並んでいます。2階には60年前の真空管ラジオが売られています。こんなものを買うのは町内に一人の「変人」ですが、日本でここにしかないので一箇所に集まるとバカにならない「変人合計数」になります。結局、世の荒波に流されることなく生き延びるのは、このフジツボの群れのような電気部品屋街かも知れません。どうせなら終戦直後の闇市を再現して、時々「ガキは引っ込んでな!」なんてリリーさんの啖呵を聞かせて欲しいものです。



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