物心ついた頃には遠ざかる列車。小学生では出航する外国船。学生時代は上空を通過する飛行機・・・見えなくなるまで見つめて飽きなかったのは根っからの空想少年=少年探偵団の性(さが)に他なりません。口の悪い(人のことは言えませんが)先生によると「お前いらは知能の発達が遅れた分、動くものが気になる動物の本能が残っているのさ」・・・確かにそうかも知れませんが、年季が入ると相手の挙動から、どこから来て、どこへ行くのか判るから不思議です。まあ、列車の場合は名前が書いてあるし、行き先も出ているので初級者。外国船はその形と国旗(船籍)さえ憶えれば、どこへ寄航してどこへ向かうのが推測できる・・よって中級。ところが飛行機はそうはいきません。
空を飛ぶ飛行機の機種と社名を肉眼で見分けるのは大変・・・「双眼鏡を使えばいいじゃん」というのは素人。やってみれば判りますが、遠くを移動する対象を捉えるのは至難の技、しかも追尾するのはとても疲れるのです。それより文学少年になって日没の空を茜色の尾を曳きながら遠ざかる飛行機を眺める。「明滅する飛行灯は蛍のそれに似て何と美しくも儚いものか」・・・なんてのはウソで根っからの探偵団はどうしても目的地と航法が気になります。航法の話しは計器飛行をキャンセルして有視界飛行で近道をする機長がいるからです。昭和41年の全日空羽田沖事故もこれでした。ずば抜けた降下能力を持つ新型機(B727)に不慣れだったとも言われています。「高度の推移」も重要なのです。そんな思いでサイトを探していたら見つけたのがこれです。→http://www.flightradar24.com/
何が凄いか。それは世界中の飛行機(便名)がどこから、どこへ向かって、今どこを、どう(速度、高度など)飛んでいるかが、「リアルタイム」で地図上に表示されるからです↓。
画像は2月9日のAM 2:00に我がうっとり探偵団横須賀(浦賀)基地の上空を通過した飛行機です。管制塔のレーダーより迫力があります。それもその筈、このシステムは従来の仕組み・・・レーダーと無線交信による地上管制に代って、人工衛星(GPS)を利用した最新の管制技術です。何しろメチャ精度の高い位置・速度・方向・高度情報に加えて、気象や地形、飛行状況を「自動的に」地上管制と他の航空機に送受信すると言う優れもの。目下全ての飛行機に導入されつつあるようです。ならばこの飛行機からの電波を傍受して、地図上に表示したら・・・それがこのサイトです。何が「うっとり」かと言えば、この地図を見ながら「もうそろそろだな」とベランダから上空を見上げると、森の影から正にピタリと「当該飛行機」が現れる・・・思わず「高射砲」に構えるのは年のせいです。
GPS恐るべし・・・これに人間の「欲望情報」を組み込めば・・・これから「スマホ」を買う人は「貴方の脈拍や血圧を感知して健康管理を」なんてウソにダマされないことです。このサイトの閲覧は無料です(有料版もあります)。日頃ネットを馬鹿にしている探偵団ですが、こうゆうサイトは水戸黄門の「印籠」にも似て、我々「不心得者」も「ヘヘ~っ!」なのでした。