「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

歌舞伎とテレビ

2011年08月25日 | Weblog

5年前の「大物ヤクザ」との「親密」なメールのやり取りが「発覚」、そこで「潔く」芸能界を引退した「大物芸能人」・・・記者会見では「男の美学を通した」と涙ながらに語った島田紳助。芸能人と暴力団との関係を断ち切るのは難しいとNHK・・・海老蔵以来のヒットです。芸能人と暴力団は元々が同じ体質の内縁関係の夫婦そのものなのに婦女子・老人が見ている茶の間のテレビに出てタレントなんて呼ばれるようになってから「茶の間の正義」が独り歩きするようになりました。何故こんなチンケな男が「大物」なんて呼ばれているのか・・・それは活躍の場が「無料(タダ)」のテレビだからです。

旦那(スポンサー)から金を貰う立場から言えば「テレビ」も「タレント」もグルです。高く売りつけるため、何度もテレビに登場させ、「大物」だ「天才」だと持ち上げれば馬鹿でも有名人になります。茶の間の視聴者(消費者)の意識はあくまで「タダ見」・・・芸や人物を見る目なんか育つ筈がありません。勿論、テレビ側も自分が「飼育」したタレントが大物になって「ギャラ」が高くつくようになると、何とか口実を設けて引き取って頂く・・・なにしろ有名人になりたい人間はいくらでも湧いてくるご時勢です。「卒業」又は「引退」したタレントが政治家になって利益誘導してもらえれば更なる「親孝行」になる・・・こうした一連の仕事は昔はみんな興行師が仕切っていました。堅気の世界ではありません。


堅気の世界ではないのに、堅気の人間(消費者)を相手にしている旦那(スポンサー)の顔色を伺う・・・ブレーキを踏みながらアクセルを吹かしても「胸のすくような走り」は期待できません。その点、500年間も眼の肥えた客とのガチンコ勝負で成り立っている「歌舞伎」は明快です。海老蔵がどこで大暴れしようが、新橋駅前の街頭インタビューを受けて世間の人が「暴力はよくないと思います」なんて愚にもつかない「正論」を吐こうが、金を払っている客から観れば「それも芸の内なのさ」と擁護してくれます。何故なら役者を育てているのはテレビや企業ではなく、「金を払っている自分たち」そのものだからです。だから役者側も「私たちは弁当をつかうお客さんの箸の先で芸を値踏みして頂いてます」・・・これが歌舞伎の凄さ・・・大した芸もないのに「大物」ぶるテレビタレントとの差です。たまには、何故テレビ出身の政治家はゴロゴロいても、歌舞伎出身の政治家はいないのか・・・なんて想像してみるのも「頭」の訓練になるかも知れません。


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