「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

名前を言え、名前を

2011年05月24日 | Weblog

美人は得だよな・・・有史以来、男の煩悩に不動の位置を占めている尺度です。確かに美人であることで損をする割合は1%以下、不美人で損をする割合は90%以上かも知れません。では不美人で得をする割合は・・・ほぼゼロでしょう。何の話?・・・相変わらず先が読めないのが探偵団のブログです。実はそのゼロに近い例外を見つけた話しです。老探偵団はもともと股旅演歌が大嫌いです。理由は単純で、筋を通して義理人情に厚い「格好いいヤクザ」なんかガキ時代を過ごした清水の港町にはいなかったからです。そんな人物なら進んでヤクザなんかにならなくても社会的に成功していた筈です。そもそも演歌自体が陰気で投げやり・・・昔の歌謡曲のような躍動感も夢もありません。「しょせん駄目な人間を慰める音楽なのさ」と思っていたら・・・世の中には「想定外」があるのです。


「事件」は動画のYouTubeからです。「瞼」を検索してうっかり長谷川伸の名作「瞼の母」をクリックした時です。動画は「瞼の母」を歌う演歌歌手・・・「そういえばガキの頃、親父に連れられてそんな芝居を見たな」・・・そんな懐かしさも手伝って動画をクリック。どうせ小林幸子とか小柳ルミ子みないな気持悪い歌い方を想像していたら・・・「これは歌ではない、魂そのものだ」・・・そんな衝撃です。特にその「台詞回し」のうまさでは右に出る歌手はいません。論より証拠、聞いてみれば判ります。ここです。 身長168cm、がっちりした体躯は楽器そのものです。何でこんな凄い歌手を今まで知らなかったのか。勿論、美人ではありません。

もし彼女が美人だったら同業歌手の嫉妬を浴びて潰されていたか、某歌手のように「怪実業家」の愛人になって堕落するか、付き合った男を3人も自殺に追い込むか、いずれにしても無事では済みません。男に媚びる要素が全くないからこそ、女では無理とされる「イヨマンテの夜」をテノール歌手と並んで互角に歌う・・・その群を抜いた実力を素直に同業歌手が認めたに違いありません。演歌なんか歌わせておくのはもったいない、或は西洋人に演歌を理解させる最初の日本人になるかも知れない・・・そんな発見と言うか、何だかボタ山を漁っていたらダイヤモンドを見つけた興奮でした。日頃、悪態ばかりついて「感動」なんて言葉を出したことがない探偵団が言うのだから間違いありません。