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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

場末のミッション・インポッシブル

2010年03月19日 | Weblog
老少年探偵団の楽しみは人様が働いている時間にもぐっすり寝ていられることです。しかし良いことばかりではありません。例によって緑の魔境を旋回している夢の最中「ピンポ~ン!」時計を見ると「まだ」午前10時です。「うるせえな!朝っぱらから」宅配便かも知れないので不機嫌丸出しでドアを開けます。「はいっ!○○から来ました」「・・・」植物系の姉ちゃんが能天気な声を出します。相手が不機嫌だろうが忙しそうだろうが関係ありません。もしかしたら頭から血を流していても同じ台詞を吐きそうです。「お宅、ミュータント?」「・・・」「それとも人間?」「はい!人間です」「だったら相手の様子を見て挨拶があるだろ?」「・・・」「人間ならまずはお休みのところ申し訳ありません、と言うんだよ!」「はい!すいませんでした!」「・・・」やれやれです。こんな「人間もどき」が蔓延るようでは世も末だな、なんて思いながらドアを閉めました。しかし悪いことばかりではありません。

夕方のスーパーです。生鮮食材の不味さは日本一です。しかもレジ店員の質のバラつきが大きく「グズ」に当たったら悲劇です。常連客もそれを知っていてテキパキ仕事をするレジに並びます。結果的にはその方が早いからです。この日は新人です。朝の植物姉ちゃんによく似ています。「ま、いいか・・・」3人目に並びました。自分の番になった時、いきなり後ろに並んでいた客の婆ちゃんが「これ!」・・・見るとバイクのキーです。自分のではありません。YAMAHAの文字が読めます。形状から見て原付きバイクの間違いありません。すると最初に並んでいた赤いブレカーを着たおばさんを思い出します。ズボンを穿いている筈です。見回すと「該当者」が出入り口の方に歩いていきます。「あの赤いおばさんかも知れないな!」と言いながらレジの姉ちゃんにキーを渡します。ここから思いがけない展開です。

レジの姉ちゃんがキーを受け取るのと、カウンターを跳ね上げたのと、「只今閉鎖中」の小看板を立てたのがほぼ同時・・・脱兎の如く走って外へ出ようとしている「赤いおばさん」に追いつきます。遠目に頭を下げながら笑っている赤いおばさんが見えます。この間、数十秒・・・何事もないようにレジに戻ってきた姉ちゃんに声をかけます。「すごいね!オリンピックに出れるかも知れないよ!」「ミッション・インポッシブルの方がいいです!」おおっ・・・!人は見かけによらないものです。老人のくせに小さなキーを目ざとく見つけた客の婆っちゃん、一瞬の間に落としたキーの種類と該当者を当てた老探偵団、それを疑わずに該当客まで瞬時に届けたレジ姉ちゃん・・・場末のスーパーで繰り広げられた「ささやかな連携プレー」でした。

長生きワインとポックリワイン

2010年03月11日 | Weblog
英国が「タデ食う虫」を日本から輸入(9日、ロイター通信)・・・女にもてないイギリスの醜男を救うため、西洋かぶれの日本の姉ちゃんを誘致する話かと思ったら、本当のタデを食べる虫を輸入する話でした。何でも19世紀に観賞用として日本から持ち込まれたタデ科の植物(イタドリ)がイギリスの在来植物の成長を阻害、更に道路や建物を破壊するのでこの植物を駆除するため虫を使おうという訳です。虫の名は「イタドリマダラキジラミ」・・・タデ食う虫が実在したとは驚きでしたが植物駆除のために外国の虫(シラミ)を輸入するとは・・・さすが「ハイカラ」の元締めの国です。

こんなニュースでもない限り日頃何気なく使っている言葉の「いわれ」なんて知る由もありません。老探偵団が好んで使う「ハイカラ」もそうです。今ではおしゃれで格好いいものを「クール」なんて言いますが「英語なんか使いやがって!ハイカラと言う方がハイカラなんだよ!」・・・文句を言いながら調べたら「ハイカラ」も元は英語だって!「オ~!ノウ!」です。明治時代に、西洋の文化や服装を好む人や西洋帰りの人が、ハイカラー=high collar(詰め襟)のワイシャツを着ていたことから「西洋風で目新しくしゃれていること」を「ハイカラ」と呼んだ・・・江戸から明治に変わって12年頃・・今から129年前です。その129年前に生まれた婆さんがグルジアで確認された・・・!何だそれ!

インターファクス通信によれば、この女性はグルジア西部・サチラ村に住むアンチサ・フビチャワ婆さん。1880年7月8日に生まれたという証明書を持っているのでグルジア法務省では、ギネスブックへの登録の申請を検討しているとの事ですが、何しろ南オセチア紛争でロシアと事を構えるほどのしたたかな国・・・あのスターリンの故郷と聞けば納得です。もしかしたら世界最古のワインを造った歴史を利用して、フビチャワ婆さんブランドの「長生きワイン」でも売り出す魂胆かも知れません。ターゲットは長生きが偉いと思い込んで、病気の検査値に一喜一憂する日本人・・・昔、テレビで誰かが「赤ワインは血管を広げる作用がある」なんて言ったら、たちまち赤ワインが売れるような民族なので成功率は高い筈です。勿論、我々探偵団はそんなものを買う気はありません。買うなら「ポックリワイン」・・・飲むほどに昔の楽しい想い出が走馬灯のように巡って、やがて和服にエプロン姿の年増(お袋か?)がニッコリしながら手招きをする・・・喜んでついていったら・・・合掌となって本人も家族も国家も喜ぶというワインです。

マンマとヨーコ

2010年03月08日 | Weblog
イタリアのブルネッタ行政刷新担当相は、若者の親離れを促すため18歳以上の若者を強制的に親と別居させる法律の制定を訴えた(FNN)・・・さすがマザコンの元締めというか、いくら若年層の失業率が25%を上回る社会経済的な背景があるにしても18歳から34歳の若者の6割が実家暮らしはとは異常です。それを法律で引き離すと言う発想もスゴイ・・・時代劇で借金のカタに娘を親から引き離す「女衒」にも似て「あれ~!お父っつあ~ん!」なんて悲鳴が聞こえるようです。尤もイタリアの場合は最強の「マンマ」がフライパンを片手に「あたしの息子をどうしようっていうんだい!」なんて立ちはだかるに違いなく、強制引き剥がしは難しいでしょう。

ところが日本では「ひきこもりの若者」は100万人「しか」いないから対策予算を「仕分けしました」だって・・・如何なる計算根拠なのか、イタリアの若者が親と一緒に住んでいる話と、パソコンだけがお友達の日本の引きこもりガキの話を一緒くたにするとは・・・民主党自身がひきこもり出身者の集りとしか思えません。

若い頃、NYでイタリア人の大家族が暮らすアパートに転がり込んでしばらく食わしてもらった体験がありますが、ご他聞にもれず若者にはロクな仕事がありません。皿洗いの仕事にありつけば上出来で、まあ万引きか置き引き(スリはマフィアの管轄下なのでダメです)かコイン釣り(地下鉄の排気口など。これがバカにならない)でシノギます。よって部屋なんかに引きこもっている余裕はなく、怖いマンマもそんな「甘え」は許しません。「稼ぎ」はそのまま夕食に反映するので、パスタに肉がついたりする日には同志のような一体感で盛り上がったものです。

こうゆう世界からは「感動をありがとう」とか「いつまでも友達でいようね」なんて薄気味悪い言葉は出てきません。心のケア、○○と向き合う、抗菌処理・・・「弱っぴい語」は増える一方。港のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカの連中はどこに行ったのでしょうか。

勝負と競技と村祭り

2010年03月01日 | Weblog
3週間もブログをサボっていたのは「冬季オリンピックを総括するため」・・なんてのは嘘で単にひねくれ爺さんの感想です。何しろ選手はもとより国家や企業の誇りと利害が絡んだ大勝負ほど面白いものはなく、しかも雪と氷の上を猛スピードで滑るので迫力満点・・・当然、勝負はコンマ以下の差・・・そこに誰が勝ってもおかしくない実力選手がひしめいているので、最後は勝利の女神が微笑むかどうか決まります。その女神の気まぐれで4年間の努力が報われたり「パア」になる・・・勝てば「英雄」負ければただの「人」・・この「落差」こそオリンピックの醍醐味なのに、メディアの報道は妙な方向に進んでいます。

素人が見ても実力差は明快なのに「金メダルに向かって発進!」なんて気勢を上げて結果は20位とか35位・・・まるで「鬼畜米英何するものぞ」で結局は酷い目にあった太平洋戦争と大差ありません。これ自体はマスコミの本性なのでいいとして、面妖なのは「金」でもないのに「やった!銅メダル獲得!」なんて「号外」まで出す馬鹿さ加減です。銅メダルで「号外」なんて過去にあったけ?更に輪をかけるように出身地や所属企業の応援団に「よくやりました!感動しました!」なんて無理やり盛り上げる・・・いつの間にか「勝負の世界」から「競技の世界」にすり替わっているようです。「勝負」なら勝者は唯一人。「競技」なら点数づけなので6人とか8人に「増やす」ことができるからです。

その象徴が金メダルに最も近いと言われた浅田真央・・・金メダルのキム・ヨナとは見た目の差は明らか(と言うより見た目が異常に高得点)で彼女自身それを一番判っている筈・・・深読みすれば「厳格な技術点」より「買収され易い芸術点」の方に重点を置いた採点基準を覆すために無理をして失敗した・・・キム・ヨナに負けた悔しさだけでなく、そんな採点方法に負けた悔しさがあの涙になった筈です。ところが「無神経な」インタビューアはいきなり「お目出とうございます!」・・・こうゆう時はまず「お疲れ様です!」だろうが・・・銅メダルの高橋選手の時も同じでした。何の脈絡もなく目立ちたがり屋のタレント政治家が言った「ナンバー2ではダメなんですか?」が思い出されます。

初めからナンバー2とか、銀とか銅とか狙っていたら6位にも入れません。そんな事も判らない阿呆政治家やマスコミが蔓延るようでは世も末だな・・・と悪態つきながらも可愛い選手が負けてベソをかいるのを見ると何故美人選手が増えたのかも考えず「順位なんて関係ない!よく頑張ったね!」なんて励ましてしまう老探偵団は競技どころか「村祭り」の世界に入っているのかも知れません。