老少年探偵団の楽しみは人様が働いている時間にもぐっすり寝ていられることです。しかし良いことばかりではありません。例によって緑の魔境を旋回している夢の最中「ピンポ~ン!」時計を見ると「まだ」午前10時です。「うるせえな!朝っぱらから」宅配便かも知れないので不機嫌丸出しでドアを開けます。「はいっ!○○から来ました」「・・・」植物系の姉ちゃんが能天気な声を出します。相手が不機嫌だろうが忙しそうだろうが関係ありません。もしかしたら頭から血を流していても同じ台詞を吐きそうです。「お宅、ミュータント?」「・・・」「それとも人間?」「はい!人間です」「だったら相手の様子を見て挨拶があるだろ?」「・・・」「人間ならまずはお休みのところ申し訳ありません、と言うんだよ!」「はい!すいませんでした!」「・・・」やれやれです。こんな「人間もどき」が蔓延るようでは世も末だな、なんて思いながらドアを閉めました。しかし悪いことばかりではありません。
夕方のスーパーです。生鮮食材の不味さは日本一です。しかもレジ店員の質のバラつきが大きく「グズ」に当たったら悲劇です。常連客もそれを知っていてテキパキ仕事をするレジに並びます。結果的にはその方が早いからです。この日は新人です。朝の植物姉ちゃんによく似ています。「ま、いいか・・・」3人目に並びました。自分の番になった時、いきなり後ろに並んでいた客の婆ちゃんが「これ!」・・・見るとバイクのキーです。自分のではありません。YAMAHAの文字が読めます。形状から見て原付きバイクの間違いありません。すると最初に並んでいた赤いブレカーを着たおばさんを思い出します。ズボンを穿いている筈です。見回すと「該当者」が出入り口の方に歩いていきます。「あの赤いおばさんかも知れないな!」と言いながらレジの姉ちゃんにキーを渡します。ここから思いがけない展開です。
レジの姉ちゃんがキーを受け取るのと、カウンターを跳ね上げたのと、「只今閉鎖中」の小看板を立てたのがほぼ同時・・・脱兎の如く走って外へ出ようとしている「赤いおばさん」に追いつきます。遠目に頭を下げながら笑っている赤いおばさんが見えます。この間、数十秒・・・何事もないようにレジに戻ってきた姉ちゃんに声をかけます。「すごいね!オリンピックに出れるかも知れないよ!」「ミッション・インポッシブルの方がいいです!」おおっ・・・!人は見かけによらないものです。老人のくせに小さなキーを目ざとく見つけた客の婆っちゃん、一瞬の間に落としたキーの種類と該当者を当てた老探偵団、それを疑わずに該当客まで瞬時に届けたレジ姉ちゃん・・・場末のスーパーで繰り広げられた「ささやかな連携プレー」でした。
夕方のスーパーです。生鮮食材の不味さは日本一です。しかもレジ店員の質のバラつきが大きく「グズ」に当たったら悲劇です。常連客もそれを知っていてテキパキ仕事をするレジに並びます。結果的にはその方が早いからです。この日は新人です。朝の植物姉ちゃんによく似ています。「ま、いいか・・・」3人目に並びました。自分の番になった時、いきなり後ろに並んでいた客の婆ちゃんが「これ!」・・・見るとバイクのキーです。自分のではありません。YAMAHAの文字が読めます。形状から見て原付きバイクの間違いありません。すると最初に並んでいた赤いブレカーを着たおばさんを思い出します。ズボンを穿いている筈です。見回すと「該当者」が出入り口の方に歩いていきます。「あの赤いおばさんかも知れないな!」と言いながらレジの姉ちゃんにキーを渡します。ここから思いがけない展開です。
レジの姉ちゃんがキーを受け取るのと、カウンターを跳ね上げたのと、「只今閉鎖中」の小看板を立てたのがほぼ同時・・・脱兎の如く走って外へ出ようとしている「赤いおばさん」に追いつきます。遠目に頭を下げながら笑っている赤いおばさんが見えます。この間、数十秒・・・何事もないようにレジに戻ってきた姉ちゃんに声をかけます。「すごいね!オリンピックに出れるかも知れないよ!」「ミッション・インポッシブルの方がいいです!」おおっ・・・!人は見かけによらないものです。老人のくせに小さなキーを目ざとく見つけた客の婆っちゃん、一瞬の間に落としたキーの種類と該当者を当てた老探偵団、それを疑わずに該当客まで瞬時に届けたレジ姉ちゃん・・・場末のスーパーで繰り広げられた「ささやかな連携プレー」でした。