goo blog サービス終了のお知らせ 

「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

台風の心得

2007年09月07日 | Weblog
いい年して「近年最大級の台風・首都圏直撃!」なんてニュースを見ながら浮き浮きしているのは少年探偵団の習性です。それにしても暴風雨圏内に入っているのに雨風共に「甘い!」と思っていたら、先程からようやく風雨の音が激しく渦巻いて「やれやれ」です。何度聞いても雨風が荒れ狂う音はいいもので、台風の度に決まって「様子を見に行った年寄り」が用水路に落ちて死んだりするのは、じっとしていられない「習性」によるものかも知れません。

子供時代は「ラジオ」の台風情報に耳をそばだて「こちらに向かっている」なんてことになると大人の心配をよそにワクワクしたものです。停電になろうものなら、興奮は頂点に達し、この時のために製作した「鉱石ラジオ」の「操作主任」として大人共に情報を伝える「任務」につきます。板戸に叩きつけられる木の葉の音を聞きながらロウソクの淡い光が「ラジオ少年」を誇らしげに照らします。

台風に流行があるのか、昔は通過すると突然晴れて強風が残る場合が多かったような気がします。この強風を突いて海の様子を見に行くのが少年探偵団のしきたりです。小学4年生以上はともかく、強風に吹かれながら転がっているヒヨコ(幼児)は連れて行くのは無理ですが、泣きながら兄貴のズボンを離さないヒヨコは「絶対に泳がない」と言う条件で連れて行きます。台風通過後の海は規則的な大波が「ドーン!ドーン!」の腹の底に響く音を立てながら押し寄せています。既に地元のガキ共も集まっています。不思議にいつも漁師のじいさんがいて「まだだ!」なんてガキ共が泳ぐのを仕切っています。

しばらくすると大波にガキ共の頭が海鳥のように上下する風景があります。5~6メートル以上の大波に上手く乗ると視点が高くなって風景が一変します。台風は大人にとって災害でも、ガキ共にとっては「近づく前」も「去った後」も妖しい興奮をもたらす自然の恵みでした。

最新の画像もっと見る