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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

推理する風景

2007年06月22日 | Weblog

この風景は80年以上も前のドイツの地方都市の絵葉書です。人影がない通りは空想少年にとっては白日夢への入口です。昭和28年頃の我が家にあった写真誌「世界画報」もこんな異国の風景でした。記憶とは不思議なもので、子供だった当時は何も疑問に思わなかった風景が、50年以上も過ぎて「あれっ?」と思うことがあります。その確認も兼ねて手元にある沢山の古い絵葉書を見ると「やはり」でした。古いものほど「人」が写っていません。元少年探偵団は考えます。人口が少ない、人がいない時を選んで撮影した、余程のことがなければ外出しなかった、当時の銀塩写真は長い露光時間を必要とした(動くものは写らない)・・・いずれも確証はありません。次に考えたのは印刷方法。今では使われない特殊な「凹版印刷」なので後から何かを「描く」こともできます。実際この絵葉書は下手くそな雲が描かれています。しかし「邪魔な人」を消すのは無理があります。では何故「人」がいないのか・・・・古い風景には不思議が一杯です。

技術文明に慣れた我々には想像もつきませんが、写真機が登場した頃は、大抵の人が自分の姿が「写し取られる」ことに不気味さを感じた記録が残されています。死者や貴人の実名(諱)を口にするとその霊的人格を支配できると考えれれていた昔の名残りなのか、とにかく人は「特定」されることを嫌がるようです。今でも大したプライバシーなんかないのに「個人情報」や「名簿流出」とかに神経質な人は、そんな昔のDNAを持つ高貴な人かも知れません。但し、こんな「常識」が通用しない相手がいます。あのヒヨコ(小さな子)です。

昭和31年の小学校5年生の時、念願のカメラを手にいれた堀田先生がクラスの皆を撮ってやると我々を校庭の段々に並ばせました。本当はカメラを使いたかったのでしょう。あれこれ注文をつけた後、無事撮影成功。引き伸ばした写真が出来たのは4日後、個人の撮影なので全員に配ることはできませんが、生徒達は自分の緊張した顔が可笑しく、賑やかなひと時が生まれましたが、必ず鋭いガキがいるものです。我が探偵団の一人です。「人数が多くないか?」「・・・!」少ないなら判りますが、増える筈はありません。数を数えると確かに一人多いのです。よく見ると頭とオデコだけ写っているのがいました。ヒヨコです。いつ、どうして入り込んだのか不明です。頭の特長から自転車屋のヒヨコと知れますが、当人はもう記憶にないでしょう。「もう一度、撮り直しだ!」作品にケチがついた堀田先生は不機嫌になりました。もしや、80年前の古い絵葉書の撮影にもそんな苦労があったかも知れません。


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