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もぐもぐもぐ(深堀り)を試みるブログです.

ギリシャ危機:今こそリーマン・ショックからの学習効果を!

2010-05-08 20:09:07 | 日記
5月の連休中は、本をいくつか読みました.
今回はその話題に関連したものです.


最近、相変わらず、リーマンショック後の影響を少な
からず受けたギリシャ破綻の話題で日夜株の上下移動
がとても激しくなっています.

また、せっかくリカバーの兆しが見えてきた世界経済
にあって、こうした状況が悪影響を与える事実を無視
できません.実際、世界で多くの人たちが失業してい
る実態があるのですから、、

ところで:

これまでの経済不況の大きな原因となったリーマン破綻
とはどういったものなのでしょうか.

元リーマン・ブラザーズ証券の代表取締役社長であった
桂木明夫氏が記した、リーマンが倒産したいきさつ
について述べた著書:
「リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か」
は、当時のリーマンショックの状況を省みつつ、
リーマン潰しには、米国の元財務長官による世紀の陰謀
があった、という内容はとても興味をそそられます.

当時、リーマンが傾き始めた主な理由としてサブプライム
(信用度の低い借り手への融資)ローンが2007年
半ばごろから米国における住宅価格の下落を発端となり
住宅返済ローンの延滞率が上昇し、住宅バブルが崩壊
したことが考えられます.

このようなローン型証券に組み合わせたかたちで、他
の金融商品なども負の連鎖が起こって、市場では投げ
売りが起こって、世界中の金融機関で信用収縮が発生
し、リーマンもこの煽りを食らったわけです.

こうした中で、クリティカルとなったのは、リーマン
を潰したことで、さらに、経済危機を拡大されるのに
至ったいきさつや、それを決定した首謀者は誰なのか、
これがこの本を読むことである程度透えてきます.

自身は、当時、財務長官であったHenry Paulsonが、
かの投資会社ゴールドマン出身であったことから、
当社にとって有利な状況をつくるための陰謀があった
のでは、と勘ぐっていました.

フランスのラガルド経済財務雇用相は、「何が恐ろし
かったかと言えば、リーマン・ブラザーズを破たん
させるというHenry Paulsonの決断だ」といった逸話
があります.

桂木氏は、本書の中で、リーマン潰しは、Paulson
による「We don't have a deal(取引はしない」の
一声できまった.また、Paulsonは、リーマン救済に
関して、「救済のための法的な手段がなかった」とし、
”モラルハザード(倫理の決如)”に執着し、彼の
の保身性に基いた判断となった.

さらに;

ゴールドマンサックスにおいても、Paulsonは他の
CEOと比べ、投資銀行部の出であり、マーケットの
行動パターンをよみとることが不得意、というか、
依頼された企業への中長期的アドバイスが中心で、
トレーダのように時々刻々変化するマーケット動向
を気にする習性はない、

などに起因しリーマン潰しの根拠となった可能性ある、
と本書の中で言及し、

いずれにせよ、間違った判断をし、世界経済を混乱
させ、不況に貶めた張本人であると考えられる、が、
リーマンを潰すことで、古巣ゴールドマンに大きな
収益をもたらすこととなった世紀の判断ミスに対し、
裁きないのはなぜなのか、とても不思議なことです.
(公聴会等で微妙に交わしているようですね、、)


今週は、ギリシャ危機が発端となった金融機関に
おける信用収縮が再発していて、景気後退に逆戻り
になるのでは、という懸念が広まって緊張感が
高まりました

ECBがギリシャ国債買取を示唆しなかったことから
欧米や日本における株式市場も大割れとなって、
リーマン・ショックの再来を彷彿させます.

まず、各銀行などの金融機関における信用度を
できるだけ保てる様、迅速な対応を期待したいと
思います.

どこかの自動車メーカーの取締役がいうような、
「ギリシャ危機は市場回復の妨げにはならず」
というのはあまりにもローカルな見方で、世界の
協調体制で乗り切らなければならない課題だと
感じています.

リーマン・ショックに対する学習効果を今、発揮
するチャンスだといえないでしょうか、、
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