なんでもぐもぐもぐ= (なんでも-も)+(も+ぐ)+もぐもぐ

専門のマシン知能に限らず、身辺で感じたこと、なんでも、なぜ、という観点から
もぐもぐもぐ(深堀り)を試みるブログです.

推論の推論:研究のための思考とは

2009-10-20 20:18:45 | 日記
以前、Numbεrsという米国のドラマで、数理を使って
犯罪事件を解き明かす内容について触れました.

同じく、米国のドラマで最近はまっているもので、
「Dr.House」があります.

これは刑事や探偵ものではなく医療関係のドラマです.
HP→http://www.ntv.co.jp/dr.house/

かなり、人気は高い医療ミステリーといったところ
でしょうか.

HPより抜粋
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全米では、2004年11月の放送開始以来、全米で話題沸騰。
ゴールデングローブとエミー賞の常連である。
エピソードを追うごとに視聴者数は増大し、
早くもシーズン2ではナンバー1を争う高視聴率番組に成長。
シーズン3の最終回は、その週の全米で放送されたすべて
の番組の中、視聴率NO.1を獲得。
シーズン4の第11話は、過去2年間のすべてのネットワーク
中のドラマ番組の中で最高視聴率を記録。
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知見や推論を駆使した謎解きのような内容ですので、
HPにも書かれているような刑事ドラマの医療版です.

偏屈で無愛想な主人公である診断医であるハウスは
推論に長けているようで一見して原因がわからない
病に関し、独自の発想に基く、理論や推論を展開し、
患者を治療させることから、次第に周囲の理解が
得られようになり、白衣を着用せずにでも病院で働
ける身分なのであります.

実際には、こういうことはないのでしょうけれども、
彼を見ていると、本質に基いて思考が展開していて、
推論の推論という形でロジックが固められていく様
は、「知能」というものを考える上でもとても興味
深いものです.(本質は、深堀りの象徴です)

もちろん、医者である以上は、あらゆる病に対する
知識をもっている、という前提はハウスの場合にも
成り立つのですが、病現象の背後にある事実を掴む、
一方で、彼の「皆はウソをつく」という言葉のウラ
には、ある意味で、患者の思惑が、事実を掴むこと
を妨げている、というようにも悟れます.

また、彼があるシーンの断片で、「良く眠れる医者
の方がおかしい」と語る場面がありますが、知識を
あらゆく方向から刻んで、巧みに組み合わせ、また、
あるときは引き剥がし、最終的に必要な知識を選び
出す.推論の推論はそのためのもの、という思考に
関しては、考え抜くことこそが解決策を見出す秘訣
である、という真実というか、研ぎ澄まされた知恵
のような気がします.

思考の連続性や持続性が問題解決に功を奏す、とい
う事例は多数例があります.友人に数学者がいます
が、彼の思考もハウスのそれに似たりよったりです.
また、将棋の名人も同じような思考パターンをもつ
ときいたことがあります.

仮にこうであれば、云々のようになるだろう.
いや、違うかもしれない.こうであっても別の条件
が加われば、結果はこう変わるかも、という具合に
思考が続々と巡る様な感じですね.

こういった状況を繰り返えしていって、何らかの
結論に行き着く、といった経験は、われわれの日常
においてもよくあることだと思います.

自身の経験では夜中になって布団に入るといろいろ
な事柄が浮かんできて、それを整理する形で、上述
のような体験をしたことがあります.就寝のときは
日常から開放される唯一のときなので、逆に頭がさ
えるように前頭前野のトップダウンが働いてしまう
のか、と密かに思ったこともありました.

研究に没頭すると、こういった経験は多いですね.

研究は思考的な持続性が大切だと思います.つまり、
一つの思考を膨らましてゆくことに価値がある.
そういう意味では、一つの思考から発展していって、
いろいろな形で拡げてゆけるのが楽しいし、想像力
が伴えば∞に発展させられる可能性もあります.

もちろん、研究においては、想像によって生みださ
れる創造物を、理解可能な論理の軸にのせる必要
があります.これがうまくいかないと、人に伝わら
ない可能性が大であり、苦渋の道が続くこともあり
ますし、研究が続けられないこともよくあります.

そういう意味では、政治的なところがあります.
直接、利益に結びつかないことも多いのですから、
サポーターを得る必要がありますね.

しかし、サポータに受けることを意識してしまうと
本当に深堀すべきことが蔑ろにされてしまいますし
独自的な発想も閉ざされてしまう可能性もあります.

だから、研究には何をやりたいのか、がもっとも
重要だといえると思っています.あとは、それが
どうしてなのかがいえるとサポーターも増えて、
一石二鳥、ですね.

では.
コメント
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