なんでもぐもぐもぐ= (なんでも-も)+(も+ぐ)+もぐもぐ

専門のマシン知能に限らず、身辺で感じたこと、なんでも、なぜ、という観点から
もぐもぐもぐ(深堀り)を試みるブログです.

ビタミンDは完璧な抗がん剤!?

2010-04-27 21:43:53 | 日記
自身は、2ヶ月くらい前から毎日ビタミンDを服用
しています.

1966年1月~2004年12月に世界各国で発表された、
ビタミンDの血清濃度または経口摂取量と特定の
種類のがんリスクの関連性について、科学誌の
広範な系統的レビューに基いた知見があります.

それによれば、

大腸がん30、乳がん13、前立腺がん26、および
卵巣がん7 など、がんリスクとビタミンDの摂取
状況について、63の観察結果が出されました.

『市民のビタミンD摂取量増加によって大腸がん、
乳がん、および卵巣がんの発現率が激減する確証
が得られた』


一方、

推奨用量の範囲内で毎日ビタミンD3を摂取する
ことの安全性については、全米科学アカデミーに
よって完全に評価・確認され、これまで観察研究
で確認された利点が大きいことから公衆衛生施策
としてのビタミンDの摂取拡大措置を先延ばし
してはならない.

というもので、ビタミンD摂取を推奨しています.

さらに、

『多くの人にビタミンDが不足している.
例えば、コップ1杯の牛乳には100 IUしか含まれ
ていない.現在、オレンジジュース、ヨーグルト、
およびチーズなどその他の食品が栄養強化され
始めたが、1日1,000 IUを達成するためには、
かなりの工夫が必要である.太陽への曝露は、
それ自体が問題であり、限界がある.顔をのぞく
身体の40%以上が1日に15分を超えて太陽の曝露
を受けないように推奨した.
顔や身体は太陽から保護すべきである.しかし、
肌の色の黒い人々が適量のビタミンDを産生する
には、曝露量を増やす必要があり、肌の色の白い
人々は、太陽からビタミンDを得ようとすべき
でない.適量を獲得する最も簡単で信頼できる
方法は、食事および毎日のサプリメントである』

要は、太陽を浴びるとビタミンDが欠乏するので
サプリメント等で補う必要がある、ということ
を意味しています.

これに対し、

太陽が発する紫外線により、皮膚がんに
はなりやすくなるが内臓がんの発生率はさがる
という知見もあります.

皮膚がん患者は日光の下で長期間を過ごすと、
扁平上皮がんと血中カルシジオール高値のどちら
も認められた、ということが肝なのですが、
カルシジオールは正常なアポトーシス(細胞死)
を引き起こす、ということが示されています.

つまり、ビタミンDは、癌細胞の拡大(転移)の
予防にも役立ち、がん細胞の新たな血液供給
(血管新生)を阻害する.このときカルシトリ
オールが働く.

これは<完璧な抗がん剤>、と考えられました.

ところが、

ビタミンDは、ビタミンC同様あまりにも
公知なため特許が取得できず、結局、どこの
製薬会社も研究者たちも利益が見込めず、注目
にいたらなかったのです.

これは実際よくある話ですね.ビジネスが関与
すると、治すための医学なのか、特定会社の
利益のための医学なのかよくわかりません.

とりあえず、臨床レベルでわかることは、
血中カルシジオール濃度をもっとも容易に上昇
させるには、日光にあたる、太陽灯を使用する、
または妥当な量のビタミンDを経口摂取すること
です.

ただし、妥当な量がどのくらいなのかはよく
わかっていないようです.『少量が効くなら、
大量ならもっと効く』と考えられがちです.
ビタミンDについては、これはまったく
当てはまらない、という説もあるようです、、
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現象の時遅れ、予兆を捉えるモデルとは

2010-04-14 21:40:19 | 日記
景気動向が少しずつ変わってきてきましたね.

このブログも書き始めてそろそろ1年となり
ます.

1年前は、ちょうど景気が悪くなりつつある
前兆のころでした.

確かにリーマンショックが引き金にはなった
とものの、すぐに悪くなるのか、というと
そういうわけでもなかった感があります.

(当時の経済指標に変化がでたのは、リーマン
ショックから2ヶ月くらい遅れたころだった
記憶しています)

いわゆる『事象の時遅れ』があります.

ある現象が起こる予兆が何がしか起こって、
しばらくして、真の現象が実際に起こりうる.

こういったことはわれわれの社会システム
において頻繁にありえることだと思います.


たとえば、渋滞、、

渋滞は、車がほとんどストップ、もしくは、
少し走ってとまるストップ&ゴー現象を意味
しますが、こうした現象の起こる数分前に
”メタ安定”と呼ばれる状態が生じます.

メタ安定は、比較的、高速で自由に走行できる
ような状態で、かつ周辺の交通量が徐々に増加
している状態を意味します.

(つまり、ストップせずに走りつつ、前後、
左右隣りにも車がある、といった状態です)

このようなメタ安定状態が時間発展すると、
自然渋滞の予兆である前出のストップ&ゴー
走行となりやがて渋滞に変わってゆきます.


もし、あなたが未来を変える、つまり、渋滞
回避をしようとするならば、ストップ&ゴー
になった時点でのルート変更など、もしくは、
メタ安定でのルート変更のいずれを好む
のでしょうか、、

このような一見すると定性的なお話しでも、
現象を記述する支配パラメタ(たとえば、
交通量、交通密度等など)をおさえると、
定量化することが可能となります.

こうした定量化の方法をモデル化、もしくは、
モデリングを呼ぶことがあります.


われわれが何がしかの未来を予測するため
には、こうしたモデル、を使うことが有効
となりえることが考えられます.

また、モデルは通常、数理、つまり数学の
ロジックなどを定式化することで作成する
ことが一般的なのです.

以前、ブログの中で紹介した金融にかかわる
現象も、ブラックショールズ方程式などに
よってある程度定式化可能となりえます.

ただし、これらのモデルというのは、通常、
ある状況を固定、もしくは、制限したかたち
で想定するので、状況が変われば、モデルを
つくりかえる必要があります.

このあたりの作り変え問題は、場合によって
とても困難であることが往々にしてありえ
ます.

それは、モデルの設計者にとっては、現在の
状況がどの未来の状況へ移り変わるのか必ず
しも自明ではないからです.

こうした話しは、映画『マトリックス』など
の展開ロジックと非常に似ていると思います.

マトリックスでは、人間やマシン、その間
にあるエージャントと呼ばれるプログラムが
介在することで、結果として、人間とマシン
との関係を描くかたちになっていますよね.

誰かがあらかじめ予想したようにプログラム
を作っても、そのプログラムが状況の中で
進化(書き換え)してしまう、となると、
未来が変わってしまって予想したものを遥かに
超える展開となることがありえます.


昨今の経済状況に話しを戻すならば、リーマン
潰しが発端となった今回の不況で、たとえば、
自動車メーカーの世界的なマーケット地図も
大きく変わり、大型車から小型車へのサイズ
シフトが次世代のマーケット地図を塗りつぶす
キーとなりつつあります.

景気をよくするためには、何がしかのバブル
が必要で、ある意味で経済政策とは、この
バブルをどこかで作りつつ、破裂しないよう、
制御することであるようにも思えますね.

しかし、こうした制御がリーマン潰しのような
ある意味で突発的な出来事によって、一変
されて壊されてしまう、こともよくあります.

だから、制御されている状況を注視しつつ、
制御の限界も、来るべく未来に起こる前の
前駆的な予兆としてみるために、数理による
モデルは役に立つかもしれない、と思って
日夜研究に取り組んでいます.

そういえば、株や経済指標などのストップ&
ゴーもだんだん頻度が落ちてきた感がある
のは、気のせいでしょうか、、

(このあたりは、事象を周期で定量化すると
効果的かもしれませんね.)
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失敗と報酬による学習の仕組み

2010-04-06 19:55:43 | 日記
最近、ユニクロ社長の柳井さんが執筆された本
を読みました.

ユニクロは、9失敗して1成功させる、という
哲学のようです.

学習とは、ある意味で、失敗の中から成功となる
事柄を見出す作業といえると思います.

失敗をしなければ、成功はない、という意味です
ね.


研究はそのほとんどがどちらかというと失敗だと
思っています.

しかし、何が失敗で、何が成功なのか、は実の
ところよくわからない、のではないでしょうか.

短期的にみれば失敗でも、時間がたつとうまく
いっているケースもよくありますよね.

たとえば、ある会社の株を買って、短期的には、
下がっても、長期的には、あがる、という体験は
よくあります.

自身、未だ、サブプライムからの回収が100%
には達しておらず、頭の痛い話しではあるの
ですが、何が、勝ちで負けかは、結局、時間が
解決してくれるのでは、などと時々思います.
(もちろん、何がしか行動を起こす、という
ことが前提ではありますが、、)

そう意味では、成功は、失敗の延長線、という
見方もできると考えられますが、なんにもしなく
てよいか、といえばそういうわけでもありません.

しなければならない事の一つに”予想”があると
思います.

何かをなす、その結果が云々となる.これを
具体的にイメージするのが予想ですね.

脳の中では、予想に関係するドーパミン神経細胞
があります.

ドーパミン過剰状態となると、恍惚感や快感の
ような感情が増すと考えられています.これは、
いわゆる脳内麻薬に相当します.

人はある意味で、この恍惚感や快感を主体的、
能動的に求める生物といっていいかもしれません.

一方、最近の脳科学では、ドーパミンが生み出す
のは、恍惚感のみでなく、嫌悪間も生み出すこと
が知られています.

興味深いのは、ドーパミンの量は、ドーパミン
神経細胞が発火により決まるのですが、この発火
は、報酬が得られる直前であることが、サルの
実験からわかっています.

つまり、サルは、何をすれば、バナナ(報酬)が
もらえるのかを期待し、このときにドーパミンが
放出されるよう学習している、ということですね.

機械学習では、このような報酬予測を基にした
学習スキームを強化学習法などと呼んでいます.

または、情動学習と言われることもあって、その
理由として、すべて計画通りにいくと、ドーパミン
が喜びの状態を作り、逆に計画が失敗すると、
ドーパミンを分泌しなくなる、という具合に
アメとムチの使いわけを情動込みで学習させます.

興味深いことに、計画の失敗をモニターする機能
(前帯状皮質)と密接にリンケージをもっており、
脳科学者は、これを「しまった!回路」と呼んで
いたりします.


ところで、ドーパミン過剰で思い出すのは、著名な
作曲家であったWolfgang Amadeus Mozartです.

Mozartは、幼児のころ比較的ドーパミンが少ない
ときにでる行動パターン(無気力・自閉の症状)
があったといわれています.しかし、晩年は、
むしろ快楽を貪り、ドーパミン過多とみられる
行動パターンが顕著であった、と記されています.

実は、Mozartの音楽が、"The Morart effect"を
作りだすことは良く知られています.

Morart作曲のソナタを学生にきかせると空間認識
テストを高成績を示すことが可能となった、と
ネイチャー(科学論文)で発表されています.

このあと、いろいろこの効果が拡大解釈されて、
心身の健康や、創造性が向上し、アレルギーにも
よい、という宣伝もあった、のですが、Mozartの
音楽は、人を心地よくさせ、ドーパミンを放出
させるトリガーになっている、という考えも
あるようですね.
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