先週、医療関係のニュースで興味深いものがありました.
以下、7月22日付けBloomberg記事より.
7月22日(ブルームバーグ):中堅製薬メーカーの塩野義製薬株が一時、
前日比4.2%高の1796円と急上昇。
6月30日(10.9%高)以来の日中上昇率を記録した。
新規抗HIV薬「S/GSK1349572」(開発コード)の臨床試験が良好に推移、
有効性などを確かめる第3相臨床試験(最終段階)を行うと21日に発表した。
同新薬の収益貢献などを期待する買いが増えた。
S/GSK1349572は、塩野義薬が創製したHIVインテグレース阻害剤で、
英製薬最大手グラクソ・スミスクラインと共同で臨床試験を米国で行ってきた。
後期第2相臨床試験では、優れた抗ウイルス活性とウイルス耐性が示されたといい、
オーストリアのウィーンで23日まで開催される国際エイズ学会で、
同試験結果を公表する予定。
BNPパリバ証券のシニアアナリスト、フィリップ・ホール氏はS/GSK1349572について、
「米メルクの『アイセントレス』を上回る効果が期待できるため、
ピーク時年商は10億ドル(約870億円)を超える可能性もある」と分析、
大型製品化を期待している。
米メルクのアイセントレスは2008年の最高医薬品賞を受賞した抗HIV薬で、
S/GSK1349572とは同系統の薬。第1四半期(1-3月)売上高は2億3000万ドルで、
「年間10億ドル以上の売り上げが期待できる」とホール氏はみている。
---記事終わり
このブログでも、HIVと免疫に関することを以前かきました.
HIVインテグレース阻害剤は、HIVウイルスの増殖を抑え、
耐性をなくし、有意にウイルスの数を減少させる効果があったようです.
要は、効果があるとされる大半の抗エイズ薬は、タンパク質分解酵素の
働きを阻害するか、エイズウイルスの増殖を助ける逆転写酵素を阻害
する作用のあるものでした.
ただし、この方法だと酵素阻害のために複数の薬を服用するカクテル療法
なので、肝臓がやられてしまう、という副作用があります.
一方、第三のエイズウイルス酵素インテグレースを制御する種類は
存在しなかった、ということで以前から、米国の「レトロウイルスと
日和見感染症に関する会議」でメルク社とギリアド・サイエンシズ社が
小規模レベルのテスト結果ではありますが、既存のHIV治療薬が作用
しない唯一のウイルス酵素であるインテグレース阻害作用で、抗HIV
の臨床効果を確認していたようですね.
うれしいことに従来の酵素阻害剤のような副作用も少ないようです.
新たな段階に入ったということで大変期待できるものだと思います.
ただし、
特許の権利化がどこまで整理されているのかまではわかりませんが、、
以下、7月22日付けBloomberg記事より.
7月22日(ブルームバーグ):中堅製薬メーカーの塩野義製薬株が一時、
前日比4.2%高の1796円と急上昇。
6月30日(10.9%高)以来の日中上昇率を記録した。
新規抗HIV薬「S/GSK1349572」(開発コード)の臨床試験が良好に推移、
有効性などを確かめる第3相臨床試験(最終段階)を行うと21日に発表した。
同新薬の収益貢献などを期待する買いが増えた。
S/GSK1349572は、塩野義薬が創製したHIVインテグレース阻害剤で、
英製薬最大手グラクソ・スミスクラインと共同で臨床試験を米国で行ってきた。
後期第2相臨床試験では、優れた抗ウイルス活性とウイルス耐性が示されたといい、
オーストリアのウィーンで23日まで開催される国際エイズ学会で、
同試験結果を公表する予定。
BNPパリバ証券のシニアアナリスト、フィリップ・ホール氏はS/GSK1349572について、
「米メルクの『アイセントレス』を上回る効果が期待できるため、
ピーク時年商は10億ドル(約870億円)を超える可能性もある」と分析、
大型製品化を期待している。
米メルクのアイセントレスは2008年の最高医薬品賞を受賞した抗HIV薬で、
S/GSK1349572とは同系統の薬。第1四半期(1-3月)売上高は2億3000万ドルで、
「年間10億ドル以上の売り上げが期待できる」とホール氏はみている。
---記事終わり
このブログでも、HIVと免疫に関することを以前かきました.
HIVインテグレース阻害剤は、HIVウイルスの増殖を抑え、
耐性をなくし、有意にウイルスの数を減少させる効果があったようです.
要は、効果があるとされる大半の抗エイズ薬は、タンパク質分解酵素の
働きを阻害するか、エイズウイルスの増殖を助ける逆転写酵素を阻害
する作用のあるものでした.
ただし、この方法だと酵素阻害のために複数の薬を服用するカクテル療法
なので、肝臓がやられてしまう、という副作用があります.
一方、第三のエイズウイルス酵素インテグレースを制御する種類は
存在しなかった、ということで以前から、米国の「レトロウイルスと
日和見感染症に関する会議」でメルク社とギリアド・サイエンシズ社が
小規模レベルのテスト結果ではありますが、既存のHIV治療薬が作用
しない唯一のウイルス酵素であるインテグレース阻害作用で、抗HIV
の臨床効果を確認していたようですね.
うれしいことに従来の酵素阻害剤のような副作用も少ないようです.
新たな段階に入ったということで大変期待できるものだと思います.
ただし、
特許の権利化がどこまで整理されているのかまではわかりませんが、、