曖昧さの薄闇の中に

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小岩井牝系の父 インタグリオー

2009年08月27日 | 血統論

在来牝系として名高い小岩井牧場の牝系は、
今でも日本競馬で影響力を持っており、
定期的に活躍馬を送り出している。

戦前に輸入された基礎繁殖牝馬の血をつなぐという仕事は、
日本のホースマンの誇りであると思う。


そんな訳で、一口馬主として募集馬を評価する際には、
ついつい牝系を調べる事に時間を費やしている昨今である。



小岩井牧場出身の在来牝系を調べていくと、
決まって インタグリオー という名の種牡馬が出てくる。

例えば、フロリースカップ系の隆盛を担った
第四フロリースカップ は、
インタグリオーフロリースカップ の仔である。


調べてみると、 インタグリオー は小岩井牧場が
サラブレッド生産の基礎を築く為、
明治40年 (1907年) にイギリスから輸入した種牡馬だった。

父系は、イギリスの至宝 セントサイモン 系。


当時の輸入価格は 1万円 と記録されている。


巷では 1円 とか 20銭 で売り買いをしていた時代の 1万円 である。


インタグリオー は、
その途方も無い投資金額に見合った繁殖成績を残した。

そのサイアーラインは戦前で途絶えてしまったが、
小岩井牝系の父として、今もその名を血統表に見ることができる。



ここで注目したいのは、 インタグリオー の血統構成である。


父系こそ当時主流の セントサイモン 系だったが、
ボトムラインに並ぶ父系は ヘロド系 等の傍流であり、
セントサイモンの近親交配以外のクロスが生まれない種牡馬なのだ。


これは、当時からラインブリードによる同系繁殖が忌避されてきた証左であり、
日本競馬の先人達がサラブレッド生産に苦心した証だと思う。



現代に生きる我々は、もっと 温故知新 の姿勢を
持たなければならないのかも知れない。


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