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映画「エイリアン:コヴェナント」@109シネマズ木場

2017-09-24 20:27:57 | 映画感想
2017/9/23、109シネマズ木場。
8番スクリーン。
本当は中央通路直後のE列が良かったのだが、列中央が埋まっていたので、
中央通路前のC列を選択した。

そのため、やはり少し前過ぎたが、中央通路より前は我々しかいなかったので、
前後左右に(後はもともとないけど)全く遠慮することなく鑑賞することができた。



キャサリン・ウォーターストン、マイケル・ファスベンダー、
ビリー・クラダップ、カルメン・イジョゴ、ダニー・マクブライド、
ガイ・ピアース、ジェームズ・フランコ。



冒頭は、アンドロイド(マイケル・ファスベンダー)と
ピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)の会話。
名前を自ら付けるよう言われたアンドロイドはデビッドと名乗る。



宇宙移住船コヴェナント号。
2000人の移住者と1000人分の胚、十数名の乗組員が冬眠状態。
アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が維持管理をしている。

目的のオリエガ6まではあと7年と少し。
作業中に宇宙船のメインコンピューター、マザーに呼び出される。
宇宙船の近傍の星がニュートリノ・バーストを起こしたとのこと。
コヴェナント号は衝撃波を受け、移住者50名ほどと数十の胚が死ぬ。

乗組員の緊急覚醒処置が行われるが、船長のブロンソン(ジェームズ・フランコ)は
装置の故障で焼け死ぬ。

ブロンソンのパートナー、ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)はショックを受けるが、
ウォルターがブロンソンとの約束である湖畔の木造りの家を建てるように、と励ます。

次の船長はオーラム(ビリー・クラダップ)となった。

修理の船外活動時に「カントリー・ロード」に聞こえるノイズが発生する。
発信源は現在地から数週間のところで、惑星のサイズ、重力、大気組成などは地球に酷似していた。

オーラムは副官であるダニエルズの反対を押し切り、発信源の探索を行うことを決定した。
船長のオーラム、ダニエルズ、ウォルターら10名が着陸船で地上に降り発信源を目指す。

カリーヌ(カルメン・イジョゴ)とレドワード(ベンジャミン・リビー)が、
生物学的な調査のため別れるが、レドワードが踏んだものから出た胞子のようなものが、
レドワードの耳の穴から体内に入ってしまう。

残りの一行は、C字型の宇宙船を発見する。
「プロメテウス」や1作目「エイリアン」でも出た巨人の造形が見られる。

その頃、レドワードの体調が急変、カリーヌとともに着陸船に戻るが、
それは、これから起こる惨劇の予兆に過ぎなかった。

果たして一行の運命は。



「プロメテウス」の続編で第1作「エイリアン」の前日譚。
「プロメテウス」を見ていることが前提のようだ。

また、「プロメテウス」を見ていてもこの映画とつながらない部分が出てくる。

あのおびただしい死体についてちらっと説明されるが経緯はよくわからない。

実は「プロメテウス」と本作をつなぐショートムービーがあり、それによれば、
前作の最後にエリザベス・ショウが宇宙船で創造主たる宇宙人の星に向かうが、
その航行の間にショウはデビッドを修復し、復活させた。
宇宙人の星に着いたデビッドが着陸地点に入る直前でそのムービーは終わる。

本作では、その続きであの死体が作られた経緯につながっていく。



予告でキャサリン・ウォーターストンが乗組員の前で
「私たちは大きな犠牲をはらってここまで来た」などと演説するシーンは、
本編では出てこない。

ジェームズ・フランコはいきなり冬眠装置の中で焼け死んでしまい、
キャサリン・ウォーターストンのタブレット内のビデオレターとしてのみ登場するが、
この本編に出ない予告の中では大いに登場する。

デビッド誕生シーンのピーター・ウェイランドは、ガイ・ピアーズだがそうは見えなかった。



毎々思うことだが、物語の進行上、そうするのは分かるが、どうして未知の惑星に初めて降りるのに、
あっさりと宇宙服を脱いでしまうのか。

未知の生物はもちろん、どんな病原菌やウィルスや未知の微生物がいるかもわからないのに。
水対策もしてないし、空気も直接吸うし、不用意に物は触るわ、簡単に怪我するわ、でいいのか。

地形も地質も周辺の様子もわからずいきなり着陸するのも危険極まりない。
無人機や、アンドロイドに探査させ、安全を確保しつつ、少しずつ移動領域を広げていくのが常套でしょう。

仮に地表で移動する必要があったとしても足元の安全も確認しないまま行動し、
見えない亀裂や柔い部分があったらどうするのか。



次回作があるらしい。
タイトルは未定だが、2019年の公開を予定しているようだ。



「プロメテウス」の、そもそも人間が宇宙人のDNAを引き継いだものであることは、
ある程度許せたとしても、今作の評価はエイリアンの作られた経緯がコンセプトとして
受け入れられるかにかかる。

元々のエイリアンが、宇宙にはわれわれの想像を超えるとんでもない危険生物がいるということ
だと思っていたのに、結局はこれかよ、では因果応報、自業自得だ。

未知の生物にオリジナルがあってその改変で新生物が作られたので、オリジナルとある程度似通うのは分かる。
しかし、それは設定全体がわかっている人の立場で言えることで、知識のない人間にわかるわけはない。

外観の形態はもちろん、運動性能も不明。
どういう習性、食性、行動パターンを取るかもわからない。

テネシーにしたって、運搬船にとりついたエイリアンを初めて見て、誰も何も説明しないのに
それが極めて危険な生物であることに気づき、ダニエルズの行動を支持し援護できるのはすごい。



宇宙船の構造はかなり練って作り上げられているとは思うが、移住者のぶら下げた冬眠ポッドはいただけない。
「アバター」のようなラック方式がよさそうだし、「パッセンジャー」方式は空間が無駄だが安全性は高い。

これも最近のSFで気になる点だが、あらゆる点でフェイルセーフになっていない。
アンドロイドが故障したらどうするのか。そもそも維持管理に一人は少なすぎ。

あの様子だと、一人のチェックに10秒はかかる。2000人を毎日チェックしたら
それだけで5時間半かかる。
最低でも自動で正常/異常は検知し、異常(もしくは正常でない)状態を検知した
カプセルのみのチェックにするべきだが、そうなっているとは思えなかった。

異常の出た胚は廃棄していたようだが、人体に異常が出たらやはり廃棄するのか、それとも治療するのか。
治療するにしても「エリジウム」の様に自動診察治療システムでもあれば別だが、治療も手動の様に思えた。

異常はあり得ない、何もかもがスムーズに進行することが約束されているとしたら、どうやっているのか。

その他にもコヴェナント号は大気圏突入に耐えないと言っていたのに、着陸船が1台は少なすぎ。
無人着陸船、あるいは探査船、あるいは重機等があるとは思えなかった。

仮に目的地の「オリエガ6」はかなりの程度探査が進んでおり、そこで必要最低限の機材を搭載しているとすれば、
やはり未知の惑星に降りるのは、何があるかわからないから私は反対です、程度のリスクでは済まない。
武器もあれだしね。

ということで、SFの設定的には不満は残るが、映画自体は面白かった。



余談だが、ニュートリノ・バーストは超新星爆発などで起こりうる現象だが、
ニュートリノは物質にほとんど作用せず透過してしまうので、
ニュートリノ・バースト自体では衝撃波は起こらない。

そのあとに続く高温のエネルギー放出や、荷電粒子の放出による衝撃波は起こるが、
ニュートリノ・バーストからずっと先のことになる。

よほど近くなければ、対応する時間は十分にあるし、対応する時間がないほど近ければ
宇宙船自体がそれこそ木っ端微塵。

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