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エスカレーターの新常識は本当に常識であるべきなのか

2018-10-06 12:06:25 | 観察
エスカレーターの片側(関東では右側、関西では左側)を開けて乗り、
片側は歩くよりも、歩かずに両側に乗ったほうが、多くの人が運べるらしい。

これはかなり以前から言われていたことで、またぞろ某公共放送で
「新常識」だ、「みんなにやさしい」などと喧伝していた。

両側に立つ方が時間当たり多くの人が運べ、実験によれば「3割多い」そうだ。

だからと言って、誰も歩くな、両側に立て、と言うのが本当にやさしいのか。

単に速けりゃいいと言う人もいるだろうが歩く人にもそれなりの理由があって急いでいる。
止まっている人だって全体に速く捌ければ嬉しいだろうが、その程度。

ゆっくりで良い人が早く行きたい人を止めてまで全体量が捌けたほうが幸せか。
急いでいる人に自分の時間を少し譲ってでも早くいかせてあげるほうがやさしくないか。

そもそもたくさん運べることがエスカレーターにとって良いことなのか。
仮にそうだとしても全体最適化と個別最適化が相反するいい例かもしれない。

エレベーターが長くなるほど効果が大きいとも言っていたが、イベントなどで
同じ目的を持った大勢の人を短時間で会場に運ぶ必要がある場合はともかく、
日常のシーンでどこまで有効かは大いに疑問。

ラッシュ時にエスカレーターが混むことでホームに人があふれて危険だという。
確かにそうだが、詰めて乗るだけでも十分カバーできる。

両側に止まって乗ると1.3倍、と言うことは片側0.65で歩く方は0.35。
確かに歩いている方はスカスカで、実際には止まるのの半分程度と言うのは納得がいく。

想像だが、そもそも実験では段を空けずに詰めて乗っていると思う。
しかし、実際にはほとんどの人が一段空けて乗るわけで、詰めてもらうだけで十分。
ラッシュ時ですら、全員が詰めて乗っていない。

普段の止まる方が一段置きだとすると、0.65の半分しか乗っていないので0.325
歩く方の0.35と合わせて0.675。
ラッシュ時は詰めて乗る人も結構いるので、8割がたそうだとして0.52で0.87。
1.0÷0.675=1.48
1.0÷0.87=1.15
平均で1.32と詰めて乗るだけで平均3割増し達成。

長いエスカレーターほど効果大と言うのも疑問。
長いエスカレーターと言えば東京ビッグサイト西館のエスカレーターが頭に浮かぶ。
ずいぶん前になるが、イベントで人が殺到し、満杯になったエスカレーターが重さに耐えきれず、
逆走して大勢がけがをしたことがある。
それ以来「一段置きに乗ってください」の注意書きがされるようになった。

つまり、エスカレーターにとって大勢が一度に乗ることは必ずしもうれしくない。
最大負荷をかけ続けることは機械にとって良いこととは限らない。
すなわち、たくさん運べることが最適とは限らないのではないか。

ビッグサイト西館の場合は、1階フロアが吹き抜けでだだっ広く、
大勢をエスカレーターの下に待たせても、誘導をきちんとやれば危険はないし、
そもそもみんなマナー良く列に割り込むような輩もいないから混乱もない。

イベント会場、駅、街中、ショッピングモールやデパートなど、場所や時と場合によって
最適解は変わるはずで、ただ単にエスカレーターは歩かずに乗りましょうと言うのは短絡的。
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