ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.82 6.25 タンナの愉快な仲間たち その6

2009-06-25 18:22:24 | Weblog
みなさんこんにちは!最近タンナでは風邪が流行りだしました。そして私も・・・(+_+)でも大丈夫。途上国では体調が万全!なんてことはほとんどないので薬を飲みつつ「風邪なんてひいていない!」と自分に言い聞かせて乗り切ります(^^)v

さぁついに6回目になった「タンナの愉快な仲間たち」。お待たせしました!ついにロカタイ小学校のエース?の登場です^^彼の名は「キンスレイ」。ロカタイ小学校の1年生。ただし、普通の一年生ではありません。彼は何を隠そう超ベテラン1年生なのです!そう、彼は私が赴任して以来、ずーっと1年生。今年でなんと1年生3回目!!!私が赴任した頃には教室でも教室外でもとにかくチョロチョロしていて、友達や先生の注意など全く気にせず、天才的な集中力で常に心は「キンスレイワールド」へ旅行中・・・と言った感じでしたが、さすがに1年生3回目の今年は座って私の授業を受けられるようになり、間違いはあるものの数字を書くことができるようになりました。

彼のクリクリした愛らしい瞳とコミカルな動きはいつも私を和ませてくれます^^今は「1から10までの数字を書きましょう。」と私が言っても彼はなぞの模様しかかけませんが、なんとかその模様の中から数字らしきものを見つけ、「おー!2って書けたね。えらいねー^^」とほめてあげています。留年がなく、最低限の学力を保証しなくてはならない日本の小学校ならばそんなお気楽なことばかり言ってはいられませんが、ここバヌアツでは学校へ来てくれるだけよし!私自身も「1,3,4,5,6,7,8,9,10が書けない」と言うのではなく、「2が書けた!!!」と考えるようにしています。やっぱり学校は楽しい場所でなくっちゃね^^!

そんなキンスレイはロカタイ小学校の先生、サムソンの子ども。バヌアツでは家族みんな顔がそっくりで、聞かなくても誰が親子・兄弟なのかはほとんどわかります^^もちろんサムソンとキンスレイもそっくり!サムソンは賢く人望もある先生なので、きっとキンスレイも大人になったら、父親のように立派になる・・・でしょう!(^^)v

おー薬が効いてきたぞぉ~!さて、水汲みに行ってこよーっと♪では、次回もお楽しみに!素敵な一日を☆Ale!(^o^)/


写真はキンスレイです。うーん緊張しちゃってますね^^

no.81 6.22 タンナの愉快な仲間たち その5

2009-06-22 18:19:18 | Weblog
みなさんこんにちは!タンナでは5・6歳になった男の子に割礼を行う習慣があります。そして大体7月から8月にかけて多くの村で割礼のお祝いが行われます。最近では「割礼のお祭りがあるからテツヤも来てね。」と言われることが多くなりました。その模様もばぬあ通信でお伝えしますので、お楽しみに!

さて、タンナの愉快な仲間たち第5回の主役は、以前にもばぬあ通信に登場したことのある「たくちゃん」です。彼は私と同じ小学校配属の算数隊員で、タンナの中心地にあるレナケル小学校を中心に活動しています。前にも書きましたが、彼は数学が専門の数学のスペシャリスト!バヌアツ算数科教育発展のために幅広く活動していて、すでにバヌアツ算数の中枢を担っています。彼と一緒に活動するようになり私の活動にも幅が出て、内容的にも深みが増しました。たくちゃんは数学的な視点から、私は初等教育の視点からお互いの活動や算数科指導について考え、意見交換をすることで高いシナジー(共同・相乗作用)を得ることができています。算数では1+1は2ですが、たくちゃんと私の場合1+1が5くらいになっている感じがします(^^)たくちゃんは知的でスマート。元ラガーマンで礼儀正しく、しかも剣道の有段者と大和魂をもつ男!同い年で趣味も合う。そんな彼と一緒にいて楽しいことが起きないわけがありません^^♪

そして先日、そのたくちゃんと一緒にものすごい快挙を達成してしまいました!!!何をしたかというと、彼と一緒に作った曲がバヌアツのテレビ・ラジオで流れることになったのです(゜O゜)!たくちゃんが首都で保健省に配属されている隊員から、はしかの予防接種キャンペーン用CMのBGMを作って欲しいとの要請を受け、そのための曲を二人で作りました。レコーディングはヨリスタジオ(よりくんの家の一室)で行い、たくちゃんがもっているプロ顔負けの機材で録音しました。彼がギターで作った伴奏に私がギターでメロディをのせる形でレコーディングしました。「母から子どもへの不変の愛」をイメージしながらメロディをつくりました。曲名は「Lovem yu(ビスラマ語でI Love you)」、ユニット名は「Samurai soul」。もうすでにバヌアツのラジオではその曲が流れているそうです(^^)v

来月17日にはたくちゃんと協力して、タンナの先生を対象にした規模の大きいワークショップを行う予定です。準備はちゃくちゃくと進行中!いいワークショップができるように頑張ります。たくちゃん、よろしくねー!!

次回のばぬあ通信はついにロカタイ小学校のエースの登場です!乞うご期待☆ではまた!Ale!(^o^)/



写真はレコーディング機材で遊ぶマンタンナJOCV。一番右にいるのがたくちゃんです^^

no.80 6.19 タンナの愉快な仲間たち その4

2009-06-19 18:15:10 | Weblog
みなさんこんにちは!ここ数日タンナはかなり寒く、朝は息が白くなります。日中も暑くはならないので過ごしやすいといえば過ごしやすいですが、やっぱり南の島だから南国を感じさせる天気が恋しい今日この頃です(^^ゞ

さて、タンナの愉快な仲間たち第4回の主役は私の家の隣に住む「マーガレット」です。彼女はロカタイ小学校の4年生の担任で、彼女には赴任当初から仕事の面でも生活の面でもいろいろと助けてもらっています。学校では子どものコントロールが上手な優しい先生で、私は彼女から授業でよく使う言い回しやバヌアツ流の指導法などたくさんのことを学びました。また彼女は先進国的な常識(変な言い方ですが)がある人で、彼女のクラスにはゴミ箱があり、私と同じで子どもにサンキューと言うように指導したりしています。(教室にゴミ箱があるクラスは私の知る限り彼女のクラスだけです。)彼女の指導が行き届いてるのはクラスの雰囲気にはっきり表れていて、子どもたちはみんな落ち着いているし、欠席も少ない。私も4年生は授業がしやすいです^^

1年くらい前、巡回指導先で不愉快な思いをして悶々としていたときに、マーガレットになにげなくそのことを話したら、彼女は思いがけず「それはテツヤが正しい。(相手は)礼儀知らずでよくない!」と言ってくれ、「そうか、やっぱり気持ちはみんな同じなんだ。人種の問題じゃないんだ!」とわかり、滅入っていた気持ちは日本晴れ\(^o^)/と、彼女の言葉に救われたこともありました。彼女はよき同僚であり、よきご近所さんであり、そしてよき先輩教師です(^^)

そんなマーガレットは4児の母。一番下の女の子ガブリエラは2月に生まれたばかり。最近では顔つきもしっかりしてきて、目も合うようになりかわいい盛りです^^そして一家みんな仲がよく、旦那さんのトムは長身の男前!息子のマシューとコートニーも男前になるんだろうな^^♪そんな家族の温かさをいつも近くに感じられるのもタンナならではなのかもしれませんね!

早いもので、もう6月も半分終わり。こうして時は流れていくんですね。まさに「光陰矢のごとし」だなぁ。では、次回もどうぞお楽しみに!Ale!(^o^)/



写真はマーガレットと娘のカウイです。カウイは1年生で、ずっと数字の3を鏡文字で書いていましたが今は正しく書けるようになりました。えらいぞ~カウイ^^

no.79 6.16 タンナの愉快な仲間たち その3

2009-06-16 18:12:08 | Weblog
みなさんこんにちは!今日のタンナは快晴ですが、南の島!というよりは日本のお正月の頃の晴天の日を思わせるような感じ。冬晴れの南国。人々のみならず天候までオリジナリティ溢れるタンナです(^^ゞ

タンナの愉快な仲間たち第3回の今日の主役はJOCVとして日々タンナ産の魚の流通に尽力している「ひろさん」です。彼は州の水産局に配属され、日夜忙しく働いています。バヌアツ人、もちろんタンナの人もみんな魚が大好きなのですが、タンナには漁師さんが取った魚を流通させる術がなく、魚はとても貴重なものでした。冷凍設備が不十分な上に、タンナの漁師さんのほとんどが島の東側に住んでいて、人口が多い商業の中心が西側にあるため、高いお金を出してトラックをチャーターしないと消費者側に魚を届けられないなどの多くの問題がありました。そんな過酷な条件の中、魚の流通システムを確立し、マンタンナがおいしく安全な魚を食べられるようにとひろさんは頑張っています。

ひろさんはレナケル(タンナの商業の中心地)へフィッシュマーケットを開設し、漁業組合を活性化させ今までは各々で活動していた漁師さんをまとめ、適正価格で魚を買い上げた魚をフィッシュマーケットで販売しています。零細漁民がほとんどのタンナなので、生産側・消費側両方にとって利益があるように、また水産資源が枯渇してしまうことがないようにとひろさんは常に気を配り、現地人と一緒に休むことなく毎日働いています。

赴任時から数ヶ月で10キロ以上やせるという、脅威のタンナダイエットをした(してしまった?)ひろさんはいつも物腰が柔らかく、超博学!その上、落ち着いた雰囲気できりっとした男前。いつでもどこでも誰にでもやさしく接するひろさんは、タンナのおじさん・おばさんの人気者!別名「タンナの氷川きよし」と呼ばれて・・・はいませんが、まさにそんな感じです^^カバが大好き!というのもマンタンナの心をつかんでるんでしょうね!

現地人の生活に密着しているひろさんの活動は本当に大変な活動だと思います。特にタンナという少し特殊な地域での活動はなお障害が多い。それなのにそれを全く感じさせずに活動しているひろさんを見ると、「おれももっと頑張れるはずだ!」と気が引き締まります^^今は海が荒れていてフィッシュマーケットには魚がないそうです。早く冷凍庫がまたいっぱいになるといいですね!

タンナは今夜も冷え込んでいます。どうぞみなさんもかぜを引かないように気をつけてくださいね!ではまた!Ale!(^o^)/



写真はタンナ産の魚を焼いているひろさんです。ひろさんが赴任してから私自身も魚を口にする機会が増えました^^

no.78 6.14 タンナの愉快な仲間たち その2

2009-06-14 18:07:33 | Weblog
みなさんこんにちには!最近タンナではマーケットにいろいろな野菜・果物が並ぶようになってきました。チンゲン菜、ねぎ、しょうが、レモン、ヤムいも、クマラ(さつまいも)、パイナップルなどなど。もう少ししたらトマトも出るのかな?マーケットがカラフルになるとうれしい気持ちになります^^

さぁ、タンナの愉快な仲間たち第2回の主役は私の配属先ロカタイ小学校の校長「ナゴー」です。彼は7・8年生の担任で、数学・理科などを教えています。私がロカタイ小に赴任したときに彼に「何か要望はありますか?」と聞いたら「ないよー。普通に授業してくれればいいよー。」と言われ、そのときは「なんじゃい!やる気ないやんけ!!」と思ったのですが、今思うと、何事も押し付けたり、無理強いをしないこの彼の穏やかな性格のおかげで私は自由に活動することができたんだと思います。算数においても赴任当初は「算数の先生なのにこれはちょっと・・・」と思うこともあったのですが、バヌアツ全体の教員の知識・指導レベルで考えれば、彼の算数における理解力は極めて高いのだなと感じます。算数ワークショップでも彼が一番理解してくれるし、今では私の活動を支えてくれる頼もしい校長です。彼は大学でコンピューターを専攻していたそうで、オーストラリアで学んだこともあるとか。私の身の回りで唯一パソコン(とはいってもワードが主ですが)が使いこなせるバヌアツ人です^^

そんな彼ももちろんカバが大好き!しかも飲む量が多い!!何度か一緒に飲んだことがあるのですが、私がフラフラになって「もう飲めない・・・」となって家に帰ったあとも違うカババーを探し飲み続ける酒豪・・・じゃなくてカバ豪です。ちょっとお調子者だけど、何事にも寛容で(日本ではこれを「適当」というのかもしれませんが(^^ゞ)シャイでさりげない優しさを感じさせてくれるナゴー。彼が上司だったから、私も自分らしく活動出るんだと思います。サンキュ、ナゴー!

では、次回のばぬあ通信もお楽しみに~♪Ale!(^o^)/


写真は丘の上の村であったヤムいも収穫祭へ一緒に行ったときのものです。少し緊張していますね!加藤茶に似てるあたりも親近感を感じさせるのかなぁ^^   


no.77 6.4 タンナの愉快な仲間たち その1

2009-06-04 18:04:11 | Weblog
みなさんこんにちは。お元気ですか?いつも学期始めはのんびりスタートの配属先ロカタイ小学校も今週からは普段どおりの授業が行われ、私も授業に教員対象のワークショップにと楽しく活動しています。これが私にとってJOCVとして活動する最後の学期。悔いの残らないように健康第一で頑張ります(^^)v

今回からの数回、いつもとは少し趣向を変えてともにタンナで暮らしている私の愉快な仲間を紹介していきます!

第1回目の今日の主役は、JOCVとしてタンナで体育の普及活動をしている「よりくん」です。彼は州の教育事務所に所属していて、タンナの小学校を巡回しながら体育の指導を行っています。毎学期始めに4校を選び、そこで各校週1回、1学期間体育の授業を行います。さっそうとバイクで現れ、楽しい体育の授業で子どもたちの心を奪い去っていく・・・。そんな彼はすでにタンナの子どもたちのアイドルです^^

よりくんはバスケットボールプレイヤーで、文武両道のナイスガイ!がっしりした体でいつもみんなにやさしい。まさに「気は優しくて力持ち」。そんなよりくんは間違いなくバヌアツJOCV一の癒し系♪おれも彼みたいに癒し系になりたい・・・なぁ^^なんて不可能な冗談はさておき、なんと先日彼は日本のFMラジオに生出演したのです!それはJーWAVEの”What's your job?”いう番組で、彼がJOCVになった経緯や、バヌアツについて、彼の活動についてなどを電話で日本のリスナーへ伝えました。私はその歴史的な瞬間に立ち会ったのですが、さすがよりくん!完璧でした(^^)vその番組を聞いた中から、「第2のよりくん」が育ってくれたらいいなぁと思います。

私は今日、配属先のロカタイ小で月例の算数ワークショップを行いました。今年に入り4回目の月例ワークショップだったのですが、以前に比べて現地教員たちの理解度が格段に向上していることをひしひしと感じました。彼らも手ごたえを感じているようだし、私も1年前とは全く違う手ごたえを感じています。「継続は力なり」ですね!よかったー♪さー明日もがんばるぞー\(^o^)/

では、これからよりくんと一緒にカバへ行ってきます^^仕事がうまくいった後のカバは・・・いいですよ~♪みなさんも素敵な夜を☆Ale!(^o^)/


写真はロカタイで体育の授業をしているよりくんです。みんなとても楽しんでいました^^



no.76 5.22 首都は今

2009-05-22 17:55:05 | Weblog
みなさんご無沙汰しています。隊員として最後のになる隊員総会を無事終え、18日に首都ポートビラからタンナヘ戻りました。やはりタンナは寒く、帰タンナしたとたん見事に風邪をひいてしまいました(+_+)まだ学校が始まっていないので3日間しっかり寝込むことができ、今はすっかり元気になりました^^(本当は18日からが2学期なんですが・・・(^^ゞ)

今回首都へ上がって一番驚いたことは「若者がおしゃれになっている!(゜゜)」ということです。最初は私があまりにもルーラル(僻地)で生活しすぎて、美的感覚がおかしくなったのかな?とも思ったのですが、他の隊員に聞いても「ビラは違う!みんなおしゃれだ!」というのです。なぜだ!?その答えを探して求めて街を歩いていると、そこには意外な答えがありました。最近タンナを含め、バヌアツにたくさんの中古衣料品が入ってきています。以前からセカンドハンズと呼ばれる中古衣料品店はあったのですが、それらは限られた場所でひっそりと営業しているといった感じでした。しかし、今では街のいたるところで中古衣類を売っているのです。私が赴任したころは、若い人のほとんどが正規品ではないサーフブランドのTシャツとサーフトランクスを着ていたのですが、今では首都の若い人はみなセカンドハンズで買ったおしゃれな洋服を着ています。商品のほとんどはオーストラリアから来ているとのことで、中には日本人の目から見ても「ナイス!」と思えるような掘り出し物もあり、中古と言ってもみんなきれいで上質なものが多く見られます。若いバヌアツ人女性がドレスのような服をパリッと着こなしているのを見ると「これは日本人にはまねできないなぁ~(・o・)」と感心してしまいます。そういえばタンナでも普段見ないようなおしゃれな服を着ていた同僚に「とても似合っているね」と言ったとき、彼女が「セカンドハンズで買ったのよ♪」とうれしそうに言っていたのを思い出しました。

先進国でお払い箱になった衣料品が途上国の人々の中で再び輝く。いいことですよね♪バヌアツもおしゃれに気を配れるところまで経済が発展したんだなぁとしみじみ感じました。しかし、それはあくまで首都の人たちだけのこと。こうして地域格差は生活・文化においてもさらに広がっていく。

雇われて働き、ウエスタンカルチャーのおしゃれに気を配る(配れる)都市の人。
毎日のんびり、自分たちの暮らしを好きなように続ける僻地の人。

どちらが幸せなのかなぁ・・・。私が思うには・・・。うーん・・・。一度始まった近代化を止めることは出来ない。ならばせめて、その国にある幸せを壊さない近代化をして欲しいです。

昨日今日とタンナは雨。うー寒い!でもその雨のおかげで水をしっかり溜めることができました^^来週からはたぶん授業ができると思うので、この週末をつかってしっかり準備をしておこうと思います。世界的に豚インフルエンザが猛威を振るっているとか。みなさんもどうぞ十分に用心なさってください。健康が一番ですもんね!ちなみにバヌアツにおいての感染例はないそうです。では、よい週末を!Ale!(^o^)/


写真は特設ブースで行われていた中古衣料品(セカンドハンズ)の大販売会の様子です。

no.76 5.22 画像

2009-05-22 17:02:16 | Weblog
1年半前にはまれだった交通渋滞も首都ではいたるところで毎日のように起こるようになっていました。

no.75 4.22 縦書きと横書き 

2009-04-22 18:29:02 | Weblog
みなさんこんにちは!今バヌアツは1学期末で、どこの学校でも期末テストをしています。もちろん私も算数のテストを受け持っている1年生から6年生で行っています。今日は前々から思っていたあることについてお話します。

ロカタイ小学校には文字を書くときに紙やノートを横にして書く子がたくさんいます。人によっては紙を90度以上まわして書く子もいます。日本でならば姿勢も悪くなるし、文字も歪むので指導しますが、ここではそれを指導する先生もいないし、疑問をもっている人もいないようなので、今のところこれに関して私は口を出していません。今日5・6年生でテストを行いました。そこであることに気がつきました。今日も多くの児童がテストの紙をほぼ90度まわし、紙が真横になるような状態で書いています。それを見ていて縦書きをしているように見えたのです。ただ、縦書きと言っても下から上へ向かって書くので、日本語のそれとは基本的には違うかもしれません。でも縦書きをしているように見えました。

日本には縦書きと横書きがありますよね。英語などのアルファベットを使う諸語は基本的に横書きのみです。それはなぜか?今まではただ単に漢字を基本とする言語には縦書きが適していて、それ以外の言語には横書きが適しているんだろうな、くらいにしか思っていませんでした。では、バヌアツはどうか?バヌアツには西洋文化が入ってくるまで文字は存在しませんでした。なのでバヌアツの公用語のビスラマ語はアルファベットを使い、英語や仏語からの借用語がたくさんあるのにそのスペルには決まりがありません。「おやすみ」は英語と同じですがGud naetと書きます。音を聞き、それに近いようにアルファベットを並べるので人によっても違うし、場所によっても変わります。例えば私の住んでいるロカタイ村はLoukataiと書かれたりLowkataiと書かれたりします。バヌアツには文字を書くという文化がなかったため、この作業は近代になってから入ったものです。彼らが文字を横に書く理由は、歴史や文化背景は関係なく「そのようにイギリス人とフランス人がしていたから」ということになります。そして、今彼らは縦書きのような横書きで文字を書いています。それを見ていて、人にとって文字を書くという作業は横書きよりも縦書きのほうが自然なものなのかな?と思いました。何事も合理的な西洋人なので、文字を横に書くのにはそれなりの理由があったのだと思います。故に現在でも縦書きが使われることがないのでしょう。私たち日本人は文字を縦にも書きます。文字自身は中国から渡来したものですが、 長い年月をかけ日本独自のものに育てあげました。日本語では現在縦書きと横書きの両方が使われています。この点を考えても、日本語という言語は柔軟で意外に合理的な言語なのではないかと考えられます。

私は他の言語に精通していないので他の言葉についてはよくわかりませんが、英語を(少し^^;)勉強し、バヌアツで英語とビスラマ語で生活してみて、日本語の特殊性を感じます。日本語には男言葉、女言葉があり、敬語も発達しています。職業や場所によっても使う言葉が異なり、漢字、仮名、片仮名がほぼ明確に使い分けられています。多くの外来語が取り入れられ、日本語として使われています。様子や心情を表す語もたくさんあります。人は言葉で考える生き物なので、この複雑な日本語の構造は日本人の思考を助けていると思います。日本人だからこのような言語を作り出せたのか、このような言語を使っているから今の日本人が出来たのか・・・。どちらにしても、日本人であることに誇りを感じます。

仏語やスペイン語には男性名詞や女性名詞というものがあるそうです。ということは、やはりその言葉を使って考えるだから彼らの考え方は私たちとは異なるのでしょう。ビスラマ語は圧倒的に語彙が少なく、文法もシンプルです。なので、考え方もシンプルです。赴任して1年半。もう言葉のことで不自由を感じることはほとんどないのですが、それは言葉を覚えたということよりもこの言葉を使う人々の思考がわかるようになったからなのかなと思います。

最後に、なんと日本語はその起源や言語系統について未だにわからないことが多いそうです。朝鮮語やアルタイ(シベリア・モンゴル)語との関係があるのではという説があるらしいのですが、未だに確定的な説はないとのこと。こりゃ帰国したら調べなきゃ!!

もうすぐ日本はゴールデンウィーク。新年度の疲れを癒すいい機会ですね!私も再来週から2週間の学期間休暇になります。そのときには首都で最後の隊員総会をしてきます。久々の近代的な暮らし。楽しみです♪ではまた、Ale!(^o^)/


写真は授業中の5年生。初めて90度以上ノートをまわして書いている子を見たときは自分の目を疑いましたφ(。。)!

no.74 4.20 タンナ初上陸のエクストリームスポーツ

2009-04-20 18:23:52 | Weblog
みなさんこんにちは!最近メールの送受信がうまくいかないことが多く、このばぬあ通信もいつ送信できるのか怪しいですがあきらめずに送信し続けますのでどうぞよろしくお願いします^^

今日は先日タンナに初上陸したエクストリームスポーツを紹介します。その名はサンドボード!・・・え?なにそれ(゜゜)??ご説明いたしましょう。それはスノーボードのように砂の斜面を滑走するスポーツなのです!タンナにはヤスール火山という世界で一番火口まで近づける火山があるのですが、火山灰に覆われたその火山の斜面を滑るのです。もちろん私も滑ってきました!

タンナ出身の若者がオーストラリアでこのサンドボードを手に入れ、タンナへ戻ってきたところに偶然私たちタンナJOCV3人が出くわし、「一緒に行こう!」と誘われ、ラッキーなことに週末彼らと一緒にサンドボードをすることができました。ピックアップトラックの二台にボードと人を乗せ、悪路を走ること1時間半。目的地ヤスール火山の斜面に到着!横のり系(サーフィン、スノーボード、スケートボードなど)のスポーツが大好きな私もこのサンドボードは初めて。板を受け取り、さっそくトライ!滑るといっても下は固い砂なのでスノーボードのようにターンをすることは出来ませんが、 急斜面をかなりのスピードで一直線に滑り降りるのはなかなかのスリル。そして気持ちよく滑り降りた後は・・・板を持って砂の急斜面を上がる。これが結構きつい(*_*)リフトのないスノーボードと言うと分かりやすいでしょうか。まぁサーフィンも波に乗った後はパドルして沖へ戻るので、その点はサーフィンと同じです。「きついー!」と言い息を切らしながらも満足するまでサンドボードを楽しみました^^

そして帰るときに私たちを誘ってくれたバヌアツ人が「よし!コーチがいるからこれで観光客が来ても大丈夫だ!」と言い、私を見ています。なんとこの日はこれが商売になるかを判断するために試験的にやっていたのです!つまり私は「テストライダー」だったというわけです。もちろん私にも毎日仕事があるので、実際に観光客にコーチをすることはないでしょうが彼らはその気満々でした(^^ゞ

今後このサンドボードがタンナに定着するかどうかはまだ分かりませんが、純粋にサンドボードを楽しんでいるバヌアツ人を見ると「商売にならなくても、これはこれでいいのかな」と思ってしまいます。私は久しぶりの「横のり」を楽しめたし、私のライディングでバヌアツ人をうならせることもできたので大満足(^^)v久しぶりに「遊んだー!」と思える一日でした♪

タンナの最新アクティビティー「サンドボード」。砂まみれになりますが、チャレンジする価値はあると思います。9月までなら日本人インストラクターも付きますよー!なーんて^^今日はタンナの最新情報をお伝えしました♪ではまた!Ale!(^o^)/


写真はヤスール火山と私。いつもよりも生き生きしてるって?いやいや!そんなことは・・・ない・・・はずです(^^ゞ