水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
解析・コメントして交流できたら最高至福です。

海水淡水化に係わる水処理用膜技術について調べました。

2010-12-20 | 日記

 先に、投稿しました諫干訴訟における水質に係わる記載を調べました。で記載しましたが、農林水産分野における環境水質の変化はその出来高に影響すると言われています。諫干事業中止による有明海環境の回復、開門後の水質の変化に伴う農業用水代替水源の確保など解決しなければならない問題が多いようです。 海水の組成を制御可能な「海水淡水化関連技術」において重要な「水処理用膜技術」に係る記載を調べました。

2 水資源問題の解決に取り組む日本の膜技術 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2010/200904/08.pdf
Ⅱ 海水淡水化技術とはによれば、(一部、割愛しました。)

「Ⅱ 海水淡水化技術とは ・・・地球上の水資源のうち、淡水は2.5%に過ぎない。この根本的な障害を乗り越えようとするのが、「海水淡水化技術」である。
 日本の浄水用膜製造企業は高い技術力を持っており、特に海水淡水化技術では世界規模で高いシェアを占めている。
1 膜技術の概要 
 
古くから、水の浄化には砂が用いられてきたが、現在ではその役割の一部を置き換える形で、膜が様々な分野における水の浄化に用いられている。・・・
2 逆浸透膜
 海水から淡水を得る手法には、大きく分けて「蒸発法」と「膜法」の2つが考えられる。
蒸発法は、海水を加熱し、蒸気を冷却して水を得る方法である。手法として単純かつ安全ではあるが、加熱のために莫大なエネルギーを消費すること等を考慮すると、膜法に比べて造水コストは高くなる。・・・
 一方、膜法は、フィルターに海水を通し、塩分を含まない水だけを得る方法である。その中でも多く用いられているのが、逆浸透法である。逆浸透法では、逆浸透膜と呼ばれる半透膜を用いる。海水に強い圧力をかけ、浸透現象とは逆に、水分子だけを膜の反対側に押し出すことにより、淡水を得ることができる。ナトリウムイオンや塩素イオンなどの溶解成分は水分子よりも大きく、逆浸透膜を抜けることができない。
3 膜開発の経緯
 膜を使用する海水淡水化研究は、1950年代に米国が本格的に取り組んだことが端緒とされる。・・・効率の良い淡水化手法について様々な検討が行われる中で、1953年フロリダ大学のC.E.Reidによって提唱されたのが、逆浸透法であった。その後、1959年にReidが酢酸セルロース製の逆浸透膜による淡水化を発表し、さらに膜の耐圧性向上や塩除去率の向上を目指した研究が、多くの科学者によって進められた。・・・海外製の膜及び国内各社が開発した試作品の膜の性能評価が行われ、昭和54年には日量800m3の淡水を生産する実証実験が開始された。
 現在、浄水や排水処理、半導体洗浄用超純水の製造、食品加工など様々な用途について、日本の膜メーカーは高い技術を有している。その中でも、海水淡水化用逆浸透膜については東レ・日東電工・東洋紡績の3社が高いシェアを持ち、3社の合計は世界の約7割を占めている。・・・」

⇒中東向け輸出が多いことがわかります。
関連投稿:
太陽光エネルギーを利用した海水の脱塩淡水化に係わる記事の紹介


 (google画像検索から引用)

 (google画像検索から引用)


最新の画像もっと見る