水徒然

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希土類金属の製造に係る記載を調べました。

2010-12-19 | 日記

先に、投稿しました「希土類金属(レアアース)の用途」に引き続いて、希土類希土類金属の製造実態に係る記載を調べました。

磁石マグネット専門NeoMag
ネオジム磁石の製造方法シリーズ(1) によれば、
(一部割愛しました。)
本文を読む
「・・・
2.ネオジム磁石の原料について
 ネオジム磁石合金はおおよその重量比で、ネオジム(Nd)23~30%、ディスプロシウム(Dy)2~10%、鉄(Fe)60~65%、ホウ素(B)1%、コバルト(Co)3%、および微量の銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの成分から構成されています。・・・

 酸化物やフッ化物の形で希土鉱石の中に複数種含有されています。
 この中で最も埋蔵量が多いのはバストネサイトで、中国内モンゴル地方や米国カリフォルニアで産出し、希土酸化物に換算して約3,000万トンになります。
 モナザイトはインド、オーストラリア、中国に多く、1,500万トン、ゼノタイム他は300万トン程度で、中国、マレーシアが主な産地です。・・・埋蔵量は豊富で、現在の4万トン/年を基準に計算すると、採掘可能年数は1200年となり、鉄100年、銅40年、亜鉛30年と比較しても、はるかに寿命が長いのです。
 但し、ネオジムに限っては、資源量としては心配ないといえますが、産出・生産国がほとんど中国に頼っているということと、保磁力Hcjを改善する目的のDyの存在量が問題であり、・・・、Dyの使用が大きな技術課題となってきています。

3.希土類元素の分離・精製
・・・希土類鉱石中には複数種の希土類元素が含まれていますが、まずそれぞれの元素を分離する必要があります。
 第二次大戦後、“イオン交換法による相互分離の研究が活発に行われ、1950年代には希土類元素の大量分離法として確立されました。・・・一回の操作で多元素の分離が可能で、しかも高純度品が得られるという利点がある反面、連続処理ができず一回の操作に時聞がかかり、また樹脂の再生、交換など運転にかかるコストが大きいため、かっては大量処理法の主流であったが今はその座から滑り落ち“溶媒抽出法”にとって代わられています。溶媒抽出法とは互いに混じり合わない溶媒へのイオンの溶解の仕方の違いを利用する分離法です。希土類元素の場合は溶媒として、水溶液(水相)と溶媒抽出法による向流多段抽出装置抽出剤を含んだ有機溶媒(有機相)が用いられます。この分離法では、一回の操作で高純度品を得ることは困難ですが、この操作をくり返すことによって純度を高めることができます。工業的には、この操作を連続的に数十回行うことのできる“向流多段抽出装置”が開発され、この方法が現在の主流となっています。そして、分離された溶液から、各希土類元素のシュウサン塩、酸化物、塩化物、フッ化物などが作られ、その後ネオジムなどは還元して金属製品にします。
4.希土類金属の製造方法
 希土類金属は、一般に混合希土類金属分離希土類金属に大別されます。ミッシュメタルジジムなどは混合希土類金属であり、分離希土類金属を含めて用途として永久磁石や、記録媒体である光磁気ディスクの磁性材料ニッケル-水素電池の電極材料、鉄鋼添加材料などがあります。
 希土類金属の製造方法として現在実施されているものをまとめてみました。 ・・・元素の種類、生産量、品質、およびコストなど、製造目的に合わせて使い分ける必要があるためで、出発原料も様々です。
 前処理などの取り扱いが容易な酸化物が原料として最も望ましいのですが、その還元は容易でないため、無水塩化物やフッ化物も用いられています。直接の磁石原料となる金属ネオジム(Nd)は、塩化物、フッ化物、酸化物などの溶融塩電解で製造され、金属ディスプロシウム(Dy)金属熱還元法で製造されます。・・・
直接還元拡散法R-D法)で製造する国内原料メーカーもあります。・・・
(参考資料) 「希土類物語」足立 吟也 監修 (産業図書)
        「希土類永久磁石」俵 好夫・大橋 健 (森北出版)

 

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