大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

中国人民銀行、短期金利を4年ぶりに引き下げ

2019年11月19日 | 経済

 2019年11月18日(月)、中国人民銀行短期(7日)金利を2.55%から2.5%に引き下げた

 フィナンシャルタイムズによれば、短期金利の引き下げは4年ぶり。

 同紙は、中国は長期的な利下げサイクル(金融緩和)に入ったのではないかとする見方を紹介している。

 ちなみに中国ではアフリカ豚コレラの影響で豚肉価格が急上昇。

 この影響で、2019年10月の中国の消費者物価(CPI)は前年比3.8%の上昇。

 中国人民銀行が目標とする3.0%を大きく上回った。

 今回の利下げからは、中国政府の物価安定を多少犠牲にしても景気刺激を優先するというスタンスがかいまみえる。

 中国政府が過剰債務の解消景気刺激(金融緩和)のバランスをどのようにとっていくのか、ひきつづき注意してみていきたい。

 

2019/12/10追記

 2019年11月の中国の消費者物価(CPI)は前年比4.5%の大幅上昇になった。

 これが中国政府の金融、財政政策にどのような影響をあたえるのか(あるいは与えないのか)注目される。


ハルビン銀行、公的機関に株式を移転

2019年11月18日 | 経済

 ウォールストリートジャーナルは、中国ハルビン銀行株式の相当数が公的機関にうつされる予定だと報じた。

 同紙によればハルビン市が運営するハルビン経済発展投資(Harbin Economic Development & Investment Co.)の出資比率が19.65%から29.63%に引き上げられるとともに、黒龍省によって設立された黒龍フィナンシャルホールディングス(Heilongjiang Financial Holdings Group Co.)が18.55%の株式を保有することになる。

 同紙によれば今回、増資はおこなわれない。

 今回の措置が、同行の経営状態に関係するのか、同行とつながりのあった消息不明となっている資産家と関係があるのかは不明。  


フォードのUAW組合員、労働協約を承認

2019年11月16日 | 経済

  2019年11月15日(金)、フォードの労働者は56.3%の賛成で4年間有効の労働協約を承認した

 今回、2つのローカル(支部)で過半数が労働協約に反対票を投じた。

 ひとつは閉鎖が予定されているロメオエンジン工場

 もうひとつは、組合員数がもっとも多いケンタッキー工場(1.2万人)。同工場では技能労働者の67%が反対票を投じた(専門労働者は51%が賛成)。

 2019年11月18日(月)からはFCAとの労使交渉が始まることになる。

 

UAWとフォード、労働協約を暫定合意 2019/11/11

UAW会長、休職へ: 汚職捜査進む 2019/11/6

GMのUAW組合員、労働協約を承認: 40日間のスト終結 2019/10/27

GMとUAW、暫定合意 2019/10/17

GMのストライキ、終結か? 2019/10/16

UAW、スト給付金を増額 2019/10/13

GM、医療保険の提供を中止 2019/9/20

UAW、GMでストライキに突入 2019/9/16

UAWの元GM担当役員が汚職で有罪認める 2019/9/10

UAW元役員、FCAからの不正な金品受け取りで懲役刑 2019/8/6 

カナダのGM工場のストライキが終結 2017/10/17

カナダのGM工場でストライキ 2017/9/21


UAWとフォード、労働協約を暫定合意

2019年11月11日 | 経済

 2019年11月1日(金)、フォードとUAW(全米自動車労組)は4年間の労働協約について暫定合意した。

 合意内容は基本的にはさきごろGMとUAWが合意したものと同じ。

 異なる点は以下のとおり。

(1)労働協約締結一時金は正社員が9千ドル(100万円:1ドル=110円)、期間従業員が3.5千ドル(39万円)。<GMは正社員が1.1万ドル=120万円、期間従業員が4.5千ドル=50万円>

(2)60億ドル(6.6千億円)を投資し8.5千人分の雇用を維持する。<GMと異なりフォードはもともと大規模な工場閉鎖を予定していない。現在、ロメオエンジン工場の閉鎖だけが予定されている。>

(3)GMと異なりフォードとGMが共同で運営している教育訓練センターは閉鎖しない。<GMとFCAでは、教育訓練センターをつうじておこなわれていた大規模汚職の捜査・裁判が進んでいる>

(4)期間労働者の比率は、全体として8%、工場単位で10%を超えないこととする

 現在、全組合員による投票がおこなわれており(締め切りは2019年11月15日(金))、組合員の過半数が賛成すると労働協約が正式に発効する。

 

2019/11/16(土)追記

 フォードの労働者は56.3%の賛成で4年間有効の労働協約を承認した

 今回、2つのローカル(支部)で過半数が労働協約に反対票を投じた。ひとつは閉鎖が予定されているロメオエンジン工場。もうひとつは、組合員数がもっとも多いケンタッキー工場(1.2万人)。同工場では技能労働者の67%が反対票を投じた(専門労働者は51%が賛成)。

 2019年11月18日(月)からはFCAとの労使交渉が始まることになっている。


ベルリンの壁崩壊から30年(1)

2019年11月09日 | 政治

 いまからちょうど30年前(1989年11月9日)、ベルリンの壁が崩壊した。

 何がおこっているのか知りたくて1990年2月からベルリン(東ドイツ)、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ユーゴスラビアを訪れた。

 西ドイツ側からみたブランデンブルグ門。壁がまだ大部分残っている。

 

 壁の穴をくぐって東ドイツ側にでる人々。 

 

 東ドイツ側からみたブランデンブルグ門。

 東側からみた壁。

 この壁を越えようとして多くの人が命を落とした。

 ベルリンのあと民主化運動の発祥地ライプチヒに行くつもりでいたが、当時はまだ東ドイツを自由に旅行することができず訪問を拒否された。

 

 1989年8月、ソ連に併合されていたバルト3国で独立、民主化を求める人間の鎖がおこなわれた。

 ソ連の国営通信社タスがこの出来事を報道していることに驚いて撮った写真(東ベルリンにて)。

 

 東ベルリンでみたトラバント。

 プラハ(チェコスロバキア当時)でみた民主化運動でなくなった方々の追悼。

 上段にある大きな写真は、民主化運動を中心的に担い、チェコの初代大統領に就任したハヴェル氏。