魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

永住外国人の参政権を認めた判旨を手厳しく糾弾する!

2013-02-06 21:48:57 | 論評

最高裁第三小法廷判決平成七年二月二八日

 「憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものである。そこで、憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。

 そして、地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(最高裁昭和三五年(オ)第五七九号同年一二月一四日判決・民集一四巻一四号三〇三七頁、最高裁昭和五〇年(行ツ)第一二〇号同五三年一〇月四日判決・民集三二巻七号一二二三頁)の趣旨に徴して明らかである。

 このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に密接な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。

 しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。

 以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(前掲昭和三五年一二月一四日判決、最高裁昭和三七年(あ)第九〇〇号同三八年三月二七日判決・刑集一七巻二号一二一頁、最高裁昭和四九年(行ツ)第七五号同五一年四月一四日判決・民集三〇巻三号二二三頁、最高裁昭和五四年(行ツ)第六五号同五八年四月二七日判決・民集三七巻三号三四五頁)の趣旨に徴して明らかである。

 以上検討したところによれば、地方公共団体の長及びその議会の議員の選挙の権利を日本国民たる住民に限るものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項の各規定が憲法一五条一項、九三条二項に違反するものということはできず、その他本件各決定を維持すべきものとした原審の判断に憲法の右規定の解釈の誤りがあるということもできない。所論は、地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項の各規定に憲法一四条違反があり、そうでないとしても本件各決定を維持すべきものとした原審の判断に憲法一四条及び右各法令の解釈の誤りがある旨の主張をもしているところ、右主張は、いずれも実質において憲法一五条一項、九三条二項の解釈の誤りをいうに帰するものであって、右主張に理由がないことは既に述べたとおりである。

 以上によれば、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。」

 此の判旨の矛盾点と誤りの大きなものはつある

①「憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解される」⇒政治形態と決め付けている以上、譬えて言えば、地方の限られた地域の政治と言うものであれば、国政の一部を担うものである。更に、政治は自己完結型でなければならないもので、条例も法律の範囲内で制定されるものであるのであるから、地方自治は行政権を具現するもので、政治であるとしたことは全く地方自治の本質を枉げて解釈したものと言わざるを得ない。

②「我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に密接な関係を持つに至ったと認められるもの」⇒此れは国家の概念を根底から打ち崩す愚論である。此れ等の永住者と言う人々が、どの範囲まで言うものかを明確に示していない。長く日本に住んでいるだけで、日本の行政権に国民並みに具申出来る立場にある論拠は全く示されていない。そもそも、国民と外国人の峻別は、国政の受益者義務者での差として顕著に現されるべきであることは言うまでも無い。日本の国法の枠内で存在する国内の地域に於いて、外国人がその地域の行政権を国民並みに持てると言う愚論は到底容認出来る範疇のもので無い

③「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当」⇒地方公共団体の長や議会の議員は、紛れも無く憲法十四条第一項の「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」にも反する考え方である。総ての国民が法の下に平等であるのであり、国民に護られるべき最も重要な権利の一つである外国人まで国民と同じ政治的権利を持つならば、国民の法の下での平等とは,一体何を指して言うものか?憲法十五条一項「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」との整合性も全く無く、同上二項「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」を解釈すると、地方公務員と雖も国法の枠内で任命されるべきものであり、更に、地方公務員であっても全体の奉仕者と日本国民全体の奉仕者と言うことを言っているのであり、公務員が即ち外国人へもの奉仕者であると上の判旨は認めてしまっているのである。

 以上、此の判旨は法を縛る条理を無視するばかりか、一般人や国際的国家概念からも大きく逸脱した愚論を展開したものである。


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