空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

LGBT難民問題

2019-04-14 20:16:55 | ノート
 さほど主題化されてないのは、むしろ我々が相対的にせよより幸福な状態にあるからだと思う。

Kyodo LGBT、身を隠し難民に 家族絶縁、命狙われ アフリカ30カ国超で禁止 2019/4/5 12:54

アフリカで性的少数者(LGBT)への迫害が深刻だ。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、全54カ国のうち30カ国以上で同性愛行為が禁じられ、命を狙われることもある

 まあ、問題に詳しい人ならこの数字を詳しく知っていてしかるべきだろうが、そうまで詳しくなりたいわけでもなければ「だ い た い ぜ ん ぶ」とかゆるーく覚えていりゃあいいだろう。どうせ法制上差別してなくても日常的にいびられるだろうし。

 積極的に差別・違法規定を排除したのはアンゴラですね、といえるようだと、意識高い扱いをうけるかも:「アンゴラ:ホモセクシャリティ禁止法を廃棄(2019-01-24)」

20歳のころ、男性しか好きになれないと気付いた。兄に「もう家族ではない」といわれ、両親に縁を切られた。勤務先のガソリンスタンドで2015年、見知らぬ男に顔に化学薬品をかけられそうになり、隣国ケニア北部のカクマ難民キャンプへ逃げた

 なんで見ず知らずのひとにそんなんされないといけないほど有名になってんだそれは、とはちょっと。

数カ月がたった蒸し暑い昼下がり。LGBTでないソマリアやスーダン難民7人に約30分間、木の棒で殴られた。理由は「ゲイだから」

LGBTでない難民も、祖国で紛争や飢餓に苦しんだ被害者だ。ナマルさんは「彼らは虐げられるつらさを知っているはずなのに、難民キャンプでは人を傷つける側に回っている」と悔しがる

 ンなもん、いらいらが募るいやな生活条件のなか、気晴らしに異分子をかるぅく、まー死なない程度に(だって死んだら次を探す手間がかかるだろう!)たこ殴りにするのは、まあ非常に人間的であるってだけのことだろう。ほかのなんかでもいいんだ、ペドフィリアだとかなんとか。

暴力は日常の光景だった。簡易な柵に囲まれたキャンプ内の小屋にはウガンダやタンザニア、ブルンジから逃れたLGBTの難民約200人が住んでいた。刃物や石を持った男らが毎週のように襲撃し、視力を失うまで殴られる人もいた

故郷のウガンダに帰る場所がないナマルさんは、LGBTに寛容なアフリカ以外の国で暮らすのが夢だ

 さほど移動に費用がかからないっぽいあたりでアンゴラとかどうですかね、まずは。
 でまあ、アンゴラでLGBTコミュニティからえらいこと生産性の高いなにかしらを発信できれば、あっちもこっちもwin-winであるわけで。

欧州などには、LGBT難民を受け入れる国もある。だが、日本はLGBTでない難民の受け入れ自体が少なく、LGBT難民となると門戸はほぼ閉ざされているのが現状だ
嶋田聡美さん(一般社団法人「レインボー・レフュジー・コネクション・ジャパン」代表理事)は「アフリカではLGBTの存在が否定されているが、多くの日本人は迫害の事実を知らない」と指摘。「日本政府は彼らを難民として受け入れてほしい」と訴えている

 述べられている通り、そもそも日本は難民受け入れが少ない。そのうえ、問題が多々発生している地域からむっちゃとおいこともあり、移動するときのカネがむっちゃかかり、かつ気候等々の違いによるストレスの懸念などもあろう、かなーり、絞っている。

 …ってことで、「よほどの緊急性があり」かつ「受け入れ準備が双方に整った」とゆーよーな無茶な条件下でやってる感がなきにしもあらず。つーか位置的に緊急・大規模・即時の受け入れをしなくてすむぶん、後方支援をしていてくれ、ということになるんじゃないかな。だからシリア難民については留学生受け入れという感じにしたわけだろうし。

 てなもんで、LGBTであれば、政治難民・政治亡命属性から推すのがよいのではないかなーと。あと若年者からやるといいんじゃないかな。シリアの件でもそれでいった。

 なにしろ我が国では、積極的にLGBTをしばく文化がなく―からかったり揶揄したりまでいちいち人権侵害扱いするときりがないのでそこは除外する―、LGBTのひとを見つけ次第リンチして今後一切おらがコミュニティに近づくなと脅迫するよーなのが日常だったりするよーな文化があるとは想像の彼方だ。なので積極的にLGBTのひと だ け を特別に積極的に枠を作って特別難民として受け入れなんて、まー考えもしないだろ。

 …人権意識に欠けている?
 いやー…どうだろう。場所や事情によるけど、わたし、ホンジュラス出発のキャラバンの件では、メキシコの国境近くで、スタジアムに収容されてトイレもなく垂れ流しになっちゃったところの衛生状況改善がより優先されると判定する。難民の安全のためも、近隣住民の衛生環境のためにも。

 それはさておき、LGBTのひとたちは、支援者がしたててくれたバスに乗ってショートカットし、キレイな服のまま支援者たちに出迎えてもらえてたりしてたんで、あのとき…(あれをわざわざ写真付きで報じたBBCには、少々悪意が混じってたとおもう…)。

 とまあ、ホンジュラスの件についてはそう思う。
 あとまあ、日本がこの件では切迫した状態にないことを幸せに思う。

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