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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

私を殺さないで,と彼女は言った:ソマリア,キスマユ

2008-11-05 20:53:31 | ソマリア関連
 Aisha Ibrahim Duhulow,13歳は男たちに引き出されて,聞いた。
「私に,なにするの?」
 男たちは答えた:「アラーが我々にお教えくださったことをしようと思う」
 彼女は言った,行かない,行きたくない,殺さないで,私を殺さないで!

BBC Stoning victim 'begged for mercy' 4 November 2008

 あとはご承知の通り,男たちは穴に少女を突っ込み,首まで埋めて,50人ほどで周りを囲み石打で処刑した(キスマユでの所謂「姦通罪」死刑の件について:ソマリア)(ソマリア,キスマユ:姦通罪で死刑執行)。

 女性が3人の男たちに輪姦され,家族が当局に訴え出たところ,とうの女性が逮捕され死刑に処せられた。出鱈目の極みですが,Amnestyの伝えるところではこれが13歳だというからさらにびっくり。

 13歳を23歳だとし,自ら望んで死刑を受け入れた,と偽り公表したイスラミスト側はどれだけ後ろめたく思うところがあるのか,という勢いです。まぁ,下手人はイスラミスト兵士だろうなー,と思われても仕方ないですよねぇ。

 なお地元人権団体関係者には,Amnestyに”虚偽の”報告をしないよう武装勢力の脅迫があった由。

 その他,首都モガディシュでは盗人と疑われた人物を殺害し,その母に暴行を加える計画を援助した2人の男に公開鞭打ち刑。なお鞭打ちショーの前には,地元民兵の軍事パレードがなされたそうで,どうも彼らとしては晴れがましい行為と認識している模様。
 といいますか,権力の誇示として演出しているわけですね,現地の解説の通り。

 他方,実際の下手人(殺人犯だ)は被害者家族に100頭の駱駝を賠償として贈ることで放免された由。

 BBCは相当情緒的な記事にしている感もあります。それに値する事件ですし。

 丁度イランで未成年殺人犯の処刑が行われ,コレに対する非難の記事なんか出てて:

BBC Young offender 'hanged in Iran' 4 November 2008

 世界の未成年者死刑の多くがイランで行われてるの!と人権団体の声も高らかな感がありますが,今年度はこうした非難対象の有力な候補としてソマリアが躍り出た,というところでしょうか。何しろ,犯罪被害者まで死刑になりますからね,キスマユでは。

 キスマユ指導部は,国際社会での立場をより悪くしていってますねー…。…ソマリア駐在AU軍に戦車とか歩兵戦闘車とか供給されたりしたんですが,いい加減にしときませんと,そのうち,本気で物理的に圧殺されますよー…。

 なお,上掲ソマリア記事では,Hassan Turkiへの言及もあります。彼は米国のテロ容疑者リストにある―米国潜水艦のミサイル攻撃の栄光に浴しさえした―人物で,彼の配下の民兵がキスマユ占領に力があったと名指しで述べられてます(彼の長年の敵が暗殺された件は:「Salah "OJ" Hassan ― 30の銃弾と共に釈放された男」)。





 しかしですねー。確かコンゴでは,10歳なるかならんかの女の子が兵士に強姦された際,母親がその子を連れて兵営に怒鳴り込んだら,指揮官が首実検させてくれたりしたって話がー。
 んで,その子が『このひと!』ってやったら,その場で犯人は銃殺刑。

 他方キスマユでは当局に届け出たら被害者が捕まって(推定)犯人の同僚達の手で虐殺もとい法の名の元に正式に死刑執行されると。

 …改めて,世界最悪の人道危機の起こってる場所のひとつだと認識させられますねぇ。

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