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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アル・シャバブはボサソの爆破事件の責任を認める:ソマリア

2008-02-07 20:57:49 | ソマリア関連
 ソマリア北部,プントランドの主要な港町ボサソにて爆破事件。日本語ニュースにまで降りてきた重大事件です―この種の事件は,イスラム法廷勢力の没落・そのモガディシュにおける反抗が始まって以来,プントランドでは初めてのこと。

BBC Deadly blasts hit port in Somalia 6 February 2008

 ボサソ港の,エチオピア移民希望者の集うビルに爆弾が仕掛けられ,2つの爆発が発生。20名以上が死亡,100名以上が負傷。BBCのこの記事の段階では動機は不明とありますが,以下のGarowe Onlineの記事に従えば,反政府武装組織アル・シャバブがネットに(ソマリ語で)犯行声明を投稿した由:

Garowe Online Al Shabaab claim responsibility for Puntland bombings Feb 6, 2008 - 8:50:36 AM

 …まぁ,彼ら以外にこんな犯罪を犯す動機のある人々はいないともいえますが。

 アル・シャバブの主張では,彼らは当該建物には,モガディシュで戦闘するエチオピア兵が―場合によっては妻を呼び寄せてまで―住んでいると確認したのだというのです。ボサソは,エチオピア兵やプントランド兵が罪深い行為や破壊的文化でもって娯楽を楽しむ場所である,というのが彼らの言い分。

 水曜,死者の埋葬が行われたそうです。70名からの負傷者は病院で手当を受けているといいます。プントランド副大統領Hassan Dahir Afquraはこの攻撃を非難,アルシャバブを厳しく取り締まると誓います。
 彼によれば,犠牲者の多くはエチオピア人移民,その多くはオロモ族に属するのだそうです。プントランド,ボサソを経て,最終的にはイェメンに向かって職を探そうとする人々です。

 プントランド内閣はボサソで会合し,政府に,負傷者に金銭貸与・医療サービス供給を求めました。

 被害者らは映画を見たり,khat(麻薬性植物)を楽しんだり,寝ていたところを爆破されたもの,ということです。

「これ(攻撃)は,我々の歴史的敵対者,エチオピア軍に心からの歓迎を示すプントランド政権への警告である。彼らはプントランドを(エチオピア軍の)休憩地となした」とアル・シャバブは声明で主張する由。

 勿論,プントランドはソマリア暫定政府に対する,国内最大の援助団体であります。暫定大統領はそもそもプントランド大統領でしたし。プントランド兵は南部に派遣されてもいるようです―そのせいでスール戦線でソマリランドに遅れを取ったのかもしれません。

 ですが。
 ボサソは,前線で疲れた兵の休憩地点として相応しいものかもしれませんが,実際,休憩地点であるのかもしれませんが。
 そこはソマリア・エチオピアで食えない人々が,再起を賭けて(命も賭けて)アデン渡海を試みる,その集結地です。場合によっては今生の別れになるかもしれない,最期の贅沢になるかもしれない,そんな休息地を惨劇の舞台にするのはあまり感心しません。

 なお,ボサソ市長は全市の医療関係者を招集してことに当たろうとしたといいます。治安の(まだしも)よいところは,こんな余裕もあっていいことですよねぇ。モガディシュじゃ,医者の移動もままならなそうですものね。

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