空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アルシャバブは安定した統治を齎した―多くの(女性の)犠牲を背後におきつつ

2010-04-22 18:11:03 | ソマリア関連
Garowe Online Somalia: 5 headless bodies found in rebel-held Mogadishu Apr 21, 2010 - 10:07:01 AM(Source: The Associated Press)

 モガディシュ,反政府側支配地域で5つの首なし死体が発見された。親族・友人,匿名情報によれば,彼らはこの5日間に行方不明になったものであり,それ以前には政府関連施設―議場―建設にかかわっていることについて非難する脅迫電話を受けていたという。
 犯人はアルシャバブだろうと思われるが,犯行声明はない。

Garowe Online Somalia: HRW accuse Al-Shabaab of cruelty Apr 19, 2010 - 9:17:19 AM

 その直前のGaroweOnlineの記事には,ヒューマンライツ・ウォッチがアルシャバブを,政府に協力したり同情的な人物を特に標的にしていると非難したとの記述。これを政治的に利用する程度の知恵も働かないあたり,アルシャバブにはやはり統治・政治の能力がないのだろうと思わざるを得ない感。

 アルシャバブが,一応南部ソマリアにそれなりの安定をもたらしていることはHRWも認めるところ。だがその犠牲は,はたして見合うものだろうか?とも疑問を投げかける。

 ある女性が鞭打ち刑に処せられたのは,幼い子が家から(道路に)出たのを追いかけたからだ―abaya(全身ドレス)を身にまとわずに! …いやその,全裸で飛び出たりしたなら問題だろうが。

 つまりこの場合,
a. 女性は常時abayaを着用すること(自宅内だろうがなんだろうが)
b. 幼児が家から出る等ということのないよう,厳重に幼児を監視する/閉じ込めておく
c. 幼児が家から飛び出ようがなんだろうが,とにかくabayaを身につけてからでなければ家を出ないこと
 のどれかを,女なるもの,選ばねばならない。

 こんな世界観では,女の負担は相当なものだ。

Garowe Online Somalia: 10 killed in Mogadishu shelling Apr 20, 2010 - 7:58:48 AM

 月曜(19日),反政府側がHalane地区のAMISOM基地や大統領官邸に攻撃したことに対して,報復砲撃。10名が死亡,15名が負傷と報じられる。もちろん,バカラマーケットなどの着弾は政府側の戦争犯罪に数えられうるものであり,HRWも非難するところであるが―

 ―こんなことが起こった場合さえ,女は(脱いでいた)abayaを着てからでないと避難できないことになる/なりかねない。

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