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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

報道弾圧がどうとかいう話を聞いたのでニュース記事をちょっと見たのだが、そこに発する雑感メモを

2016-04-20 19:06:30 | Weblog
News Week Japan テレビ報道の自由と中立性はどう確保したらいいのか? 2016年04月14日(木)15時30分

なぜ現在の日本で「電波を止めるぞ」的なプレッシャーを含めた不安定な議論が続いているのでしょうか?

 そこで山口二郎氏のツィートをネタに

山口氏の立場からすると、ある局が番組に首相を呼んで、首相の発言を中心に構成した番組を作るのは不愉快なようです。つまり、山口氏が「怪しげな市民団体」と呼んでいるグループが、自分たちと異なる主張が基調となっている番組に強く反発しているのと、山口氏の心情は相似形だということです

 上掲ページの 2ページ目

自分が好き好んで見ているのでは「ない」番組であっても、自分の立場と著しく違う立場を基調として「公共の電波が使われている」ということには、不快感を持つ人があるということの一つの証拠になっているのは事実だと思います

 では両論併記の形式だけ整えておけばよいのか,といえば:

一時期のFOXはこれを悪用して「滑舌が悪くて主張も怒りを買うだけの典型的なリベラル」のキャラクターを引っ張ってきて悪玉に仕立てたりしていましたが、意外とそういう番組の作りは受けなかったようです

 ところが,上掲ページの 3ページ目によれば,そんなあほぅな作りのままでは

それこそ今のままでは、「山口氏」と「市民団体」が喧嘩すればするほど実際の番組は「面白くなく」なって、せいぜいタレントの若さを売り物にするしかなくなる

 程度のものである,と。

東京新聞 「特定秘密保護法は報道に重大な脅威」 国連報告者が初調査 2016年4月20日 朝刊

特定秘密保護法や政府の圧力などで、報道の独立性が重大な脅威に直面していると警告した

 なお「など」のなかには:

日本の記者が、独立した職業的な組織を持っていれば政府の影響力に抵抗できるが、そうはならない。「記者クラブ」と呼ばれるシステムは、アクセスと排他性を重んじる。規制側の政府と、規制される側のメディア幹部が会食し、密接な関係を築いている

 が入っており,個々のジャーナリストの保護がないがしろになっているのではないか,という指摘と読むべきか。
 ただまあ,”ジャーナリズムに関わる限り,ジャーナリストを罰しない”というのは,明文にすべきかどうか。だって,通常の報道では,そもそも違法になりそうもないわけだし:

特定秘密保護法については特定秘密の定義があいまいだと指摘し、法改正を提案。ジャーナリストを罰しないことを明文化すべきだと提言した

 …官僚を(下半身的に)嵌めて情報をしぼりとる,という例もあったことである。そりゃまあ,姦通罪を適用するわけにもいくまいが,職業倫理は問われなくていいんですか,という気もするなあ。

ほかにも、自民党は二〇一四年十一月、選挙中の中立、公平な報道を求める文書を放送局に送った。一五年二月には菅義偉(よしひで)官房長官がオフレコ会合で、あるテレビ番組が放送法に反していると繰り返し批判した

 政権交代もあり得る体制になったことで,政権批判だけしていればよかったような30年前のような気持ちで報道されても困るよなーというのが個人的な感想である。多少,自民党だって言いたいことはあろうなと。

【市民デモを通じた表現の自由】 日本には力強く、尊敬すべき市民デモの文化がある。国会前で数万人が抗議することも知られている。それにもかかわらず、参加者の中には、必要のない規制への懸念を持つ人たちもいる

 ここは注意点かな:「それにもかかわらず、参加者の中には、必要のない規制への懸念を持つ人たちもいる」。

女性自身 報道の独立性「重大な危機に」 投稿日: 2016年04月20日 14:00 JST

「多くのジャーナリストが匿名を条件に面会に応じてくれた。このこと自体が異常な状況だ。明らかに日本の報道は弱体化している」と指摘。背景には「政府の圧力が存在する。圧力を押し返すメディアの力も弱まっている」と話した

 このメディアの力の弱まりとは何ものであろうか,という評価もしたいところ。政府の圧力がメディアを弱体化させた主たる要因なのだろうか,とか。

 ―部数減や信頼性の喪失は,政府の圧力のせいなのかなーとか。

ITmediaニュース 仙台放送、関連会社社員の虚偽ツイートを謝罪 関テレ中継車の割り込み給油めぐり 2016年04月19日 22時25分 更新

仙台放送は、系列テレビ局のモラルを指摘するTwitterの投稿に関連し、同社関連会社の社員が虚偽の投稿をしていたとして謝罪した







 こうして,『メディア自体が弱化してるんじゃないの? 政府の圧力以前に,それ自体の生命力的な意味とか取材能力的意味とか人間的な誠実さとかの意味で』と思いたくなる今日この頃。

 …社民党・東京方面の某公認候補(予定者)だかの例を思い起こすに,顔が『確実な固定客』のほうしか向いてないのではないか。それなら,確実な商売にはなる。なるのではあるが,より多数からカネをひっぱれるようでないと,商売は広がらない。

 その点,安倍首相のほうができがいいぞ。彼を熱烈に支持していただろう一部固定客[と想定されたかもしれない人々,すなわち]…韓国を嫌いで嫌いで仕方なく,韓国政府と交渉すること自体を言葉を極めて非難するような…をまるっと捨てさったぞ,こないだの12月末に。

 少なくとも,あの慰安婦合意で誰がにっちもさっちもいかなくなったかといえば,その”一部固定客”が排撃していたであろう先方の朴大統領だ,少なくとも,今現在は確実にそう(レームダック待ったなし状況なことには,個人としては同情申し上げる)。







 …これが冗談であってくれれば,というレベルに。

 思うに,ダメの連鎖なのである。

 よくマスコミあたりで,日本の大学は外国の水準とくらべてうんだらら,と書くもののようだ。外国と競争してもっと質を上げろとかなんとか。

 ならば,マスコミもそうしたらどうか。
 記者クラブを廃止するのだ。外国メディアでもなんでも,まあともかくなんらかのゲートは必要だろうが,原則出入り自由にするのだ。そしてケイ報告にあったような「規制側の政府と、規制される側のメディア幹部が会食し、密接な関係を築いている」状況を破壊するのだ。

 そうして,ジャーナリストはジャーナリストとして立ち,経営側と対峙するのだ。すばらしい,労働組合である。権力と対峙し,その職業倫理を確立するのだ。質の高いジャーナリズムは市民の支持をうけ,職業・商売が成立すると信じて。

 …というのは,個人にとっては非常に厳しい生き方なのである。
 なので,労働組合もナアナアにして,組合幹部と管理職が事実上一致するような体制にでもしてしまって,政権側ともクラブをつくってナアナアにしてしまって…まあ多少出来がわるくてもしくじっても生きていけるようなシステムを構築するといい。記者クラブをつくれば,競合他社を適宜排除できるし,いちいち質を問われることもなくなる…だろう!

 同様に,いちいち業績を問われず,学科長とかと仲良くやってれば昇進できるようなシステムをつくってしまえば,まあ自分が生きていくぶんについては安定する。ダメ同士,仲良くやるわけである。

 …が,外圧が来たときにどうなっちゃうかなーと,まあそんなかんじ。
 最近わたしは「知らん。勝手に滅べ」と言い放ったりするようになった。




 追記


 まあこういうことである。

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