空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

DR Congo:エボラ大流行中! のはずなんだけど

2019-03-29 11:28:02 | Newsメモ
The current outbreak is the second-largest ever recorded」、今回の流行は歴史上第二位の規模だ、とまでいうのに、なんか全然日本の報道にのってきてないのとちがうかなあ。

The current outbreak started in August and more than 600 people have died, according to the health ministry.

 とまあ、「大流行」ではあるが、積極的に言うには死者の発生ペースがさほどでなく、この数だったら先進国の麻疹罹患者発生数と比較可能であり―先進諸国でのニュースリソースがどっちに割かれるか、というのは自明ではある。

 ともあれ、公衆衛生の危機の一つではあり、その危機の拡大要因の一つはどこにあるかなという記事:

BBC Ebola disbelief widespread in DR Congo hotspots 28 Mar 2019

 現地では

More than a quarter of people surveyed in Ebola-hit areas of the Democratic Republic of Congo told researchers they do not believe the disease exists.
Some 36% of respondents also believed that the disease had been fabricated to destabilise the country.


 …流行地域でさえ、病気の存在を認めないひとたちが36%というレベルで存在するという。

More than 1,000 people have contracted the virus during the current outbreak, which is the second-largest ever recorded.

 まあ罹患者1000人だったら、麻疹の集団発生と比較可能な数字ですわな。
 となると、下手すると自分が罹患してひどいめに遭いかねない麻疹と、まあ確実に自分は死なないし罹らないし顔見知りがひどい目にあいもしない地の果ての出来事と、どっちに報道リソースかけるかって。

 まあ、不信ですめばいいのだが

Distrust contributed to four violent attacks on Ebola treatment and transit centres in the past month, reports the BBC's Gaius Kowene from the capital, Kinshasa.

 診療所への実体的攻撃にまで至っている。こうなると、そりゃあ過激ヴィーガンと同様の公衆の危機である。

 なんというか、反乱だとか内乱だとかが延々あったりした地域であり、政府警察への信頼性が低く、他方で現時点であれば医療関係者は軍・警察の保護をうけつつ活動したりするわけで―地方反乱勢力(の後継組織)にしてみれば、我が地域にありもしない病気の治療を名目になんか怪しげな注射だのしまくる悪の手先に見えるわな、という話。

 なので、お医者さんたちの物理的保護をへらそうか、そのほうがまだしも安全だ…という話になるようで、おいそれ本末転倒だろうとか、いやそもそもなんで医者がセキュリティガードの必要があるんだそんなにも…なんてつらい、やるせない、先進国住民としては真っ当な疑問を抱けば、現地の状況が逆算してわかってくるなあという、そんな教材にもつかえる(疲れる)。


 メモを追加しておく:
BBC Ebola cases in DR Congo exceed 1,000 25 Mar 2019 By Anne Soy

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