空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

景気は全般的には緩やかに好ましく推移しているとは聞くのですが

2018-07-21 15:21:05 | Weblog
日経新聞 世帯所得24年ぶり伸び、16年は560.2万円に 厚労省調査 2018/7/20 18:54

厚生労働省が20日発表した2017年の国民生活基礎調査によると、16年の1世帯当たり平均所得は前年から2.7%増えて560万2千円だった。伸び率は24年ぶりの高水準だった。特に18歳未満の子どもがいる家庭は4.6%増え、739万8千円だった

 一応、所得についてだけいえばこのとおり、多少なりとも指標は上がっている模様。

所得は高齢者世帯でも3.4%増え、318万6千円となった。内訳をみると、働いて得た所得の割合が22.3%で4年連続増え、所得を押し上げた

 これについては、「人手不足もあって」一応好感を持ってみるべきものだろうが、中年層で呻吟するものがある点など思うと、手放しでは―という感はある。世代的なものではあろうが。

雇用形態別にみると、正社員は24.7%。非正規は37.0%だった。いずれも前年から上昇し、正社員の割合は過去最高となった

子どもの年齢が上がるにつれ、非正規の割合は高まる傾向にある」のは、まあ止むを得ない点があるかなあというのと、改善の余地があろうなあというのと、相半ばといった感。 

 なお所得が上がったことについて「賃上げによる給与引き上げの効果が広がったようだ」とあるが、この点、以下のニュースを参照すると多少思うところがある。

朝日新聞 悲鳴に近い人手不足 日本商工会議所会頭が厚労相に訴え 加藤裕則2018年7月20日15時06分

中小企業125万社を傘下に持つ日本商工会議所の三村明夫会頭が19日朝、東京都内のホテルで加藤勝信厚生労働相と懇談した。日商側は、年々深刻化する人手不足や、若者の流出による地方の疲弊などを訴え、中小企業に対する政策的な配慮を求めた

 …こちらは「そんなに人手不足なら、雇ってやってや?!」と思うような世代である。

日商の今年の調査では、65%の企業が人手が不足していると回答。その割合は毎年5ポイントずつ上がっている。6割の中小企業が昨年度、賃金を引き上げたと説明し、「多くの企業で業績が改善していない。我々はこれを『防衛的賃上げ』と呼んでいる」と、やむを得ず賃上げに踏み切っている現状を強調。「新たに雇える状態ではない」として、政府に支援を求めた

 仕事があって、それに見合う利益が出るなら、なんで人件費がでないんだ、賃上げ自体は売り上げ増によって適切になされうるのではないか―というのは理屈ではあろう。だからこそ、『仕事がある・ふえているのに給料を出せない会社なんかつぶれてしまえ』という声もでようというわけだが:

大企業が残業時間を厳守することによる中小企業への「しわ寄せ」も懸念されるという

 とまあ、資本の関係上、大企業の社員さんたちの生き方改革が進んで、しわ寄せが中小に来ているよねーという。
 まあ、うん…これから働こうとする諸君は、できれば大会社をというのは当然の生存戦略だし、しわ寄せキツイ中小さんとしては当然、今まさしくすぐさま働ける即戦力が欲しかろう…。

 で、下請け中小に回せたかもしれなかったカネは:
(「われわれにこようをー…(2018-07-16)」から再掲)
 …うんまあ、円高になり過ぎないためにも、とか理屈は多少わからなくもないが。これなら内需も拡大しないよな、とか思う今日この頃である。

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