いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

拝観者の心を映す薬師瑠璃光如来

2010-05-09 07:09:41 | 散策
シニアジュクが5月29日(土)に実施する「さわやか散策」で訪れる龍角寺(りゅうかくじ)のご本尊・薬師瑠璃光如来を拝観しました。

天竺山寂光院・龍角寺のご本尊・薬師瑠璃光如来は、銅造薬師如来坐像(どうぞうやくしにょらいざぞう)の名で国の重要文化財に指定されています。

銅造薬師如来坐像と称した薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)は、藤原京から平城に遷都される前年の和銅2(709)年に造仏された千葉県最古のもの、と境内に立てられた案内版に解説されています。時あたかも、奈良では平城遷都1300年記念事業が開催されています。

龍角寺のパンフレットからその由来を引用し紹介します。

「如来像の総高さ2尺9寸7分(159.7cm)、頭頂より顎にいたる9寸(27.4cm)頭部と胴体は別作である。頭部は火中したものであるが、焼損した裡(うら)にもよく当初の形容を保持している奈良調の様式を現じ、その豊満な相貌は眉目鼻口における鎬(しのぎ)立った彫法によって引き締められて偉容を示している。胴体は当初のものが焼損著しかったので、近世像を全からしめるために作り接いだもので、その衲衣(のうい)の衣丈等当初のものによったらしく奈良調様式の面影がある。その制作年代は、薬師瑠璃光如来を本尊として安置する堂の建立された元禄、正徳頃に擬すべきだろう。なお、本寺境内に奈良調式の塔心礎が遺存し、又同様の多数の瓦片が出土するので、奈良調にここに伽藍のあったことが考えられ、薬師瑠璃光如来は関東地方におけるその頃の造像のことを知る上にも貴重すべきものである」

元禄10(1687)年頃に造像された坐像を安置している宮殿(厨子:ずし)の鏡天井には、龍を意匠とする極彩色の絵が描かれています。宮殿には近寄れませんし、天井でもあり拝見することは出来ません。
ご本尊の周りに配置されている木造の12神将立像は、何故か13躯配置されています。
でも、その謂れは分からないそうです。また、神将立像の修復には1躯あたり百万円単位の費用が必要になるので、現状維持にご尽力されている様子でした。

龍角寺を最初に訪れた時、境内に立ててある国指定重要文化財「銅造薬師如来坐像」と国指定史跡「龍角寺境内ノ塔阯」の案内看板を見つけました。何時もながらの拝観したい欲求にかられましたが、無人の境内では相談相手もままなりません。案内看板を横目に観て、古墳群の横にある「白鳳道」と呼ばれている龍角寺旧参道を「房総のむら」へ引き返していたのです。

ところで、シニアジュクのさわやか散策では、コースガイドを依頼する約束があります。
浦安、市川、佐倉、柴又などの散策では、その地域特有の出来事や伝承など、そこでしか分からない思わぬ解説があって、コースガイドは欠かせない機能になっています。

シニアジュクの行事である「さわやか散策」の実踏でコースガイドを依頼したボランティア・ガイドさんとの不思議な縁で、ご本尊の拝観が5月4日に実現したのです。
実踏を終えた休憩時の茶飲み話で、薬師瑠璃光如来は、事前に拝仏申請すれば拝観できることを知り行動開始です。その場でボランティアガイドさんに拝観の助力をお願いしたのです。

風土記の丘資料館、白鳳道、古墳群、龍角寺境内でボランティアガイドさんの解説を聴いた実踏で、最初に訪れた時の龍角寺印象は一変しました。

さて、ご本尊は、撮影禁止です。
風土記の丘資料館に展示されているレプリカの頭部を撮ったものを掲載します(写真)。

白く塗装された蔵の中に納められている宮殿。
その前には、読経のお勤めなどに必要な別棟を接続し、蔵の扉を開閉するようになっています。開かれた蔵の扉の向こう側にある宮殿に安置されているご本尊を拝観します。

穏やかに目を伏せ、ふっくらとした頬に優しい微笑を湛えて語りかけてくるご本尊・薬師瑠璃光如来を拝んでいると、心まで飲み込まれてしまいそうになります。
心が洗われ、無心状態でご本尊と対峙している境地、とでも言うのでしょうか・・・。仏像を拝観した瞬間に見入ってしまう時の感覚ですね。

その感覚は、京都や奈良の仏像を拝観している時のものとは、どこか違う。
3年前、中尊寺の常行堂に安置されている宝冠阿弥陀如来を拝観した際の感覚に近く、ご本尊には、レプリカでは表現しつくせない何かが漂っているのです。

その心境を垣間見る好事例がありました。
5月2日、中日クラウンズの最終日に1ラウンド58の男子国内ツアーで優勝した石川遼プロの心境に酷似しているかも知れません。遼プロには、非常に不躾と思いますが・・・。

その時の心境を問われた遼プロは、
「ゾーンのなかでプレーをしている、不思議な心境でした」

このような意味の答えをしています。

18位からスタートしたこの日は、12バーデイーを記録し、前述した世界記録を達成しています。
遼プロは、ホール毎にそのことを意識していた。インタビューの答えで分かります。
意識過剰になってプレーが乱れ、結果を残せない事例は枚挙に遑(いとま)がないです、ね。

ところが、遼プロは「ゾーン」の心境でプレーを続け、新記録を達成したと告白しています。
記録が掛っているパットが失敗するのでは、昨年の賞金王に耀きながら優勝できないのでは、などなどの恐怖心や悩みを克服し、プレーの結果を気にしないで淡々と18番ホールに向かったのではないでしょうか。
つまり、遼プロは、その瞬間に全力を尽くす境地を「ゾーン」という言葉で表し、その中でプレーをしていた。これは、元気印の勝手気ままな推測です。

『人は老若男女を問わず「ゾーン」の心境を実感する境遇を持っている。
そのことを感じられるだけの努力をしても、「ゾーン」のなかで無我の境地に達して行動を遂行出来るかどうか、そこなんです、よ』

ボケ封じ観音さまは、薬師瑠璃光如来が拝観者へ微笑んで語りかける実意を教示してくれます。

『その答えを探そうと背伸びするから、心にこびりついている煩悩を如来さまに剥ぎ取られるのです』

今日も、ボケ封じ観音さまには脱帽です。

今回の拝観にお世話になった龍角寺の方が教示してくれました。

「薬師瑠璃光如来さまのお顔は拝む人の心を映す。心温まるお顔に見える人は、心身ともに健康である、と言われております」

この日ご本尊を拝観したスタッフは、みんな心身ともに健康だったのでしょう。誰もが満面の笑顔で帰途に就きましたから。

『1300年以上前に建立された龍角寺の仏様は、深大寺の釈迦如来倚像と共に関東に残る最古唯一の「優しい微笑みをたたえた白鳳金銅仏」です』

薬師瑠璃光如来の拝観に尽力してくれたボランティアガイドさんの解説を紹介し、感謝の意を表します。有難うございました。
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