かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

高校時代の思い出。

2017-05-17 | 気ままなる日々の記録

   高校の2年だったと思う。ある友人が或るとき「親父がお前の年頃は何でもよく覚えられる時だから、有名な詩や文を覚えると云いと云うので覚えることにした。お前も付き合わないか?」とさそってくれたことがある。彼は島崎藤村の「千曲川旅情の詩を覚えたぞ!」といって、文庫本を僕に渡した。そこには前述の詩が載っていた。友人は、「云うぞ!」と云ってから、

小諸なる 古城のほとり

雲白く 遊子悲しむ

緑なすハコベはもえず

若草も 敷くによしなし

白銀のふすまの 岡辺

陽に溶けて淡雪流れる

暖かき光はあれど

野に満つる香り

は知らず

麦の色わずかに青し

旅人の群れいくつか

畑中の道を急ぎぬ

暮れゆけば浅間も見えず

千曲川いざよう波の

岸近き宿に登りつ

濁り酒 濁れる飲みて

草枕 暫しなぐさむ。

 と気分よく歌うように言った。

僕は驚いて 彼を心から尊敬した。

そんなことがあってから、僕たちの間で

有名な文章を暗記することが流行した。

「ロッテさんさようなら 時計が12時を打ちます

……・・・・・  ・・・・・・・」これはゲーテの小説「若きヴぇるテルの悩み」

の主人公がピストル自殺をするときの独白の出だしだ。

思えば高校時代の友人の影響は大きい。

  オソマツ君は、田舎の高校であったが、

友人には随分恵まれていたと今も感謝している。(T)

  

                  散歩道で  夏みかんの花

 

 

 

 

 

 


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