百醜千拙草

何とかやっています

言って悪い冗談

2016-05-20 | Weblog
今日は、ステムセル関連研究の年に一度のリトリートに参加しています。その空き時間に書いています。私は別にステムセル研究者ではないのですが、ゲストスピーカーがそれなりに豪華で、別の分野の最新動向を知ったりできるので、このリトリートは数年前から楽しみに参加しています。食事つきで、しかもタダというのも大きいです。

ステムセル業界も、もともとの建前が細胞ベースの再生医療を開発するという所を目指していますから当たり前ですが、臨床応用、いかにビジネスに結びつけるか、という議論がこうした会でも大きな部分を占めるようになりました。基礎的研究をする方にとってみれば、技術開発よりもBiology的な発見をする方により興味があるので、こういった話はあまり面白くないです。ま、個人的な感情ですが。

好き嫌いに関わらず、トランスレーショナル的な部分を多くの基礎研究が含むようになってきているのは事実ですし、良い悪いではなく、それが世間の興味とニーズである以上、それに応えていかねばなりません。

それで、最近は、標的分子の阻害薬のin vivo deliveryなどのことをぼんやり考えています。こういった薬関係の分野には全く興味がなかったので、無知でしたが、多少調べてみると面白いです。膜透過性環状ペプチドを使って、核内分子の機能を細胞特異的にin vivoで阻害できないだろうか、などと夢想しています。今の所、ど素人の思いつきに過ぎないわけですが、こうした薬理学、化学、工学的な研究分野と、われわれがやっている分子遺伝学、細胞生物学的分野のクロスオーバーというのは必然的なもので、最近は、トップクラスのラボから出るハイインパクト論文の多くが、こうした複数分野の専門家を巻き込んだ共同研究である場合が多いです。実際、ひと昔前なら、核内ターゲットというだけでundruggableと一顧にもされませんでしたが、最近は、透過性ペプチドを使っての核内蛋白の阻害は少なくともin vitroでは可能です。この辺のdrug deliveryの最新の研究の一部のおこぼれを私も頂きたい、などと夢想しております。

というわけで、今日は大した話題はありませんが、二つだけ。

大学時代のとある教授は、質問に学生がトンチンカンな回答をすると「冗談には、言っていい冗談と言って悪い冗談がある、今のは悪い冗談だ」と笑いつつたしなめたものです。
しかし、アノ方の言う冗談は、笑えません。

先日、国会という「立法」の場で、内閣総理大臣という「行政」の代表のアノ方が次のように言って、人々を呆れさせました。

「山尾さん、議会の運営を勉強してくださいよ。議会では私は立法府の長ですよ」

以下、ネットの反応。
凄い、本当に言ってる。 このおぢさんは三権分立を知らんのか?それとも私が知らない間に国の仕組みが変わったのかしら??
中学で学ぶ三権分立も分からんバカ朕が総理大臣にまでなってしまう世襲政治を何とかしないと、日本に未来はない。
安倍総理が16日の予算委員会で「私は立法府の長であります」と発言した後に「山尾議員は議会の運営ということについて少し勉強した方がいいと思います」という自虐ギャグを披露する
安倍氏が「私が立法府の長だ」と言ったとか。この人、本当に頭がおかしいんじゃないかしら。あなたは行政府の長でしょ! それとも三権分立を認めてない?
人に「勉強しろ」と言った直後のこの発言の面白さ(笑)
すごいですねえ 日本の総理は行政府の長であるばかりか、立法府の長ですか。独裁者として君臨すると、こうも傲慢になるんですね。


もう一つ。
政官財と結託してメディアをコントロールする広告会社、世界の「電通」の不祥事。パナマ文書で税金のゴマカシが暴露されたと思いきや、こんどは東京オリンピック招致での買収、派手にやってます。それでも、おとがめなし? いや、キョーレツですな、アベ政権率いる現代日本。利権に優しく民には厳しく、、。国語、社会、経済算数、ついでに核科学は、落第点なのに、ゴーマン度だけは満点、、、というところですか。

いずれにせよ、東京オリンピックは中止にするのが筋だし、多数の都民、日本国民のためでしょう。インフラの関係上、もう一度ロンドンでオリンピックですかね。
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