Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

サイクリング

2009-04-30 | ヘルシンキぶらり歩き
「天気が良い」という表現の意味すら失われそうなほど、毎日、天気が良い。


初めてヘルシンキまで自転車で行ってみた。
ヘルシンキにわざわざ行く目的があったわけでもないけど。強いて言えば、ストックマンの地下の酒屋で日本酒を買ってこようかと(これは明日のために)。

で、意気揚々と出発したそのとき、いきなりチェーンが外れた。なにしろ20歳という老齢だから、取り扱い注意だ。

なんとか直して、気を取り直して再出発。

道順はほとんど調べていなかったけど、基本的にバスの路線を辿れば大丈夫だろう。
バスに乗っているときには気づかなかったが、車道の側に理想的なサイクリングコースが走っている。素晴らしい。さすがにちょっと排気ガスが気になるが、湖に沿って、ほぼノンストップで爽快に駆け抜けることができる。



慣れれば30分もかからなさそうだ。
ヘルシンキ市街地の西端、Ruohorahtiに到着。港には釣り人たちが。カモメが水遊びしている。
ここには大きなショッピングモールがあって、ヘルシンキ随一の家電量販店もある。実はフィンランドに来るとき、あろうことかノートPC(MacBook)の充電器を日本に忘れてきてしまったけど、ここで難なくゲットできた。しかし、90ユーロ。まぁしかたない。

 

街はもう、Vappuのお祭りモード。Vappuについては、また改めて。

日本酒をゲット。ストックマンのAlkoに三種類だけ置いてあった。

帰路。
フィンランド産業界の誇る、オタニエミ企業ビル群。左側半分ほどはノキアの本社ビル群です。


テレビ見放題

2009-04-29 | 日常/思索
今日、こちらに来て初めて雨が降った。しかも小雨。すぐに止んだ。
湖が多いのと、降水量は関係ないのか。


ネットニュース以外でも日本のニュースを知る手段はないかというところから始まり、ようやく最近ポッドキャストというものの使い方を知った流行遅れな自分ですが、最近、ルームメイトがもっとすごいものを教えてくれました。

trinetという、詳しいことはよく分からんが、学生間のネットワークのようなものがある。かなり多数のユーザー間のファイル共有が、公然と行われている。

で、それもすごいんだけど、なんとこれでテレビが見放題。どういう理屈か知らんけど。
フィンランドの国内放送はもちろん、日本ではお金を払わないと視聴できないディスカバリー・チャンネルや、BBCなんかもただで見られる。計20チャンネルほど。

フィンランド語のドラマとか何言ってるんだか全然分からないけど、いい。フィンランド語にもっと馴染むのに使えそう。
ディスカバリーは映像だけでも楽しめる。


生活に余裕ができると、誘惑の要因も充実してくる。

音楽的交流

2009-04-28 | 音楽
その後、誰もいない夜間や週末に、セミナー室でチェロを弾いている。

こちらの人は、本当に生活が規則正しくて、夜と言っても6時頃にはもう、八割くらいは帰宅する。8時頃になると、余程のことでもない限り、まず人がいない。週末も、ほとんど人がいない。

だけど、弾いていると、たまに人がやってくる。
セミナー室は、給湯室も兼ねていて、コーヒーやお茶を入れに来たりするのだ。冷蔵庫もあるし。

そういう時は、とりあえず、
「すみません、誰もいないと思ったもんで、騒音を出して申し訳ありません」
と謝るわけだが、みんな笑顔で、
「いやいや、全然構わないよ、どうぞ続けて」
と言ってくれる。

いやまぁもちろん、
「またあいつやってるよ~」
と、陰で舌打ちしている人もどこかにいるかもしれないが。もしいたら、すんません、てことで。

ところで、そんな中で、つい先日、こちらに来て初めての音楽的交流と言える出会いがあって、とても嬉しかった。

留学生のイラン人がやってきた。僕がバッハの無伴奏を弾いていたのを外で聞いていてくれたそうで、とても気に入ったと言う。ありがたや。
で、少し話をすると、なんとその人はイランでバイオリンを十年も弾いていたそうで、今度一緒にセッションしようということに。今はしばらくブランクがあって、その代わりにシタール(というあっちの方の伝統楽器)を弾いているらしい。けど、話をしていて、またバイオリンが弾きたくなったよ、と言う。幸い、弦が一本ないけど、バイオリンは手元にあるとのこと。

ふむ。なかなか面白い出会いもあるものだ。

ていうか、シタールって、一度弾かせてもらいたい。そっちの方が興味あったりする。

デビュー

2009-04-27 | 大学
研究所のセミナーで、研究発表。

第一の山にして、実は最大のプレッシャーを感じていた。二回目以降は、適応していけばよいけど、一度目はなにしろ勝手が分からない。
それに、言い古されたことだけれど、第一印象は肝心だ(皮肉なことに?このことは、自分の研究テーマにも関連している)。学会などで国際発表の舞台は何度か経験しているが、短期開催の学会と違って、なにしろ今後の滞在中の人間関係を左右する、かもしれない。大げさに言えば。なんだコイツただ遊びにきただけかよ、と思われたら最後。本当に、遊んで終わりになるかもしれない(まぁそれもいいか…)。

とまぁ、若干オーバーに表現したものの、いつにないタイプのプレッシャーはあった。
それが、開始10秒で馴染んだ。フィンランド語で挨拶をしたら、なんと皆さんから暖かい拍手を頂いた。たった数行の挨拶だけど。来るものは拒まない人たちだった。よかったよかった。

今日のプレゼンでは、前半に、簡単に自己紹介、それから日本について、また自分の大学や所属する研究室などについての紹介もさせてもらった。
このパートもかなり入念に準備したのだけど、ばっちりウケてもらえてよかった。セミナー室でどうぞ好きなだけチェロを弾いて下さい、という先生方のお墨付きももらえた。それに、System familyの存在には大変関心を持ってもらえたようだった。今後のコネクションの基礎となれば、嬉しい。

昨日のJapani-päiväの様子なんかも紹介した。
この考え方は人によるかもしれないが、こういう機会では、ある意味「日本代表」としての気構え、というか責任感みたいなものを持ちたい。
逆の立場を考えれば分かるだろう。例えば、日本の大学にフィンランドからのゲストが来て自分の国についてあれこれ喋ったなら、そこに居合わせた誰かが、そのことを、今日フィンランド人がこんなことを言っていた、とそれこそブログなんかに書くかもしれない。それがあたかもフィンランド人の統一見解であるように書かれるかもしれない。
もちろん、日本人であっても、日本について何でも知っているわけでもないし、何でも語れるわけでもない。「一説によると」「自分の考えでは」「こういうところが個人的には面白いと思うんだけど」、そんな一言を添えながら、自分なりの視点で日本という国のユニークネスを伝えたい。

伝わったかな。

(発表資料の一部)


さて、自分の研究テーマは、ゲーム理論に関連したものなんだけど、バリバリの経済学的な文脈というよりは、認識論的な話題を扱っていて、社会学的あるいは哲学的な問題を含んでいる。
これはここの人たちとある程度は相性の良いトピックなのではないかと予想していた。というのも、この研究所には、こういうことを哲学的に考えている一派と、また別にいわゆるハード思考というか機能主義的パラダイムでゲーム論やORをやっている一派とがいるのだけど、その間のシナジーについては日常的に接触しているような人たちだろうと思っていたわけです。

それで、案の定というか、英語力の問題もありディスカッションはかなりぐだぐだとなってしまったけど、それでも時間をオーバーするくらいに質問も出て、ある程度の関心は持ってもらえたよう。プレゼンでは、こういうところがそちらでやっていることと関係するのではないか、という話題も入れたので、そういうのもうまく拾ってもらえたのかもしれない。

他の先生方に認知してもらう機会となったのも良かった。

Ehtamo教授はゲーム理論の専門家で、自分の研究のベースでもある帰納的ゲーム理論を提唱した(筑波の)金子先生を知っているようだった。とても気さくな方で、数学的な議論については、今後色々と聞けるチャンスがあるかもしれない。
Saarinen教授は、哲学者だけど、テレビ番組などによく出演されていて、フィンランド全土で有名人らしい。全く違う分野の人でも彼の名を知っている。日本で言えば、ちょっと前なら立花隆、今なら茂木みたいなポジションだろうか。彼の書く論文は、intellectualという言葉がよく似合う。企業へのコンサルティングなんかも精力的に行っているらしい。


まぁ、とりあえずそんな感じ。肝心なのはこれからだし、本当のところどう思われているのか分からないけれど、少なくとも「なんだコイツただ遊びにきただけかよ」は免れたのではないかと思いたい。

ふう、この解放感。
一週間ぶりにビールを解禁。うまい!

Japani-paiva

2009-04-26 | イベント
(paivaは、päivä。タイトルにはフィンランド語フォントは出せないみたい。)

ヤパニ・パイヴァ。ジャパン・デー。日本の日。
日本文化を紹介する大々的なイベントが、ヘルシンキであった。面白そうなので、先日の日本語クラスで知り合ったフィンランド人の友人を誘って行ってきました。

今年は、フィンランドと日本の外交関係樹立90周年に当たるそうで、年間を通じて日本に関連する色んな催し物が精力的に行われるらしい。
東山魁夷展もやっているし、5月には能楽の一座も来て公演を行う。

そんな中、このJapani-päiväは、今年で12回目。年々集客数が増しているらしい。実際、フィンランドに来て、このような人混みに遭遇したのは初めて。毎年借りているこの会場では、来年は納まりきれないのでは、という話だった。
こんなイベントに来る人の言うことだから、多少のバイアスはあるだろうにしても、フィンランドでは日本文化への関心が近年とても高まっているそうだ。日本人としては、嬉しい限りだと素直に思う。もちろん、お客さんのほとんどは現地の人だ。



市民館のようなところを借り切って、パラレルで様々な文化の実演や体験イベントが行われている。
思い出すままざっと挙げてみても、

寿司、焼き鳥、手打ちそば、弓道、剣道、居合道、薙刀、琉球古武術、能、生花、茶道、尺八、折り紙、書道、漫画、囲碁、パラパラ…

とまぁ、色々。これだけ一度にお目にかかれるのは、日本でもない。日本人でも普通に楽しい。
そして、ちょっと驚いたのは、日本から専門の人を招いているのかと思いきや、大半はフィンランドの人がフィンランドの人に日本文化を紹介する、という形になっている(日本からちゃんとした人が来ていたのは、手打ちそばと能楽師くらいか)。しかも、かなり本格的。つまり、それぞれの文化について、ちゃんとした組織、コミュニティがあるわけだ。

武術のデモンストレーション。西洋人が刀を振り回すのを見て、なぜかスター・ウォーズを連想。
当然、解説は全てフィンランド語なので、このお客さんたちは、武術には滅法疎い自分よりも剣道に詳しくなったに違いない。宮本武蔵の「五輪書」は、フィンランド語にも翻訳されているそうです。

 

フィンランド人に、日本名をプレゼントするというサービス(左)。ここは大変な人気で、行列ができていた。
ちなみに、この女性の名前はAnne(アンネ)。フィンランド人の名前はローマ字読みでOKなものが多いから、漢字に変換しやすいのだ。同じ外国人でも、ジョンとか、レオナルドとか、アレクサンダーとか、無理だし。
書いてもらったら、漢字マスターに、意味を尋ねる(右)。

 

(左)書道マスターも、フィンランド人。
(右)手打ちそばの実演は、京都からのゲスト。勉強になりました。そして、やはり、うまかった!

 

日本語の本の古本コーナーもあり、日本語での読書に飢えていたところを、思いがけず安値で何冊か面白そうな本をゲット。
漫画販売コーナーはさすがに充実していた。それでも、こちらでは漫画が一冊で7ユーロほどもしたりする。一緒に行ったフィンランド人の子は、「やおい」という言葉を知っていた。
そういや、若干コスプレ大会の様相もあり、ピカチュウやらドラえもんから、まぁ何かのアニメのキャラクターと思しき衣装を召された方までいらした。

というわけで、色んな点において、総じて楽しめました。


最近何かでたまたま読んだのだけど、ちょっと昔にある日本の学者が、「世界で一番反日感情の強い国はどこか」を調べたら、それは中国でも韓国でもなく、なんと日本だったという、嘘のような本当の話。謙遜を通り越して、自虐になっているという話。

日本て、面白い国だなぁ。

春の気配

2009-04-24 | 日常/思索
今週の後半あたりから、急に暖かくなった、ように思う。
昼間の気温がやっと10℃を超えたという程度で、東京にいたらまだまだ寒いと感じるだろうけど、これでも「暖かい」と明確に感じるのは、すっかり「順応」したということだろうか。

湖に張っていた氷はすっかり解け、その代わりに快晴の空が反射してなんとも美しく深みのあるブルーが広がるようになった。
すでにTシャツ一枚の人もちらほら。これはさすがにやり過ぎな気もするけど、精神的なハピネスも後押ししているのだろう。


ところで、三日前に買った中古の自転車は、全くもって良い買い物だった。もうすでに買値分の効用を得た気がする。通学時間はわずか3分になった。

オタニエミは大学しかないけど、ちょっと離れたところにタピオラという結構大きな街がある。歩くと30分くらいはかかるけど、自転車なら10分そこそこ。

シベリウスの作品に、交響詩「タピオラ」というのがある。タピオラとは、森の神の土地、という意味らしい。
(街の)タピオラは戦後に作られた計画都市だそうで、ネーミングにはそんな理想が込められていたのだろうか。日本風に言えばニュータウン、あるいは(東急)田園都市のような感じ。中心部にはデパートや役所関係の建物が並び、周辺は集合住宅街となっている。
スーパーも家のそばのものとは桁違いに品揃えが良い。ちなみにコンサートホールもあって、ここを拠点とするタピオラ・シンフォニエッタというオーケストラがある。今度聴きに行ってみよう。

 

住居

2009-04-22 | 住居
住んでいるところについて。

 

一人部屋だけど、三人でキッチンその他をシェアしている。

ルームメイトは、同じ大学に通うドイツ人とオランダ人。二人ともフレンドリーでまじめで、何よりきれい好きなのはありがたい。でも二人ともかなりの夜型人間で、起きるのは午後だったりする。TKKは、(当たり前だけど)フィンランド語での授業が多く、留学生がそのような科目を受講する場合には、自宅学習→レポートor試験、という形を取ることが多いらしい。
ヨーロッパ(EU加盟国)には、エラスムスという制度があり、大学生や大学院生の域内交換留学が非常に盛んだそうだ。ちょっとした旅行の延長で、気軽に数ヶ月~一年程度の留学をして見聞を広めようとする人も多いみたい。島国の日本と違って、ヨーロッパでは、国境一つまたげば、全く違う文化が体験できる。羨ましい限り。

この寮は、HOASという、学生向けに賃貸アパートの斡旋を行っているところに手配してもらった。他に、TKKの学生組合でもアレンジをしていて、後者の方が若干割安とのこと。
大学まで徒歩圏内という立地はありがたい、と思ったら、他の人の話を聞くと、バスで30分~1時間ほどかけて通学する距離のところを案内された人も少なからずいるそうで、自分はラッキーだったのかもしれない。

家賃は300ユーロ強/月(光熱費、水道、ネット込)。普通は200ユーロ台らしいので、上乗せ分は立地の良さとシェア人数の少なさか。ひどいところは8人で一つの冷蔵庫をシェアしているという話も。
ちなみに、本当に一人暮らしをしようと思ったら、家賃は安くてもこの倍以上が相場のようだ。

寮のすぐそばに美しい自然が広がるのは、先にも紹介した通り。ただ、週末の夜となると、どこかでパーティをやっていて、正直、騒音が気になる。
あと、自分の部屋の入り口、フラットの入り口、建物の入り口、全てオートロックだから、鍵の管理は気をつけなければいけない。早速、一度閉め出されてしまいました…

自転車

2009-04-21 | 日常/思索
こちらに来てわりとすぐに欲しいものリストに挙っていた、自転車を買った。

中古で10ユーロ。片方のブレーキが利かない。かなり年季が入っているかと思えば、年齢は20歳とのこと。気をつけて乗ろう。
値段を考えれば、満足。

フィンランドは、新品の自転車が高い。一般的な水準のものでも、200ユーロ~といったところ。

実は、大学の学生組合が、交換留学生向けに自転車のレンタルサービスをやっている。年間で60ユーロなので、かなりお得感はあるのだけど、実は自分の身分では、このシステムが利用できないらしい(博士課程の学生は、いわゆる学生的なメリットを享受できない。学食も、割引が適用されない)。
そこで、知り合いに頼んで、学生どうしのオンラインの中古マーケットのようなところで探してもらった、というわけ。

これで行動範囲がぐぐんと広がる。ヘルシンキにも、わざわざ毎回往復7ユーロも払わずに行ける。これから暖かくなるし。

日本語クラス

2009-04-20 | 交流
Outiさんの日本語クラスにお邪魔させてもらった。
ポリテクニック(日本で言う専門学校か)に通う学生が、外国語として日本語を勉強している。

まだ学習を初めてから半年程度ということで、日本語での自己紹介もほとんど通訳してもらった。

毎回、漢字の書き取りの宿題が出る。
自分も、こうやって少しずつ(何年もかけて!)漢字を覚えたのだ。小学校の頃、クラスで漢字相撲というのをやっていたのを懐かしく思い出す。15日間続けて漢字の小テストをし、得点によって、クラス内での「番付」が掲示される。「昇格」は、クラスの生徒にとって、ものすごいモチベーションになっていた。

続いて、会話の練習。今日は、休日に相手を誘い出す、というテーマ。ペアを組んで会話する。
テキストには、断り方のボキャブラリーがワンパターンしかないようで、何に誘っても、「ザンネン デスガ ツゴーガ ワルイ デス」と言われるばかりだった。とほほ。

このクラスでは、授業の後半に、当番の学生が日本文化に関して、好きなテーマでプレゼンを行うそうだ。
本日のお題は「Visual Kei」。そう、ビジュアル系。

このプレゼンは、最高傑作だった。プレゼンターの女の子は、はっきり言って、オタクだ。後で話したら、ジャニーズ系にも相当詳しい様子。ジャニオタ。
日本の音楽シーンにおけるビジュアル系の歴史、その系統の分類や代表的なアーティスト、なんかが主なトピックだった。普通の日本人でもここまで詳しく、熱く語れる人は、そういないだろう。
ビジュアル系の原点ということで、X JAPANの話題も。まさかフィンランドでXについて語り合える人がいたなんて。彼らが今年フィンランド公演を計画していること、だけれど色々とトラブっていてどうなるか分からないこと、そんなホットな話題まで知っていた(これは、個人的にも是非実現してほしいのだが)。
まぁただ、当然というか、彼らの中ではXはもはや「古典」的存在であり、目下活動中のバンドが主なターゲットらしい。そちらは、もう自分はほとんどついていけない。ジェネレーションギャップ…
日本でも、90年代のビジュアル系、バンドブームはもはや下火の感があるが、ここフィンランドではかなり盛り上がっているようだ。聞いたこともない日本のバンドが、よくフィンランドでコンサートを開いており、それなりの集客を得ていて、チケットは瞬殺で完売らしい。北欧メタルに代表されるようなヘヴィーなサウンドは、もともとビジュアル系と呼ばれるバンドの志向する音楽と方向性が重なるのかもしれない。比較的受け入れられやすい下地があるようには思う。

現地の新聞でも、フィンランドの若者の3割は、何らかの日本の大衆文化(ゲーム、漫画、音楽など)にほとんど日常的に接しており、関心を持っている、というアンケートについての記事があった。

フィンランド人は、シャイだと言われる。日本人ほどでもないと思う。アメリカ人やラテン系に比べれば、まぁそうかな、という程度の印象、今のところは。
ただ、こちらもシャイだから、最初はお互いちょっとぎこちなかったけれど、話しかければ、はにかみながら、照れくさそうに覚えたての日本語や、興味のある日本の話題について話してくれたりする、ていう人も少なからずいる。そういう反応を見ると、たしかに、日本人っぽい。


イースター・エッグ

2009-04-19 | 社会/文化
だいぶ前の写真だけど。

たまご。



めりめり…



オギャー。



キリスト教文化とは無縁だったために、こういうことすら新鮮。「中にサプライズがあるよ」と言われ、本当にドキドキしてしまいました。

ジョギングコース

2009-04-18 | 日常/思索
二度目の週末。やはり研究室には誰もいない。

もう4月も折り返したというのに、最低気温はマイナスの日々。東京で一年でも一番寒い日より、もっと寒い日が続く。けれど、日は長い。
スーパーの閉まる時間が早いので、昼のうちに買い物を済ませ(てそのまま研究室に戻って来)ることが多いのだけど、牛乳なんかも窓の外に置いておけば、冷蔵庫と変わらないので、大丈夫。


寮の周辺の遊歩道を軽くジョギングするのが、日課となっている。
だいたいいつも、帰宅して、夕食を作る前にふらっと。日没が遅いので、この時間でも日中と雰囲気はあまり変わらない(下の写真も、夜の8時近くに撮影。夏至の頃にはどんなことになるのやら)。

もちろん研究室にこもってばかりでは体が鈍ってしまうから、それを防ぐという目的でもあるのだけど、実は、やっぱりフィンランドに来てよかった!という思いを日々噛み締めるのが、このジョギングの時間である。

ジョギングコースとしているオタニエミ周辺の湖畔は、(たぶん国内の)自然遺産登録されているらしく、フィンランドでも有数の野鳥の住処でもあるそうだ。
白樺林の中を駆け、視界が開けたと思えば美しい湖が広がる。なんて贅沢なコースだろう。初めて走ったときには、いちいち足を止めては感動に浸っていた。いや、今でも。
何もないんだけど、「何もない」がある。人は、こんな簡単なことで癒されてしまうものらしい。疲れているのかしら。

 

実に平和的な風景。ウサギやリスに出会うこともしばしば。


始動(いつの間にかフィンランド人の名字の話)

2009-04-18 | 大学
先日記した通り、こちらに来てすぐに連休となったので、まともに物事が動き出したのは、今週から。

こちらでの指導教官である、Hamalainen教授にお会いした。

いきなり余談。
フィンランド人の名前には「~ネン」が多い、というのは、F1やスキー選手の活躍で、日本でも有名なことだと思うけど、これは「人」を意味するらしい。たしか、ロシア人の「~スキー」とかいうのも同じだったような。
ちなみに、語尾に「ライネン(lainen)」を付けると、「~人」という意味になる。

Japani(日本) → Japanilainen(日本人)
Tokio(東京) → Tokiolainen(東京都民)

フィンランドの言葉は、発音が日本語のローマ字読みに近いため、ある単語の発音が、そっくりそのまま日本語で別の意味を持つ言葉に聞こえる、というものが多々ある。だから、フィンランド人の名字は、日本人にとって「意味を為す」言葉に聞こえてしまう例が必然的によくある(もちろん、その名前の所有者に対して、何ら意図を持つわけではない)。
スキーのアホネンの名も、彼の功績から離れたところで日本で話題になった感がある(というか、自分自身、子供の頃にオリンピックで彼の名前を見ては、素直に反応していた気がする)。Finland This Weekに、面白いフィンランド人の名前の事例集あり。
直接お会いした人の中では、ミンナ・タカラさん(女性)、がインパクトが強かった。案の定、日本人に会うとよく名前のことをネタにされる、と言っていた。さらに面白いのが、彼女の息子の名。トミー・タカラ。


話が横道に逸れました。そうそう、Hamalainen先生は、50代後半とお見受けしましたが、イースター休暇中は、スウェーデン北部の山中にスキーと簡単な荷物だけで5日も籠っていたとのこと。なんかとにかくパワフルな感じの人、だけど、とても寛容で気さく。
研究に関する打合せをして、早速、再来週の頭に研究所のセミナーでプレゼンする機会を頂いた。

こちらの学生さんほぼ全員、簡単に紹介してもらった。けど、一度に名前と顔が一致するわけない(皆が皆、上の例のようにインパクトのある名前であるわけではない)。少しずつ覚えていこう。
学生は20人くらい。そのうち、半分くらいはゲーム理論に関連するテーマを扱っているそうだ。一部の学生さんとは共同研究のような話も出た。若干、ソフトシステム寄りというか、哲学的なことをやっている人もいる。
女性は一人しかいない。環境がそっくりだ。ただ、男でロン毛率が高い。北欧系ヘビメタバンドにいそうな人がちらほらいる。まぁこちらの人は似合っているから良いが。

そんな感じで、いよいよ本業の方もゆっくりとだけど動き出した感じ。


余談の方が長かったですね。

お米=日本人の魂

2009-04-16 | 日常/思索
というわけで、早速東京館で食料調達。

あきたこまちはイタリア産、とお店のおばさんが言っていた気がする。そんなところでも作っているらしい。
あと、エバラ焼肉のたれと、インスタントのみそ汁(と、他にも色々)。



こんなのは別に、フィンランドにいるのでもなければわざわざ写真に撮ることもあるわけもないのですが、今日の夕食は、日本食解禁ディナーと決めていた。つまり、スペシャル。これまで意図的に和食は食べないようにしていた。そう、この感動のために。ちょっと大げさだけど。いや、あながちそうでもない。

そんなわけで、今日は焼き肉。
炊飯器が無いので、ご飯はお鍋で炊く。うまくできた。蒸らしてふたを開けると、湯気がもくもく。よだれが出る。
お供は、フィンランドの定番ビール「ラッピンクルタ」。



涙が出そうなほどうまい!

多分、ご飯に焼肉のたれかけて食べるだけでも、すごく感動したに違いない。
いや、みそ汁とご飯だけでも。
まぁこれ分かる人だけ分かって下さい。

フラットメートのオランダ人が料理中に様子を見にやってきたので、「ライス イズ ザ ソウル オブ ジャパニーズ!」と説明しておいた。

東京館

2009-04-16 | 日常/思索
東京館は、ヘルシンキにあるフィンランド唯一の日本食料店。サイトにもあるように、かなりの品揃え。遠くはロシアからもお客さんが来るとのこと。



一年前と比べて、売り場面積が倍ほどに拡張されていた。繁盛しているみたい。すしの作り方など、日本文化の講座のアレンジもしているらしい。
地元の人がひっきりなしに店に訪れる。西洋人がポッキーを手に取り、これは一体何だろうと、パッケージ(もちろん日本語表記)を凝視している姿を見るのはなかなか愉快。

お米(もちろん日本の品種)が比較的安い。滞在中は、お世話になりそう。

ヘルシンキの街

2009-04-15 | 交流
今回の滞在では初めて、ヘルシンキの中心部へ出かけた。
豊かな自然に囲まれたところに一週間もいたので、久しぶりの都会を歩くのは、これはこれで結構な気分転換になる。バスで20分ほどで行けるので、いつでもすぐ来られるのだけど。
そう言えば、近々自転車を手に入れたいと思っている。


今日は、Anssi夫妻と夕食をご一緒させていただき、奥さんのOutiさんにも再会。Outiさんは、ヘルシンキで日本語の教師をしていて、彼女の話す日本語は、日本人以上に、きれいなのです。
こちらで初めてまともに日本語喋ったか。やっぱり日本語で話ができるのは、それだけでほっとする、と思った。

ネパール料理のカレー、おいしかった。満腹。そういや、学食以外の外食は初めて。
連れて行ってもらったバーのシックな雰囲気が気に入ったので、また行こうと思う。


彼らと待ち合わせる前、少しうろうろしてみた。
約一年ぶりのヘルシンキは、ちょっと懐かしかった。中心に近いところは、だいたい地図がなくても分かるのだけど、軽く前回の思い出を振り返る意味でも、ほとんど観光気分でふらふらと。

こちら、テンペリアウキオ教会。岩をくり抜いて、そのまま教会にしてしまったらしい。
外観はこんな感じだけど(左)、中に入ると円形の広々とした教会(右)。天井部の窓から差し込む陽が柔らかい。バロック音楽が流れている(スピーカーから)。とても落ち着く。

 

と思った矢先、中国人の団体旅行客がやってきた。ずかずか靴音を立ててやってきては、台座に列を作って一人ずつ写真を撮る。「もうちょっと顔傾けて、あ、そうそう、いいねー、はい撮るよー」みたいなことをひたすら。風情も何もないというもんだ。わざわざご丁寧に、入り口に漢字で「静粛」と書いてあるのに。隣にいた西洋人の老夫婦も呆れ顔であった。
まぁでも、中国人が海外を個人旅行するのは難しいのだろう。少なくとも、この点に関しては、自分が日本人であって良かったと、海外を旅する度にいつも思う。偉大な先人たちに感謝。

続いて、ベタだけど、ヘルシンキ大聖堂。もう何回か見たけど、やっぱり近くで見ると圧倒される。
ここと上のテンペリアウキオ教会は、ヘルシンキの旅行ツアーがあれば、必ず旅程に組み込まれるであろう定番中の定番と思われます。



あとはいくつかショッピングなど。
ヘルシンキでも多分一番大きいストックマンデパートは、相変わらず構造がよく分からない。迷子になる。

(左)日本でも有名なmarimekko。日本人客が、無断で店内の商品を撮影していたらしく、店員に注意されていた。
(右)オープンカフェをよく見かける。この寒いのに、何を好んでわざわざ外でお茶するのだろう(まだ手袋なしではとても手を露出していられないレベルだ)。コーヒーもすぐ冷めそう。