Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

ベルリン2

2010-01-04 | 東ドイツの旅
ー余は(中略)この欧羅巴(ヨオロツパ)の新大都の中央に立てり。

とは、自伝的作品とも言われる小説「舞姫」にて、森鴎外が、主人公の豊大郎に言わしめた言葉。鴎外は、陸軍軍医として、1884~88年にドイツに留学。そのうちのある時期をベルリンで過ごし、その際の下宿先アパートの一画が、森鴎外記念館というものになっている。ちょっと足を運んでみた。新年第一号の客だったようで、管理人の日本人のおばさんが丁寧に迎えてくれた。
ロンドンの漱石記念館と、似たような感想。自分も留学生の端くれであるからこそ、色々と感じるものがあった。とりわけ当時の知識階級で留学経験のある人たちは、国家主義的な風潮にあって、西洋に出てそこで「本場」の自由とか個人主義とかいう概念に触れ、そのことにより生じる葛藤と格闘する。結局、「こころ」も「舞姫」も、恋愛小説のように見えて、主題はそこにあるのだと、自分は読む。
まぁでも、自分は漱石の方に親近感を覚える。鴎外は、なんだかそれでもばりばり仕事をこなすスーパーエリートのような感じ。何にせよ、ベルリンで、このような偉大な先達の足跡を垣間見ることができたのは、とても有意義であった。ところで、地元の人たちによる書道展も合わせて開催されていた。達筆だった。
ちなみに、右の写真は、小説で豊大郎が、やがて恋に落ちることになる美少女エリスと出会う、マリエン教会。

  

ほとんど毎晩、肉とビール。せっかくなので、色々と地元の料理を試してみた。大きめのミートボール、ケーニヒスベルガー(左)はとてもおいしかったのだけど、豚足を煮込んだものでベルリン名物だとかいうアイスバイン(右)は、ほとんどのものをおいしく食べられる自分にも、正直ちょっときつかった。量もかなりすごいんだけど、独特の匂いが無理。
ビールはうまかった。一日平均、一リットルくらい飲んだかも。ドイツ人は、年間当たり、平均百リットル以上のビールを消費するそうだ。毎日一缶の計算ですね。

 

ちなみに、ドイツではよく見かける、NORDSEEという魚料理のファストフード店が、結構気に入っている。前にドイツとオーストリアを旅行したときにも利用した。ファストフードと言うにはちょっと値が張るが、肉ばかりで飽きてしまったときに、手軽においしい魚料理が食べられるのはありがたい。
旅行では、カフェめぐりも楽しみの一つ。少なくとも今回自分が口にしたものでは、どれも甘さ控えめのお菓子で、とてもおいしかった。スタバとかそういうところには、あまり行かない。そう言えば、ベルリンではやたらダンキンドーナツを見たけど、流行っているのだろうか。



結局、旅先でおいしいものを口にしている瞬間が、一番幸せ。

滞在中のベルリンは、かなり寒かった。といっても、マイナス五度くらい。普段はこんなに寒くないんだけどねぇ、と言われて、ノープロブレムだよフィンランドから来たから、と応えると、あ、じゃあ大丈夫だね、と言われるのが面白かった。雪景色もなかなかきれいだ。

 

今回、にわか仕込みの旅行用ドイツ語会話をほんの少し勉強していった。挨拶プラスαだけど、一見無愛想なおばちゃんが急に愛想良くなったり、それだけでも結構楽しかった。
Bier, bitte. Wein, bitte. Danke schön! Auf Wiedersehen!

夜の飛行機でヘルシンキへ。フィンランドに「帰る」のも、これで最後。

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1 コメント

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ベルリン料理 (imk)
2012-01-22 12:20:16
突然すみません。ベルリンのベルリン料理レストランを検索していて辿り着きました。
写真のケーニスベルガークロプセとアイスバインのレストランの名前は分かるでしょうか?場所がどこの近くというのでも構いません。
宜しくお願い致します。
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