Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

フィンランド大使館へ―滞在許可申請

2009-02-16 | 留学準備
滞在許可申請のため、麻布にあるフィンランド大使館へ行ってきました。



この一帯は各国の大使館が密集しており、ふらふら散策しながら見比べると、国ごとの文化、財力、日本との関わり合いなんかが垣間見えるようにも見えます。フィンランド大使館はと言うと、広い敷地をゆったりと使い、物々しい警備もなく、気のせいかどこか国柄的な要素が現れているように思いました(近くにあった厳重な警備下の韓国大使館とは対照的)。

受付までは日本語対応だったのですが、肝心の滞在許可申請手続きをして下さったのはフィンランド人の担当者。ということで、やり取りは全て英語でした。日本語話せそうな雰囲気の人でしたけど。言語レベルでのスクリーニングも兼ねていたりするのでしょうか。
まぁとにかく、必要書類は全部準備して行ったので基本的には問題なかったようです。


滞在許可に関する情報(記事執筆時点で)をここにまとめておきます(詳細はフィンランド大使館のページでご確認下さい)。

フィンランドに90日以上滞在するには滞在許可が必要となります。留学の場合には学生用の書式があります。
膨大な書類が必要なので、かなり前もって準備しておく必要があります。欲しいと思ってすぐに手に入るものではない、という意味で特に注意を要するのは、
・留学先からの受入れ許可通知
・海外で有効な医療保険の契約証明書
・英語かフィンランド語の語学能力証明書(TOEFL等)
あたりでしょうか。
あとは、留学の場合、nヶ月の滞在で500×nユーロの預金残高証明または定期的な収入(奨学金可)があることの証明が必要。

留学の場合、申請料として100ユーロを申請時のレートで日本円払いです(今日の時点で12,000円)。円高の恩恵で半年前と比べればだいぶ安くなったと言えるのでしょうか、大きな出費であることには変わりありませんが。審査には通常45日かかるそうです。

そんなわけで、私のパスポートは一足先にフィンランドへ旅立たれました。滞在許可の査証を付されて戻って来るそうです。

学振DCと留学

2009-02-15 | 留学準備
今回、留学手続きを進めている最中に、日本学術振興会(学振)の特別研究員(DC)の採用内定通知を頂いたのですが、実は、一般に特別研究員の「留学」は認められていません。そのため、留学手続きとの兼ね合いで少なからず問題が生じました(そもそも何も知らずに留学計画を立てていたことが問題だったわけだけど)。結果的にはうまく両立できましたが、あまりない例だと思われますので、その経緯を記しておきます。


学振の制度上、海外の大学院に学籍を置く留学は原則認められません。この点ですでに、exchange studentとしての身分との齟齬が生じます。こちらの不手際とは言え、このことを知った時点である程度留学の準備を進めてしまっていたので、何とか双方をうまく両立させられないものかと学振の担当者と相談。原則認められず、というからには然るべき条件を満たせば例外的措置も可能なのでしょうか。
まず、学位取得のための留学、これは絶対にNG。ここから派生して、単位取得もNG。海外の大学院で取得した単位を日本の大学に持ち帰って学位取得の要件に含めることも×。あくまで国内の機関での研究者養成というポリシーを貫くためであるようです。
ということは、単位を取得しなければOKなのでしょうか。ところが、取得の意志はなくとも、取得可能である状態に身を置くこと自体がまずいとのこと。派遣交換留学は、学位取得は不可能ですが、単位取得は可能という協定なので、ここでどうしても引っかかってしまうわけです。

一方で、研究の必要上の海外渡航は認められています(当然ですが)。しかし、これも一ヶ月以上の長期にわたる場合には所定の手続きが必要となり、その際認められる渡航目的としては、(1)研究指導の委託、(2)研究遂行、の二つ。逆に言えば、このいずれかの目的以外の長期海外渡航は許可されません。

結論を言うと、ここでは、
1. ヘルシンキ工科大学(留学先)←単位取得が不可能であるように予め制約を課してもらうよう要請
2. 学振←研究指導の委託での海外渡航許可を申請
という合わせ技で切り抜けました。というか、頭を下げて、これで勘弁してもらいました。例外的措置だと念を押されましたが、留学のお墨付きを頂くことができたわけです。感謝。


やはり留学の計画段階では、あらゆる可能性について調べておくことは重要だと思った次第です。

留学決定まで

2009-02-12 | 留学準備
今回の留学は、大学の派遣交歓留学の制度を利用しました。より正確には二者間授業料不徴収協定によるもので、これは日本の大学に授業料を納めてさえいれば、あとは一切の学費が不要というもの。

この制度では大学ごとに定員が決まっています。欧米の有名大学、奨学金の出る大学などは人気みたい。ヘルシンキ工科大学は、近年の北欧ブーム(?)や、フィンランド政府から高額の奨学金が支給される(可能性がある)ことから比較的人気の模様。

留学決定までの大まかな流れ:
(1)学内推薦の獲得(=留学希望先への出願資格)。
(2)希望先大学へ出願。学内推薦があれば不受理となることは稀のよう(ただし公式な受理通知がないとビザ申請などの手続に移れない)。


以下、私的な経緯のメモ。

2008年

(4月)
留学でもしようかな~と、まったり考える。
留学先候補や時期について、指導教官や大学の留学担当とまったり相談。

(8月)
志望をヘルシンキ工科大学に決定。先方の教員にメールでコンタクトを取り、留学の可能性について承諾を得る。
TOEFL受験。
学内出願。提出書類が多く早めの準備が必要。

(9月)
学内選考会(面接)。一部英語での受け答えあり。

(10月)
学内推薦獲得の通知。上記の通りこの時点で事実上、留学決定。

(11月)
TOEFLのスコアが少し足りず、英語の先生に一筆書いてもらう。
ヘルシンキ工科大学へ正式出願。これまた提出書類が膨大、しかも英語なので準備が大変。

2009年

(1月)
ヘルシンキ工科大学より受理通知。


通常、学期の開始に合わせて9月からの留学であれば年明けの出願でも十分間に合うが、今回は4月開始ということで若干慌ただしい準備となってしまいました。しかし、英語で履歴書を作成したことなど初めての経験も多く、なかなか勉強になりました。

自己紹介&このブログについて

2009-02-12 | 自己紹介
1. 自己紹介

某国立大大学院の博士後期課程に在籍。大学の派遣交歓留学制度を利用して、ヘルシンキ工科大学へ9ヶ月間(2009年4月~12月)留学します。

専攻:
ゲーム理論、意思決定論。大きなくくりで言えば、経済学、経営工学などでしょうか。面倒なときは「数学」と答えていますが。

フィンランドとのつながり:
2008年3月、ある短期留学プログラムで三週間ほどヘルシンキに滞在。近年日本でも話題のフィンランドの産学官連携の様子に関して、色々とリサーチしてきました。公私とも非常に充実した滞在で、もっとよくフィンランドを知りたいと思ったことも、今回の留学を決めた要因の一つです。

趣味:
音楽(チェロ、ピアノ)、読書、旅行、哲学(≒妄想)、昼寝。


2. このブログについて

このブログの目的は主に下記三点。更新は不定期。

・生存報告 → 誰にというわけでもなく。
・備忘録、メモ → 自分向け。
・情報発信(留学とかフィンランド関連) → なんか興味がありそうな人向け(いれば)。

ちなみに、タイトルのAnteeksiはフィンランド語で「すみません(excuse me)」を意味する言葉です。「かもめ食堂」でも小林聡美さんがよく使っていました。

気軽にコメント、メール下さい。


以上、よろしくご愛顧下さいませ。
かしこ。