Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

サンクトペテルブルク2

2009-10-31 | サンクトペテルブルク
エルミタージュ美術館。学生証を見せると、なんと無料。

元々は、歴代皇帝の住まいであった宮殿に、ヨーロッパ芸術のコレクションを始めたのが起源らしい。三時間ほどうろうろしていたけれど、それでも駆け足で、回れなかった区画もあった。個人的には、モネ、ルノワールあたりの絵画が揃う、フランス印象派の一画がとても良かった。イタリアのルネサンス芸術もなかなか充実。一方、地元ロシアの芸術に関しては、丸ごと別のロシア美術館というところにあるらしく、ここでは拝む事ができなかった。
この半年ほどの間に、ヨーロッパの色んな街で美術館に足を運んでみて、国や時代ごとの違いがとてもよく分かるようになった。実際にその街を歩いてみての印象や、あるいはその国の音楽から受ける印象などを重ねてみると、制作者個人の差だけでなく、文化間の差が明確に読み取れて、なかなか面白い。要するに、その時代、その国の人々が、何をもって美的な価値を認めたのか、そういうことを知る手がかりを与えてくれている。まぁこれは、この留学生活の一つの副産物。

  

ロシア名物、ペリメニ。ラビオリ、というか平たく言えば餃子のような感じ。ポーランドのピエロギとも関係あるらしい。この辺りは、起源としては全部つながっているのだろうか。



二日続けて、マリインスキー劇場。この日はオペラで、演目はヴェルディの「ファルスタッフ」。ヴェルディ最後の作品らしい。
プログラムを読んで粗筋は分かったけれど、英語字幕がなく、台詞は全く分からなかった。コミカルな内容で、変な衣装や、小技の利いた喜劇的な演出も面白かった。

フィンランドでもマリインスキーの演奏を二回聞いたので、この一年だけで四回目。
しかし思うに、自分はやっぱり純粋音楽の方が好みなのかもしれない。でも、オペラやバレエももうちょっと開拓してみようと思う。


サンクトペテルブルクの夜景。とても美しく、詩的な感じ。
けれど、話に聞いていた通り、決して治安は良くはないかもしれない。人通りの多い大通りを歩いて帰ったのに、何人にも声をかけられた(多分、金出せ、とか)。一緒にいった友人は、危うくジプシーの子供たちにすられる寸前だった。まぁ被害は無かったので、何より。

  

サンクトペテルブルク1

2009-10-30 | サンクトペテルブルク
サンクトペテルブルク三日間の旅。三回に分けて振り返ってみます。

行きは夜行バスを利用。ヘルシンキを夜11時に出発し、翌朝7時頃(時差1時間あり)に到着。自分はどうも夜行バスというのが苦手で、ほとんど眠れた試しがないのだけど、今回も同様。まぁでも、片道34ユーロは安い気がする。
途中、出国と入国のそれぞれで、バスから一旦降ろされ、審査、手続きがあった。予想していたよりは、簡素なもの。ビザさえ取得すれば、割合気軽に旅行できる国かもしれない。

国境を越えても、基本的にはひたすらフィンランドの田舎のような風景。森の中をまっすぐ走る一本道を進む。街灯りがほとんど無く、きれいな星空がとてもよく見える。
でも、この辺りだって、元々はフィンランドの土地だったんだよなぁ、と考える。やはりどうも感情的にフィンランドに肩入れし勝ちで、強大な支配者としてのロシア、というイメージが一つ、基本的なものとしてあるわけだけど、実際にそのロシアに今度は足を踏み入れてみる。何か印象を変えるもの、あるいは逆にそれを強く裏付けるものがあるだろうか。いずれにせよ、胸が高鳴る。
一転、市街地に入ると、目に入るのはキリル文字の看板、標識の数々。おぉ、いよいよ来たなぁ、という感じ。



到着した時間はまだ真っ暗。そして寒い。多分、氷点下だろう。
とりあえず、バス乗り場の側にあったマクドナルドで朝マック。英語メニューがあったので、注文は何とかなった。

他のヨーロッパの国(フィンランド含め)では、言語は違えど、基本的に文字は共有されているから、遠からず発音はできる。その点、ロシア語はお手上げ。日本に来る外国人の気持ちとは、こういうものかもしれない。
この旅の間、暇を見てはキリル文字の読み方を覚えようとしてみた。終わりの方には、何とか読めるようになった。すると、ちょっと面白い。
例えば、下の写真の看板、「стоп」「ресторан」「Ситибанк」は、それぞれ英語表記にすると「stop」「restoran(レストラン)」「citibank」。二つ目なんか、普通に読めば「ペクトパー」なんて読んでしまいそうだけど、ロシア語では、「P」「C」「H」はそれぞれ英語の「R」「S」「N」の発音になる。意外と、ごく日常に使われる英語由来の外来語も結構多いのかなと思った。

  

一日目は、一緒に行った友人の知り合いのロシア人の女の子が、街を案内してくれた。諸々のサバイバル手段を教えてくれたり、観光ポイントでは歴史的背景などガイドしてくれたり、とても助かった。そして何より、自分にとっては初めてロシア人と接する貴重な機会でもあった。

政治的には、現代でさえ一体どこへ向かおうとしているのか、全く考えの読めない国ではある。けれど、一方で例えばチャイコフスキーやラフマニノフの音楽というものを考えたときに、このような情熱的な音楽を文化と認め、確立してきた人々であるのだから、感情的にとても豊かなものを秘めている人たちなんだろう、という想像は働く。
とりあえず、この短い滞在で抱いた限りの印象では、この想像はそれほど間違っていないのではないかという気がする。

どこかをじっくり見るというより、色々歩き回ったという感じ。おかげで、すっかり目がキリル文字に慣れてきた。

とは言っても、ヘルシンキから車をたった数時間走らせたところで、これほどに違う世界が広がっているということには、やはり驚きを抑えられない。
サンクトペテルブルクは、元々、ヨーロッパを模して造られた人工的な都市。ではあるけれど、そこに埋め込まれている人々の顔立ちや雰囲気、言語、それに宗教関係の建物なんかを見るに、そう思わずにいられない。

  

お昼ご飯、ロシアと言えばこれ、ボルシチ。



街を歩いていてびっくりしたことの一つに、日本料理の店、特に寿司屋がやたら多い。メインのネフスキー通りには、大げさでなく、一ブロックに一つ、寿司屋がある。とても流行っているらしい。
その内の一つで夕食。日本を発って以来の寿司。競争がある分、レベルも洗練されるのか、これまでに海外で行ったことのある(ほとんど行くことないけど)日本料理のお店の中で、一番おいしかった。

 

マリインスキー劇場にてバレエ鑑賞。

本格バレエ鑑賞は、先週の白鳥の湖に続いて二回目だけど、今回は、元々バレエ音楽ではないものに後から踊りをつけたものらしかった。音楽自体はよく知っている、メンデルスゾーンのシンフォニー、ショパンのピアノ曲。ストーリーを気にしなくていい分、初めて純粋なバレエの楽しみ方がちょっと分かった気がする。
音楽は手放しに素晴らしかった。不覚にも、寝不足がたたって、少し寝落ち。
それに、劇場の雰囲気。そして、やっぱりロシア人はスタイルが良く、美しく、バレエも映える。ずるい。

 

サルミアッキ

2009-10-29 | 日常/思索
が、諸事情あり、今うちに100箱もあります。ちょっと圧巻。



二週間ほど前に、珍獣ハンターとかいうテレビ番組?でイモトという人がフィンランドに来て、サルミアッキを、世界一まずい飴、として紹介していたそうです。日本でも少し有名になったかもしれない。


明日から三日ほどロシアに行ってきます。
他のヨーロッパの国に出かけると言うと、みんな、いいね、とか言ってくれるのに、なぜかロシアに行くというと、Be careful、と言われたりする。一体何があるというのか。何がないのか。
一週間ほど更新がなかったら、彼の地で何かがあったのだと思って下さい。それでは。

白鳥の湖

2009-10-27 | 音楽
オペラ劇場で、バレエを見てきた。実は、人生初の本格バレエ鑑賞。
演目は、お馴染み、「白鳥の湖」。

と言っても、粗筋をほとんど全く知らない。そして、予習もして行かなかったら、さっぱり筋が追えなかった。その点、オペラは言葉があるからどうにか楽しめる。
ただ、何だかよく分からないけれど、終盤の盛り上がりは凄まじく、ものすごく悲劇的な結末だったということは理解できた。帰宅してウィキペディアでストーリーを確認。なるほど。

まぁ別に筋が分からなくても、音楽と踊り、聴覚と視覚とで色々と楽しめる。この前見に行った、フィギュアスケートみたいなものだと思った。
そしてやっぱり、「白鳥の湖」は、素晴らしい曲だなぁ。チャイコフスキーの、メロディメーカーとしてのセンスが炸裂している。

以上。とりあえず、素人の初体験感想文でした。

今週は、そのチャイコフスキー大先生のお墓参りに行く予定。
ちなみに、確か白鳥の湖のモデルとなった、というか、そこでチャイコフスキーがこのバレエ音楽の構想を練ったと言われる湖が、タリンの近くにあると聞いた。

夏の終わり

2009-10-25 | 日常/思索
気付いたら、サマータイムが終了していた。
なんでだか、勝手に10月31日に切り替わると勘違いしていたら、10月最終日曜とのこと。PCに表示される時計が、腕時計より1時間遅れているのを見て気が付きました。なんだかちょっと得した気分。というわけで、日本との時差は7時間に。
でもこれって、日が沈む時刻が1時間早まったわけだから、急激に陰鬱の日々に突入したということにもなりそう。たぶん、もう夕方の5時頃には真っ暗になりそう。最近、フィンランドの人々が、白夜に近い夏のうちに陽を浴び溜めておく気持ちが、ちょっと分かってきた。太陽が恋しい。


冷蔵庫

2009-10-24 | 日常/思索
天然冷蔵庫。研究室の窓の外。
おかげで、買い物後直帰しなくても大丈夫。でもこの前、肉を外に置いておいたら、危うく鳥に食われそうになっていた。
もうすぐ天然冷凍庫になるのだろうか。


エスポー・ピアノ祭2

2009-10-23 | 音楽
昨日に続いて、タピオラにコンサートを聴きに行ってきた。なんと客席で大学の先生に遭遇。

今日は、フィンランド放送交響楽団(RSO)と、ピョートル・アンデルジェフスキというポーランド人ピアニストの共演。

Sakari Oramo
Pjotr Anderszewski, piano
Finnish Radio Symphony Orchestra, orchestra

Ludwig van Beethoven: Symphony No. 3 “Eroica”
W. A. Mozart: Piano Concerto No. 17 G Major KV453
François-Joseph Gossec: Le Triomphe de la République, Suite

RSOを聴くのは、三回目くらいだったかな、やっぱり、昨日のタピオラシンフォニエッタより断然レベルが高い。たぶん、ヘルシンキ近辺を拠点とするオケでは、一番良い演奏を聞かせてくれるんじゃないだろうか。
それにしても、何とも爽やかな英雄、という感想。フィンランドのオケがベートーヴェンやるとこういう風になるらしい。悪いという意味でなく、これはこれでとても良かった。爽快、壮快。でもやっぱり、もうちょっとソーセージとビールの匂いが欲しい。
モーツァルトも大変素晴らしかった。2楽章なんか、天国が見えた気さえする。しかしあのピアニスト、悦に入ると歌い出す癖があるようだった。せっかくこちらも天国への階段を昇りかけているところを一気に引きずり降ろされるわけだから、どう好意的に捉えても、雑音。もったいない。

エスポー・ピアノ祭

2009-10-22 | 音楽
というのをやっている。今週いっぱいくらいかけて、国内外の著名なピアニストを招いて、毎日そこかしこでコンサートを開いているらしい。

ちなみにエスポー市は、自分の住んでいるところ。
ヘルシンキ市ではありません。ヘルシンキ工科大学も、エスポーにあります。

今日は、うちから自転車で10分くらいのタピオラというところで、ここを拠点にするタピオラ・シンフォニエッタというオーケストラの演奏会を見てきた。

Jean-Jacques Kantorow, conductor
Pierre-Alain Volondat, piano
Tapiola Sinfonietta, orchestra

Liszt: Piano Concertos No. 1 Eb Major & No. 2 A Major
Weber: Overtures from Abu Hassan & Silvana

うちから一番近くにあるオーケストラなのに、何気に初めて聴いた。タピオラに、こんな素敵なオーケストラがあったとは。
そして何と言っても、立て続けにリストのコンチェルトを二曲、弾ききったソリストにブラボー。

サランラップ

2009-10-17 | 社会/文化
最近ネタ切れ気味なので、もはや慣れきってしまったけど、フィンランドに来た最初の頃はとても驚いた、そんなことを紹介してみようと思う。
(というか、ネタ切れなのは、新鮮だったことがもはや新鮮でなくなってしまったからかな)

フィンランドのギザギザはやる気が無い。

これは、例えば、食べ物の包装などの話。一応、ギザギザらしきものがついているんだけど、ギザギザというには、緩い。つまり、波状のようになっていて、そこから袋を開けようとしても、まず無理。料理中で手が濡れているときなどは、袋を両側に引っ張って開くのもできないので、よく困らされた。結局、鋏やナイフを使って開ける。
日本製品のように、そこからさくっと開ける鋭いギザギザ、それから、よくある「こちら側のどこからでも開けられます」ていうあれは、基本的に無い。やっぱりこういう点、日本のものは、本当にかゆいところにも手が届くというか、きめ細かい。

それから、サランラップ。これまた切れない。もう切るというより、ちぎる感じ。
悪戦苦闘のあと。



海外暮らしの人に、日本のサランラップをお土産に持って行くと喜ばれるという話を聞く。確か、パリ在住の中村江里子さんもテレビでそんなことを言っていたとか。

ちょうど、イメージを伝えるのにふさわしい動画を見つけた。こちら
これはロシアのサランラップらしいけれど、まぁ状況は同じです。

オペラ

2009-10-15 | 音楽
ヘルシンキのオペラ劇場に、オペラを見に行って来た。そのうち行こうと思いつつ半年経過、やっと実現。
フィンランド語でオペラはooppera、オーッペラ。

演目は、ヴェルディの「リゴレット」。名前しか知らなかったが、かなり分かりやすいストーリーだった。理解が正しければ、要は、うぶな女の子がチャラ男に騙されてかわいそう、てことだと思う。たぶん。でも、その女の子は、それを幸せだと思って死んでしまう。そのあたり、愛って何だろう、みたいな文学的なテーマが隠れているのかもしれない。原作はヴィクトル・ユゴーらしいし。

聞き覚えのあるアリアがあった。これ
Wikipediaによれば、このオペラがヴェネツィアで初演された際、公演後には街中の人々がこの歌を口ずさんでいた、という逸話があるそうだ。その真偽はともかく、今日も、終演後にバス停に向かって歩いていたら、目の前の中年男性二人組が、寒空に向かって、高らかにこの一節を歌い上げていた。

やっぱりオペラは良い。このところ、論文書きで脳が煮詰まり気味だったので、素晴らしいリフレッシュになった。
この時期、ほぼ毎日のように何かやっているので、これからも週に一度くらいの贅沢と思って足を運ぼうかな。うちからバス一本だし。
贅沢、と言っても、10数ユーロで、それなりの席が取れる。フィンランドは物価高いけど、ありがたいことに、こと文化鑑賞に関しては、敷居が低い。
それにしても、チケットのチェックが一切なかったのだけど、どうなっているんだろう。気付かずに通り抜けてしまったか。

 

語学系SNS

2009-10-14 | フィンランド語
自分が使っているのを紹介。

1. lang-8
外国語で文章を書くと、ネイティブの人が添削してくれる。多言語対応。ライティングの練習に。

2. smart.fm
勉強のための素材と、「効率的にそれらを習得するための」アプリケーションが揃っている。多言語対応。語彙強化に。

3. yappr
字幕付きの動画が多数アップされている。リスニングの練習に。英語のみ。最近、有料になった?

2, 3は、素材が置いてあるので各自で勉強してね、という感じだけど、そういう意味では、1は実際にそのネットワークに参加しているネイティブの人との交流なので、SNSらしい、と言えるかもしれない。

例えば、早速フィンランド語でこんな自己紹介文を書いたら、

Terve! Minä olen eski. Minun oikea nimi on Yasuo. Olen japanilainen tokiosta, mutta nyt asun Espoossa suomessa koska opiskelen siella. Opiskelen suomea vähän mutta se on tosi vaikea ja minä en puhu hyvin vielä. Haluan puhua suomea hyvin. Minä soitan selloa ja pianoa. Joskus soitan selloa Helsingin orkesterin kanssa. Kaikki siella ovat oikein kiva. Tietysti pidän saunasta. Kiitos heihei.

こんな感じで、誰かがすぐに添削してくれた。

Minun oikea nimi on Yasuo.
→Minun oikea nimeni on Yasuo.

Olen japanilainen tokiosta, mutta nyt asun Espoossa suomessa koska opiskelen siella.
→Olen japanilainen Tokiosta, mutta nyt asun Espoossa Suomessa koska opiskelen siellä.

Opiskelen suomea vähän mutta se on tosi vaikea ja minä en puhu hyvin vielä.
→Opiskelen suomea vähän mutta se on tosi vaikeaa ja minä en puhu hyvin vielä.

Kaikki siella ovat oikein kiva.
→Kaikki siellä ovat oikein kivoja.

Moi eski! Kirjoitat suomea jo tosi hyvin!

というわけで、これはなかなか面白いです。もちろん、英語の文章も添削してもらえる。そして、自分も暇でかつ気が向いたら、誰かの日本語を直してあげる。便利な世の中。

騒音問題その後

2009-10-13 | 日常/思索
前置き

最近、夜、静かになった。
夜の静けさ、耳栓なしでぐっすり眠れることが、こんなにありがたいなんて、もう本当に大げさでなく、楽園の到来を見た思い。それほど病んでいたんだなと思う。

ここのところ、隣人と顔を合わせては、この騒音の話題だった。もっとも、同じ悩みを共有している人が他にもいるということには、多少救われる。
自分は、まだオフィスに逃げ込めるからましだったようだ。他の人たちは、目の下にくまができていたりして、見るからにかなり参っている様子だった。

そこで先週、彼らにも声をかけて、建物を管理しているTKYという組織に、一斉に抗議した。TKYの人たちも、やっと重い腰を上げて、クラブの人物に厳重注意してくれたようで、一応はそれが効いたことになるのか。とすれば、これはなんだか市民運動的な快感であり、自分もまだまだ若いのかもしれない、と思った。

でも、運動と言っても、その主張はごく単純で、要は「大多数の穏やかに暮らしたいと思っている住民の安心・安全よりも、一部の非倫理的な輩の快楽が優先されてしまっているこの現状ってどうなんですか」ということだ。
最近知ったことに、過去にこの騒音に耐えきれず、高いお金を払ってよそに引っ越すことを余儀なくされた留学生もいたらしい。本当に理不尽な話だと思う。もちろん、第一に非難されるべきはそのクラブの人たちなんだけど、TKYの管理責任というのもあるだろう。

そう言えば、オケの人たちと、みんないつもどこで楽器弾いてるの、という話になったときに、寮の自分の部屋で弾いている、という人が多く、でも近所迷惑とかにならない?と聞くと、迷惑だったら文句を言ってくるはずだから、それがないってことは大丈夫だと思ってる、と言っていたが、さすがになんかちょっと違うんじゃないかと思った。

まぁ何にせよ、とりあえずのところは結果オーライ。

日本食の会

2009-10-12 | 大学
なんと、オタニエミでは、早くも初雪が観測されました。

最近の気候は、東京の一年で一番寒いとき、くらいのイメージ。なので、我慢できないほど寒いというわけでもないけど、しっかり着込んでおかないと、すぐに体が冷えて、風邪ひきそう。
フィンランドのバスが比較的時間に正確なのは、冬に長時間バスを待っていると凍死してしまうからじゃないだろうか。この頃は、バスに乗るときには時間を予め調べておいて、待たなくてすむように出かける。生活の知恵。

ところで、昨日(11日)は誕生日だった。
だからというわけではないけど、日本人、フィンランド人の友人たちと、うちでご飯を作って食べた。

実は、先月の初めに新しく留学に来た人たちと一緒にお好み焼きパーティをしたのがきっかけで、その後も大体週に一度、当番持ち回りで日本食の会を開いている。ちょっとしたお料理サークルみたいな感じで、日本食を食べられるのと、料理を覚えられるのと、日本語を話せるのと、まぁ色々な点でありがたい。これまでに作ったのは、お好み焼きの他に、焼きそば、餃子、親子丼、ちらし寿司、肉じゃが、など。東京館(日本食材店)や、中華系の食材店に行けば、それなりに色んなものが揃う。
で、今日はたまたま自分が当番だったので、シーフードパエリアを作ってみた。パエリアは日本料理じゃないことに途中で気付いたが、日本のお米を使ったからよしとしよう。

誕生日祝いに、サルミアッキウォッカをもらった。噂に聞いていたけど、これは、強烈。

 

フィギュアスケート

2009-10-11 | イベント
フィンランディア・トロフィーというフィギュアスケートの大会が近くで行われていたので、見に行って来た。

世界レベルの選手が集う、それなりに大きな大会らしい。日本人の出場者もいて、昨日の男子では高橋とかいう人が優勝し、日本でもそこそこニュースになっていたとか。
今日はペアと、女子のフリー。

ここまでの記述でもお分かりの通り、この方面の事情には全く疎いのだけど、それでも、一度フィギュアを生で見てみたいというのは、結構昔から思っていた。入場料15ユーロ。日本だともっと高いのかな。

で、思ったのは、これってやっぱり、スポーツ観戦というより、もはや芸術鑑賞の視点になっているなぁと。というか、自分は競技としてのフィギュアスケートの理屈は全くよく分からないから(どういう技をどのように繰り出せばポイントになるとか)、直観的な美観に訴えてくるものでしか良し悪しを判断できないわけだ。しなやかさとか、キレ、繊細さと大胆さ、それに音楽との相乗効果。あえて言語化するなら、そういった要素か。表現力、とまとめてもいいのかな。以下は、そういう意味でのきわめて主観的なコメント。

日本勢の中では、やっぱり村主が素晴らしかった。ただジャンプのミスが目立ったのが残念。たしか結果的に7位くらいだったか。
武田奈也ちゃんて子はなかなか可愛いな。競技場の裏でばったり会って、そう思った。今後に期待。
フィンランドは、フィギュアのレベルはかなり高いのだろうか。特に、キーラ・コルピ、ラウラ・レピスト、この二人は、個人的には、今日の出場者の中で群を抜いて良かったと思う(優勝は別の人で、この二人は、2位、3位だったが)。

話が飛ぶけど、キーラ・コルピという選手は、普段はフィンランドの大学でビジネスを勉強しているらしい。一応言っておくと、これは、日本のスポーツ少年・少女が、私立の名門に推薦で入れてもらうのとは、訳が違うようだ。
北欧のスポーツ選手って、オリンピック級の選手でも、医者だったり企業経営者だったり、普通に二足のわらじを両立させているという話をちらほら聞く。なんか、社会構造というか、社会規範のようなものが日本とは違うんだろうな、やっぱり。

話を戻すと、自分はこのキーラのファンになりました。今後も要チェック。

大満足。良い音楽を聞けた後のような、いいもの見た、という気分。
ただし、寒かった。もっとしっかり着込んで行くべきもののようです。

 

ボランティアコンサート

2009-10-10 | 音楽
あちこちで国旗が掲揚されていたけど、今日はアレクシス・キヴィとかいう文豪の誕生日らしい。



Helsingin Työväen Orkestriの皆さんと、ヘルシンキ市内の老人ホームのような施設にてボランティアコンサートをしてきた。
有名無名、短い小品を7, 8曲ほど。三日前に楽譜を渡され、焦って譜読み。まぁほとんど伴奏で簡単な曲ばかりだったけれど。アンコールで弾いた音楽、「Kesäilta」(夏の夜?)とかいう曲は、よく知られているのか、とても好評だった。軽妙なトークも織り交ぜられ(何言ってるのか全然分からないけど)、楽しげなイベントでした。

終演後のコーヒータイムにもらったカレリアパイがとてもおいしかった。こういう「ちゃんとした」カレリアパイは、どこに売っているんだろう。

オケの皆さんの中には、英語がほとんど、あるいは全く通じない人も少なからずいるのだけど、そういう状況でも一つの音楽を一緒に演奏して、聞いて下さっている方から暖かい拍手を頂いて、まぁ一応それなりに成り立っているというのは、よくよく考えたらなかなかすごいことだなと思った。
でもやっぱりフィンランド語ももうちょっと勉強しようかな。