フィンランドにいる間に一度は、と思っていた、ピアニスト館野泉さんの演奏をライブで聞く機会があった。
(館野さんをご存知ない方はこちらでもどうぞ)
テンペリアウキオ教会での、オーケストラのコンサート。ここでチェロを弾いたのはもう一月半も前か。早いような、そうでもないような。
観客の1, 2割は日本人だった。こんなにたくさんの日本人を久しぶりに見た。大使館のメルマガで宣伝していたからか(まぁ自分もそれで知ったんだけど)。
チケットには長蛇の列。もちろん地元の人にも相当愛されている様子が伺える。
オーケストラ/La Tempesta 指揮/Erkki Rautio ピアノ/館野泉
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
シベリウス:即興曲
吉松隆:左手のためのピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」
武満徹:映画のための作品から3曲
シベリウス:ロマンス
ノルドグレン:民俗楽師の肖像
このオケは、多分プロフェッショナルな団体なんだろうけど、フィンランド人の曲と日本人の曲とでは、まるで別のオケのようだった。言わずもがな、前者の方が圧倒的に生き生きした音楽、清々しさと躍動感があり、響きもよくまとまっている。一方、日本人二氏の曲は、なんだかよく分からない曲を弾かされているような雰囲気しか漂っていなかった。
そのうちの一つに館野氏がソリストとして登場したのだったから、この点はちょっと残念だったけど、それでも氏の演奏には、素直に人を感動させるものがあると思った。くっきりと一つの世界観を構築する。瑞々しい。日本の梅雨のじめじめより、マイナスイオンに包まれたフィンランドの湖畔にて。勝手ながら、そんな想像。
もっと長い間、このピアノの音色に浸っていたかったけれど、今日は一曲のみ。また機会があれば是非足を運びたい。
実は今日、ひじょーーーーーーに不愉快な出来事があったのだけど、すっかり癒された。
オケをちょっとぼろくそのように書いたけど、フィンランド人作曲家の4曲はどれもそれぞれに面白かった。知らない曲でも、良い曲がたくさんある。
余談だけど、この左手のためのピアノ曲、という一つのジャンルの発生は、オーストリアのピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタインに由来すると言われる。第一次大戦で右腕を負傷した彼のために、ラヴェルやプロコフィエフなど名だたる作曲家たちが左手のみで演奏可能な曲を生み出した。名字でピンとくるかもしれないけど、パウルは、哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの兄にあたる(ルートヴィヒもアマチュアのクラリネット吹き)。
いま自分の中でウィトゲンシュタインがちょっとアツいので、ここで面白い縁を感じるのでした。それだけ。
(館野さんをご存知ない方はこちらでもどうぞ)
テンペリアウキオ教会での、オーケストラのコンサート。ここでチェロを弾いたのはもう一月半も前か。早いような、そうでもないような。
観客の1, 2割は日本人だった。こんなにたくさんの日本人を久しぶりに見た。大使館のメルマガで宣伝していたからか(まぁ自分もそれで知ったんだけど)。
チケットには長蛇の列。もちろん地元の人にも相当愛されている様子が伺える。
オーケストラ/La Tempesta 指揮/Erkki Rautio ピアノ/館野泉
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
シベリウス:即興曲
吉松隆:左手のためのピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」
武満徹:映画のための作品から3曲
シベリウス:ロマンス
ノルドグレン:民俗楽師の肖像
このオケは、多分プロフェッショナルな団体なんだろうけど、フィンランド人の曲と日本人の曲とでは、まるで別のオケのようだった。言わずもがな、前者の方が圧倒的に生き生きした音楽、清々しさと躍動感があり、響きもよくまとまっている。一方、日本人二氏の曲は、なんだかよく分からない曲を弾かされているような雰囲気しか漂っていなかった。
そのうちの一つに館野氏がソリストとして登場したのだったから、この点はちょっと残念だったけど、それでも氏の演奏には、素直に人を感動させるものがあると思った。くっきりと一つの世界観を構築する。瑞々しい。日本の梅雨のじめじめより、マイナスイオンに包まれたフィンランドの湖畔にて。勝手ながら、そんな想像。
もっと長い間、このピアノの音色に浸っていたかったけれど、今日は一曲のみ。また機会があれば是非足を運びたい。
実は今日、ひじょーーーーーーに不愉快な出来事があったのだけど、すっかり癒された。
オケをちょっとぼろくそのように書いたけど、フィンランド人作曲家の4曲はどれもそれぞれに面白かった。知らない曲でも、良い曲がたくさんある。
余談だけど、この左手のためのピアノ曲、という一つのジャンルの発生は、オーストリアのピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタインに由来すると言われる。第一次大戦で右腕を負傷した彼のために、ラヴェルやプロコフィエフなど名だたる作曲家たちが左手のみで演奏可能な曲を生み出した。名字でピンとくるかもしれないけど、パウルは、哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの兄にあたる(ルートヴィヒもアマチュアのクラリネット吹き)。
いま自分の中でウィトゲンシュタインがちょっとアツいので、ここで面白い縁を感じるのでした。それだけ。