Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

ミュンヘン

2009-07-27 | 独墺の旅
お昼のミュンヘン行き列車までやや時間があったので、観光続き。と言っても、だいたいめぼしいところは昨日までに回ってしまった。
日本美術の特別展をやっていた美術館にふらり立ち寄ってみた。この美術館の入口付近はモーツァルト広場と呼ばれ、立派な彼の銅像もある。モーツァルトと日本語。なんだか似合わないな。それにしても、この企画の日本語版ロゴ、これ自分が書いた方が上手いんじゃないかという字だった。

広重の浮世絵、歌舞伎の衣装などが展示されていた。配置や照明のセンスがとても良かった。
ここで初めて知ったことに、ザルツブルクは、我がホームタウン川崎市と、友好都市なる関係にあるらしい。音楽のまちつながり?

出口のところで、ご婦人が二人、「とても良かったわねぇ」と英語でお喋りされていたのを耳にした自分は、今思えば何を勘違いしたのか、「お気に召していただけたようで光栄です」などとつい話しかけてしまった。イギリス人だった。

 

この頃すっかり旅慣れた感が出てきたけれど、それぞれの街を去るときに、ここはもう来ることもないかな、というところと、ここにはまた来る気がする、というところに分かれる。ザルツブルクは、後者と言える。もっとも、昨日、一昨日と二つの音楽会の満足の影響するところが大きいのだけど。



そしてお昼過ぎ、再びミュンヘンに戻ってきた。

戻ってきた、とは言っても、駅の外に出るのは初めて。ここは紛れもない大都会であるが、ものの数分も歩かないうちに、途方もないカオス感を覚えた。
ミュンヘンは、人口の多さではベルリン、ハンブルクに次ぐドイツ第三の都市だが、その市民130万人のうち、4分の1が外国人だそうだ。混沌を感じた理由はこれだろう。飲食店のバリエーションの多さ、というか煩雑さ。すれ違う人々、聞こえて来る言語の多国籍性。自分は一体いまどこを歩いているんだろうという気になる。

もっとも、この中央駅近辺の繁華街から離れると、このカオスはだいぶ薄らぐ、とすぐ後に分かった。

残念なことに美術館の類いが軒並み休館日だったので、自転車を借りてぐるっと公園巡りに出かけることにした。
ヨーロッパの都市では、自転車用の通路が設けられているところをよく見るけど、ミュンヘンは特に快適にサイクリングができた。

 

ミュンヘンの市内公園の美しさと、そこに佇む人々の様子は和辻「風土」にも記述があった。その頃(昭和一桁くらい)と今とでは、何が同じで、何が違うのか。そこにある伝統とかそういうものについて、想像を掻き立てられる。平日にも関わらず、大勢がくつろいだり、スポーツに興じていたり、とにかく平和な光景。

  

  

オリンピック公園。かつて世界中の視線を集めたであろうメインスタジアムに、自分一人、という不思議。2016年東京オリンピック、悪くないかも。
以前に見た、スピルバーグの映画「ミュンヘン」を思い出した。少なくとも今では平和が凝縮されたようにすら思えるこの場所で、あのような惨劇があったわけだ。

 

街の中心。有名なマリエン広場。