「海街diary1 蝉時雨のやむ頃」 吉田秋生 小学館
彼氏と朝を迎えた佳乃の下にある知らせが届いた。それは幼い頃に母以外の女性と家を出た父が亡くなったというものだった。夜勤で葬儀に出られない姉・幸の代わりに、佳乃は妹・千佳と共に父が住んでいたという小さな町へと赴く。そこへ迎えに来たのは佳乃たちにとって異母妹にあたる「すず」という少女だった・・・
海の見える街・鎌倉を舞台に家族とはそして優しさとは何かと問いかけるストーリー
漫画好きさんの間では評価の高い吉田秋生さんの新シリーズ。
やっとこ読みました
一言でいうと「やられた」という感じ(笑)
吉田さんの描く作品は静と動のように正反対のイメージを持っていても「カルフォルニア物語」や「BANANA FISH」のようにアメリカ映画に通じそうなテイストが共通しているように思っていましたが、今回は乾いた大地に沁みこむ水のような作品ですね
冒頭「やられた」と言ったのは、個人的な話になりますが実は私も似たような家庭境遇を経て来てて、実際に異父弟妹もいたりするから・・・
登場人物である3姉妹にとっても感情移入をしてしまった訳なのです
早くに母を失い、そしてまた父を失い他人の中で暮らしていたすずを引き取り、3姉妹から、4姉妹となった香田家の姉妹ですが、それぞれのキャラから発せられるセリフが胸を打ちます・・・
「大人のするべきことを子供に肩代わりさせてはいけないと思います。
子供であることを奪われた子供ほど悲しいものはありません」
「死んでいく人とと向き合うのはとてもエネルギーのいることなの。
許容量が少ないからってそれを責めるのは酷なことなのよ」
ちょこっとね、昔を思い出しました。
理性と感情という違いもあるけど、理解をすることと、受け入れたり、許すということは別なんだよね。
そして後者の方がより難しい・・・
私にはまだ見ぬ弟妹と対面する日が来るかどうかは判らないけど、もしそのことで葛藤する日が来たら、この漫画を思い出そうと思いました。
それにしても・・・すずちゃん、いじらしすぎ
「裕也ほんとにみんなに会いたいのかなって。
あたしたちに会うの ほんとはまだつらいんじゃないかなって思ったから・・・」
苦労しているから人の心の機微がとっても判って・・・いや、しっかりし過ぎている位に他人の気持ちが判りすぎるトコロに彼女が乗り越えてきた背景が見えてね、目頭がジーンとね
今までの切ない話とはちょっと違い、このゆったりと穏やかに流れる雰囲気に吉田秋生さんの新境地をみた気分です
1と銘打っているって事はこのシリーズで2巻以降も出るって事なんでしょうけど、とっても気になる作品ですね
出来ることならあの4姉妹に幸多かれと祈りたいわ(漫画だけと・笑)
彼氏と朝を迎えた佳乃の下にある知らせが届いた。それは幼い頃に母以外の女性と家を出た父が亡くなったというものだった。夜勤で葬儀に出られない姉・幸の代わりに、佳乃は妹・千佳と共に父が住んでいたという小さな町へと赴く。そこへ迎えに来たのは佳乃たちにとって異母妹にあたる「すず」という少女だった・・・
海の見える街・鎌倉を舞台に家族とはそして優しさとは何かと問いかけるストーリー
漫画好きさんの間では評価の高い吉田秋生さんの新シリーズ。
やっとこ読みました
一言でいうと「やられた」という感じ(笑)
吉田さんの描く作品は静と動のように正反対のイメージを持っていても「カルフォルニア物語」や「BANANA FISH」のようにアメリカ映画に通じそうなテイストが共通しているように思っていましたが、今回は乾いた大地に沁みこむ水のような作品ですね
冒頭「やられた」と言ったのは、個人的な話になりますが実は私も似たような家庭境遇を経て来てて、実際に異父弟妹もいたりするから・・・
登場人物である3姉妹にとっても感情移入をしてしまった訳なのです
早くに母を失い、そしてまた父を失い他人の中で暮らしていたすずを引き取り、3姉妹から、4姉妹となった香田家の姉妹ですが、それぞれのキャラから発せられるセリフが胸を打ちます・・・
「大人のするべきことを子供に肩代わりさせてはいけないと思います。
子供であることを奪われた子供ほど悲しいものはありません」
「死んでいく人とと向き合うのはとてもエネルギーのいることなの。
許容量が少ないからってそれを責めるのは酷なことなのよ」
ちょこっとね、昔を思い出しました。
理性と感情という違いもあるけど、理解をすることと、受け入れたり、許すということは別なんだよね。
そして後者の方がより難しい・・・
私にはまだ見ぬ弟妹と対面する日が来るかどうかは判らないけど、もしそのことで葛藤する日が来たら、この漫画を思い出そうと思いました。
それにしても・・・すずちゃん、いじらしすぎ
「裕也ほんとにみんなに会いたいのかなって。
あたしたちに会うの ほんとはまだつらいんじゃないかなって思ったから・・・」
苦労しているから人の心の機微がとっても判って・・・いや、しっかりし過ぎている位に他人の気持ちが判りすぎるトコロに彼女が乗り越えてきた背景が見えてね、目頭がジーンとね
今までの切ない話とはちょっと違い、このゆったりと穏やかに流れる雰囲気に吉田秋生さんの新境地をみた気分です
1と銘打っているって事はこのシリーズで2巻以降も出るって事なんでしょうけど、とっても気になる作品ですね
出来ることならあの4姉妹に幸多かれと祈りたいわ(漫画だけと・笑)
ぶちょーが抜き出してたセリフ、私も同じトコロで目がとまりました。
>「大人のするべきことを子供に肩代わりさせてはいけないと思います。
子供であることを奪われた子供ほど悲しいものはありません」
今ね。ちょっとこれを感じる状況があってね(我が家ではない)。子どもにそういう思いをさせたくなくて、今、私と友達でそこんちの子どもを支えたいという思いを強く持っているんだけど…友達んちとは言え、やはりヨソ様だから難しいね。「何かあった時に思い出す近所のおばちゃん」でありたいんだけどね。
子どもが子どもらしくいられるのって難しいんだなとつくづく思いました。でもそれって結局大人がコドモだからなんだろうな。自分を振り返ってしまいました…。
最近、近所の本屋さんは、ちょっとだけ出だし部分を読ませてくれる小冊子が置いてあって、これも最初の話しを読んで、アー続きを読みたいと思ったままになってました。
吉田秋生さんは、カリフォルニア物語が印象に残っています。モ~ホーのお友達が亡くなって、「こんなことになるなら、寝てやればよかった・・・」みたいに言うシーンが当時ウブな私には結構ショックでした・・・。
この作品も読んでみまーす。
子供であることを奪われた子供ほど悲しいものはありません」
大人になっても、「あの時私は本当はこうして(言って)ほしかった」とか「本当はそんなことしたくなかった」とか、多かれ少なかれありますよね。
>「死んでいく人とと向き合うのはとてもエネルギーのいることなの。
許容量が少ないからってそれを責めるのは酷なことなのよ」
これもやられたなあ・・・。
今、第三者として考えても、小学生に寝たきり痴呆老人の世話をさせるのは、酷だったと思うし、目の前で誰もいない時に死なれた日には、ほんとトラウマものです。記憶にフタしてしまったもの・・・。
うん、私も4姉妹に幸多かれと祈りたいです。(同じく漫画だけどもね)
「かわよりもながくゆるやかに」とか、「夢見る頃を過ぎても」とか、今でもたまに読んじゃ遠い目ごっごをしている次第です。
「カリフォルニア」とか「バナナ」も好きですけど、やっぱニホンモノが一番好きです。なんか、こう、切なさとかが嫌味なく伝わってくるんですよね、彼女の作品は。作者が余り感情移入しすぎないで、どこか第三者的に話が進むような雰囲気があるからでしょうか。彼女の作品を読むたび、「どんなことがあっても、地球は回っている、そして、人の人生も続いていく」みたいな印象を受けます。
この作品は、今度日本に帰省したときに買おうと思っている本の中の1つです。(日本に帰省するたび、スーツケーツ1つを本ばっかりにしてアメリカに戻ってきます。超重ッ)
たれ様が吉田さん好きで嬉しいっス。
あ、余談ですが、クライブ・オーエン(ローリー卿をやった俳優)に萌えたのは、ちょっと自分でもビックリなんです。本当は、ヒュー・グラントの若い頃が私の好み。ふふふ。
他の作品もそうだけど、吉田さんの独特の雰囲気と言うか、、。
一緒に暮らしてきた家族でも、それぞれの主張があって、色々なことが大人になってから見えてきました。
とても悲しく思いました。
ウチの旦那も、30才位になってから、異母姉がいることを知ったのですが、どこにいるかもわからないので、実感はないそうです。
>すずちゃん、いじらしすぎ
そうそう。ウルウルします。
4姉妹それぞれのキャラもいいです。
続きが楽しみですね。
さすがに私も仕事を休み、病院に連れて行きました。
でも、インフルエンザではないという・・
(予防接種は確かに受けてるけど)
>吉田さん
海街は私も本誌を読んでがつんとやられました。
皆さんがかかれている同じ場所に・・
>「大人のするべきことを子供に肩代わりさせてはいけないと思います。
子供であることを奪われた子供ほど悲しいものはありません
>「死んでいく人とと向き合うのはとてもエネルギーのいることなの。
許容量が少ないからってそれを責めるのは酷なことなのよ」
吉田さんは実はBANANAや夜叉のようなハードアクション系よりも
初期の夢見るころを過ぎてものころの話のほうが
好きです。
だから、海街を読んだときに
初期作品の雰囲気を感じて、
すごくうれしく感じました。
で、ラヴァーズキスの藤井君がでてくるのも
うれしかった!
おお~!!既読でしたか!!
うんうん・・・そうよね、どうしても家族や家庭に何かあるとこういう作品には敏感になっちゃうよね・・・
私の場合、作中の佳乃たちの父と母を両方たしたような母親だったから、特にね(苦笑)
>アダルトチルドレン
間違った使われ方が多いみたいですが、本来は「子供であることを奪われた子供」の意味なんだそうです
私も幼い頃、朝早くから文化鍋でご飯を炊くのが日課でした。それを知った叔母が涙を流したのを今でも覚えています
子供心にそういう大人の存在は嬉しいもの・・・
きっとなごいくさんの気に掛けていらっしゃるお子さん達も口には出さなくてもそう感じているんじゃないかしら?
なごいくさんが思っていることは伝わっていると思うのよね~子供はそういう気持ちに敏感だから・・・。
子供が子供でいられる当たり前のことが難しくなるなんて・・・ほんと色々考えさせられますよね
電動おやぢさん
気になってましたか~!(笑)
なにか心に刺さるものが似ているようで嬉しいです。
そちらでは出だしの部分を読ませてくれるトコがあるんですね~
こちらではそういうトコはないなー
たいていビニールかけになっているんで中を見ることすらできないんですよ。
たまーにイベントとかで1冊だけ試しに読める本がおいてあったりするけど、ほんと数は少ない・・・
私も新規開拓をするのは殆どネット頼りになっています
吉田秋生さんの漫画は大人が読んでも「読ませてくれるなー」と感じるものが多いですよね
「カルフォルニア」のあの死んでしまうトコは泣きましたね~
あんまりあっけなく亡くなってしまったので「別人であってくれ~」と思いつつ、「人間の死」というものがそれくらいにあっけないものなんだという事を感じた記憶があります
この「海街diary1 」はきっと電動おやぢさんにも気に入ってくれると思うわ~
是非読んでみてくださいね
そのさん
そっか~そのさんもそういう思いを抱えていたんですね・・・。
結構子供の頃のことってトラウマになりますよね
私も振り返ってみて、今の自分の性格があるのはやはりあの頃の自分がいたからなんだなーと思う事が多々あります。
>小学生に寝たきり痴呆老人の世話をさせるのは、酷だったと思うし、目の前で誰もいない時に死なれた日には、ほんとトラウマものです。記憶にフタしてしまったもの・・・。
それは辛いですね・・・
私は幸いと言うか、まだ肉親の死を目の前で体験したことがありません
でもたぶん息絶えるのを目の前でみていたら・・・それはそれは何日も夢にみると思う
それくらいに人の死というものに弱い。。。
大人になってても祖父が入院して、見るたびに弱っていくのをみているだけで辛かったから、それが小学生だったらと思うとどれほど辛いことかと思います
いずれ自分も親を看取る立場だけど、その日を想像すると耐えられるのか?と思いますよ(苦笑)
KE007さん
吉田さん、お好きでしたか~!!
嬉しいわ(笑)
私は一時、吉田さんが苦手で読まず嫌いをしていた時期があるんですが、ようやくその魅力に気づき始めたという感じなんです・・・。
なんかね~切ないんだけど、比較的冷静な眼で語ってくれるところくれるところ、そして人の生き死にに対して本音を言っているトコがね
人が死ぬということはとっても大変なことで廻りに与える影響がとても大きいけど、奇麗事だけじゃ乗り越えていけないことだから、なんかすずと彼女の義母にたいして言ってくれたことが気持ちよかったです
切ない和モノがお好きなら、絶対この「海街diary」はお気に召すと思います
それくらい超プッシユ(笑)
それにしても帰省のたびにトランク1つが本だなんて凄いわ(笑)
リストアップだけでも大変そうよね~
母宮さん
おお~!!母宮さんもお持ちなんですね!!
うんうん、吉田さん独特の雰囲気が押し付けがましくなく、すーっと沁みた作品でした。
家族であっても色んな部分も背負っているわけで、離れて暮らした時間が長いほど、そういう部分って強く感じますよね
私も異母弟妹がいると知ったのは20歳くらいの頃だったかな・・・
写真だけでしかしらないし、向こうは私の存在すら知らないのでしょうけど、幼い頃の自分に似ていて、「血」というものを感じました。
やはり私自身にとっての兄弟は幼い頃から一緒にいる弟だけだと思うのだけど、あれは不思議な感覚でしたね
>4姉妹それぞれのキャラもいいです。
続きが楽しみですね
うんうん、姉・幸の職場恋愛の行方や妹・千佳のアフロヘアーの元ともいえるあの彼氏の話も気になるしね(うふふ)
私も同じことを感じました。
この作品を読んでイメージとして連想したのが「水」だったの!
海の見える街がコンセプトだけど海水じゃなく、真水・・・乾いた喉を潤すような、地面に沁みこんだ水が次の命を育むようなそんな読後感をうけました。
そうですね~
漫画家さんには常に変わらない人と、変える意識が無くても変わっていく人、そして自ら進んで替えていく人がいらっしゃると思うんですが、吉田さんはそう言う意味で常にストーリー作りに挑戦し続けている人だと思います
進化しているというのでしょうか・・・
そういうトコロが私たち漫画好きを捕らえて離さないのかもしれませね
アガサさん
あらら・・・39.8度とはこれまた高熱ですね。
インフルエンザではなく風邪でもそんなに熱が出るって事はやっぱり若い証拠なのかしら??
私なんて新陳代謝が悪いので発熱できません(苦笑)
アガサさんのお体のほうは大丈夫ですか?
誰かが治りかけると他の人が風邪を引くというのがよくあるので気をつけてくださいね。
それはそうと、アガサさんはこの海街は本誌で読まれていたんですね~
ヤバイよね・・・
幼少期にトラウマを持っている・いないに関わらず母親の立場だと切ないよね~コレ。
そっか~KE007さんの初期作品が好きだとおっしゃっていたけど、海街はそれに通じているのね
私は読んでて辛くて長らく読まず嫌いだったところがあったからまだまだ吉田さんを読むようになって日が浅いのよ~
ラバーズキスにも通じているのね・・・
これはチェックだわ!!
ありがと~!!
思ってたんだけど、文章に纏めるの、難しいです。
(吉田秋生)さんの作品って読んだこと無いんですが、
(「BANANA FISH」とかは読む気になれないんです)
これは私の巡回コースの方が「これいいよ」と
薦められたエピソードが良くて買いました。
第一話「蝉時雨のやむ頃」でハマりました♪。
私は、こんな作品が読みたかったんデス♪(^o^)。
>乾いた大地に沁みこむ水のような作品ですね
>水のように染み渡るお話でした (by:すずさん)
~たれさんもすずさん(偶然浅野すずと同じ/笑)も
この作品に同じ印象を持たれたんですね。
私はこれを読んで(有吉佐和子)さんが小説『紀の川』
を書いた時に言っていたお話を連想しました。
有吉さんはそれまで舞台設定とか特異な状況とかに
頼っていた小説の書き方を止め、筆の力だけで女の一生を
描いてみようと思うのだと仰っていました。
(吉田秋生)さんもそんな心境になられたんだろうなーと。