ギリギリ探偵白書・360


 ギリギリ探偵白書
 「恐喝男・第5話」



 調査の結果、問題自体は解決の方向へ向った。
 しかし、それは全体から見れば、ほんの一部分でしかなく
 裏には、まだ大きな問題が潜んでいた。
 そして・・・。 





恐喝男  「社長はどこや?」

阿部   「代わりに俺が聞いてやるよ」

恐喝男  「社長に話があるンや」

阿部   「ヘタな関西弁は、関西人に怒られるよ」

恐喝男  「何やワレ!!」

阿部   「え~と、右から言おうか」


恐喝男のほかに4人の強面顔が社長室に入ってきている。
ちなみに私は一人である。


阿部   「え~と、君は○○君?小学校のときの夢は野球選手、それから、
      君は・・・、何て読むの?沖縄出身?それから・・・」

恐喝男  「なっ、なんだ?」

阿部   「なんだ?何だって何だよ。自己紹介がねぇーから、こっちから
      お前らの紹介してやってんだろっ、黙って聞いとけ」

恐喝男  「あ、あんた誰だよ」

阿部   「俺か?それを聞いて、平気だと思うか?」

恐喝男  「・・・・ちょ、ちょっといいですか。兄さん」

阿部   「お前みたいな弟はいねぇーよ。年が違うだろ、○×よ」

恐喝男  「・・・・」

阿部   「偽名を使うなよ。本名は○×○雄だろ?」

恐喝男  「・・・・どうする気だ?」

阿部   「お前ら次第よ」

恐喝男  「・・・・ちっ・・・」

阿部   「とりあえず、もう二度と来るなっ、それを約束しろ」

恐喝男  「・・・・そっ、それだけで・・・」

阿部   「だってよぉ、大事にするなっていうからさっ。
      これにサインと捺印な。ほらっ」


私は誓約書を恐喝男に渡した。
彼は、サラッと書き、親指に朱肉を押し付け、その親指を誓約書に押し付けた。


恐喝男  「これで、自分らは・・・」

阿部   「ああ、帰っていいよ。あっ、そうだ」

恐喝男  「な、何か・・・」

阿部   「お前らは全員、ウチで監視するからなっ。よく覚えとけ。
      それから、坊主頭のお前、おふくろさんが心配してたぞ」

坊主頭  「・・・・」

阿部   「電話の一本でもしてやれっ」

坊主頭  「・・・」

阿部   「はい、はどうした?それも、ちゃんと見てるからな」

坊主頭  「・・・・はい」

阿部   「よし、帰っていいぞ」


彼らは深く頭を下げて帰っていった。
そして、依頼者が社長室に入ってきた。


依頼者  「・・・ウチの会社の顧問になりませんか?阿部さん」

(うっ、それはおいしそうな話だけど・・・・)

阿部   「そういう柄じゃないんで、もし、何かあったら呼んでください。
      それじゃ、私もこれで・・・」


依頼者さんの会社を出ると、エントランスがあり、そこにはエレベーターがある。
そのエレベーターの横には喫煙室があり、その中から聞きなれた声がする。


サザビー 「おっ、あべちゃん、終わったな。飯、めし!!」

夏目   「俺の出番がないじゃないですか!!来た意味ないですよ」

阿部   「おぉ、存在を忘れてた!!」

サザビー 「そこに美味いラーメン屋があるんだそうだ」

阿部   「奢れってことか?」

夏目   「もちろんでしょっ。顧問まで断って!!」


・・・なぜか私がラーメンを奢る事になった。

ヤレヤレである・・・。




        完



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