ギリギリ探偵白書・158


 ギリギリ探偵白書
 「夫の浮気相手・第1話」



 私は、コンビニを見ると、ついつい寄りたくなる症候群である。
 その日も、出勤前に事務所の近くのコンビニに吸いこまれた。

 店内をうろついていると、携帯電話がなった。

 (ハッ、この音は!・・・事務所だ)
   
 私が電話に出ずにいると、今度はもう一台の電話がなった。
 観念して電話に出る。


田中   「何やってるんですかっ!急いで来てください。
      ついでに、肉まん買ってきてくださいよっっ!!」

 (急ぐんじゃないの??)  

 仕方ないので、私は、あんまんを買って事務所に向かった。
 事務所では、調査会議が始まっていた。


サザビー 「どした??」

わたぼん 「どした?じゃないですよ、まったく」

田中   「あ、肉まん買ってきてくれました?」


 田中は、コンビニ袋から、あんまんを取り出し被りついた。


田中   「あっま~~い!!ってこれアンマンじゃないですかっ」

サザビー 「ん、そうだよ」

田中   「僕は、肉まんって言ったでしょ」

サザビー 「ア~ンマ~ンショッップ!」

わたぼん 「それはアパマン」

阿部   「君達、殴られたいのかね」

サザビー 「そうだぞ、会議中じゃないか」

わたぼん 「あんた、遅れてきたじゃないか」

サザビー 「さ、あべちゃん、本題に入ろうか」

阿部   「いや、もう入ってるけど・・・」

サザビー 「・・・」


 会議の内容は、この日の朝にあった相談についてだった。
 まだ、調査を受ける事にはなっていないが
 調査を想定して作戦を立てる。


サザビー 「面談は?」

わたぼん 「今日の午後ですね」

阿部   「まあ、今朝はちょうどメンツも揃ってたしね」

サザビー 「おう、そうだな。みんな調査ないの?」

わたぼん 「はい」

サザビー 「田中も?」

田中   「・・・・」

サザビー 「田中???」

わたぼん 「・・・寝てるんですかね?」

阿部   「目ぇ開けたまま?」


 その時、田中がガクッとなって、目を覚ました。
 全ての視線が自分に注がれている事に気付いたのだろう。


田中   「ははは、寝てました?」

阿部   「キモッ」

田中   「何すかっそりゃ失礼な、ねぇサザビーさん」
 
サザビー 「キモッ」

田中   「あんたらねぇ、こっちは徹夜で疲れてんだ。
      そりゃぁ、眠くもなるよ、ウトウトだってするよ」

サザビー 「目開いたまんま?」

田中   「仕方ないじゃないですか、人間だもの
      疲れて眠りゃぁ、目が開くのは当然でしょ」

 (当然とは言い切れないと思うよ)

 その日の午後、面談に来た女性は、結局、調査契約をせずに帰っていった。
 他の探偵社の話も聞いてみるとの事だった。

 調査の内容は夫の浮気調査である。
 しかし、話を聞いた所では、浮気は無いのではないかというのが
 あべちゃんの感想だった。

 当然、絶対に無いと決め付けているわけではないが
 話を客観的に考えると、そう思う事もよくある。

 1週間後、再び女性が事務所を尋ねてきた。
 そして調査をする事になった。 


        続く



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 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
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