ギリギリ探偵白書・152


 ギリギリ探偵白書
 「銀のエンゼル・第2話」



 突然の調査中止依頼から一週間。
 調査データの処分を進めていると、電話がなった。

 依頼者  「すみません、今から継続って無理ですか?」 




阿部   「え?あっ!!」

田中   「え?あっ、れ?」


データを入れていたCD-DOMは粉々、報告類もバラバラ・・・。


阿部   「もうデータが・・・」

依頼者  「離婚できないんです!!だから、結婚も!!」


依頼者さんは夫が行方不明になってから、数年。
その間に、夫の部下であった男性に色々な手助けをしてもらっていた。

まだまだ30代。
段々と距離が近付き、その男性と恋に落ちてしまった。
子供達もその男性を父親代わりと慕うようになった。

しかし、肝心の夫は行方不明であるが送金だけはしてくる。
戸籍上は婚姻している依頼者さんは夫と離婚することはできない。

しかし、その男性と結婚したい。
なぜなら、その男性の子供を妊娠してしまったからだ。


阿部   「・・・・では、調査を再開しましょう」

依頼者  「よろしくお願いします」


電話を切ると、田中の表情が硬くなっている。
(事務所の電話は録音機能とスピーカー・イヤホン設定がされている)


阿部   「どうした?」

田中   「そんな、酷くないですか!!」

阿部   「何が?」

田中   「結局は男作ってたってことでしょ」

阿部   「・・・・」

田中   「自分はちょっと嫌ですよ。こういう展開・・・」

阿部   「確かに、しかし、そのお腹の子はどうするんだ?」

田中   「・・・・確かに・・・・そうですけど・・・」

サザビー 「・・・・まっ、データは全部ダメになってるけど
      何とかなるでしょ」

阿部   「確かにな。しかし特定は難しいな。もう送金はしただろ」

サザビー 「やりまっか!!早速」

阿部   「やるか、早速」

田中   「自分は明日の調査が・・・え?・・・わかりましたよ。
      やりますよ!!やればいいんでしょ!!」


我々は事務所に中途採用の中年調査スタッフちょうさんを残し
現場に向かった。


ちょうさん「いってらっしゃい」


そして、商店街を聞き込んだ結果、時折、買い物に来る事がわかった。


田中   「代表!!もうダメです」


        続く



 メールマガジン「ギリギリ探偵白書」の復刻版です。

 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


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