ギリギリ探偵白書・171


 ギリギリ探偵白書
 「元夫ストーカー・第1話」



 その日、私はある場所で張り込みを行っていた。
 調査は奥さんの浮気調査。
 ダンナである依頼者は出張中だ。

 わたぼんは、少し離れた所で電話している。

 私は、缶コーヒーに手を伸ばした。
 車での張り込みは非常に眠くなる。

 (フッ、また睡魔との戦いか)

 車の後部ドアが開いた。


わたぼん 「今、連絡が入ったんですけど」

サザビー 「なんだね?」

わたぼん 「マルタイ、自転車使う可能性があるみたいです」

サザビー 「そうか」

わたぼん 「そうか。じゃないですよ
      どうするんですか?今日、自転車ないですよ」

サザビー 「ふっ、甘いな」

わたぼん 「買ってきます?」

サザビー 「この車に積んであるだろ」

わたぼん 「それは、代表の調査で使ってますよ」

サザビー 「ふっ、甘いな。後ろ開けてみろ
      隣の会社から貰った奴を積んでおいたよ」

わたぼん 「え、マジっすか?」

サザビー 「俺を誰だと思ってんだ」


 わたぼんがトランクを開ける。
 中から、車輪が2つ見える。


わたぼん 「おお・・・!って、・・・一輪車??」

サザビー 「おう、しかも2台!!一瞬、折畳自転車に見えるだろ?」

わたぼん 「で、何が言いたいんですか?これで尾行しろと?」

サザビー 「ははは、乗れるの?俺は乗れないんだ」

わたぼん 「・・・・・」

サザビー 「いやあ、何度かチャレンジしたんだけど、無理ね」

わたぼん 「・・・・・」

サザビー 「挑戦してみる?」

わたぼん 「やりませんよ!遊んでる場合じゃないでしょ!
      どーすんですか?自転車で出てきたら」

サザビー 「そん時はそん時だ、走ればいい」

わたぼん 「・・・マジっすか?」


 その日、マルタイは自転車を使わずに行動したため 
 調査は、問題なく終了した。

 我々は、事務所に帰る事にした。
 事務所に戻ると、あべちゃんと田中の言い争う声が聞こえてきた?


サザビー 「お~い、どしたー?」

わたぼん 「何、もめてるんですか?」

阿部   「あ、お前等はウタさん派だよな?」

田中   「サザビーさんなら、キクゾウ派ですよね?」

 (は?)

わたぼん 「何、下らない事言ってるんですか!
      笑点ですか?まったく、断然、コブヘイ派ですよ」

 (コ、コブヘイ??出てねぇぇ)

チョーさん「お前等、わかってねぇなぁ、笑点と言ったら
      ピンクの小粒、コウラックだろうがっ!!」

 (コウラク?どうでもいいや)

 事務所の電話がなった。
 しかし、誰も出る気配がない。

 (おいおい、電話だよ)

 仕方ないので、私が出ることにした。


サザビー 「はい、T.I.U.」

女性   「あの、阿部さんって方、お願いします」

サザビー 「はい?どちらさんでしょ?」

女性   「あの、この間、話を、あの」

サザビー 「ちょっと待ってくださいね」


 あべちゃんに電話をつなぐ。
 この間??
 最近のあべちゃんの調査は・・・ストーカー調査か?
 
 (んで、この女性は何者だ??)

 あべちゃんは、受話器を置いた。


阿部   「ちょっとマズイ事になった」

田中   「この間の女性ですね?」

阿部   「ああ、今日これから行くぞ。わたぼん
      俺の代わりにチョーさんをサポートしてくれ」

田中   「じゃあ、僕は車まわしてきます」

サザビー 「よっしゃ、みんな、気合入れて行けよ!!」

田中   「アンタも行くんですよ!」




        続く



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 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


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