ギリギリ探偵白書・273

 ギリギリ探偵白書
 「西を探せ・第1話」



 自動ドアが開いた。

 ビルから男が出てくる。

 (・・・行くか)

 私は、男の後を付けていく。
 男は、私に、全く気付いていない。

 私は、男の背後にピタリと張り付いた。


サザビー 「振り向くな。そのまま、ゆっくり歩け」

男    「・・・・・」


 男は前を向きながら、右肘を私の顔めがけて振り上げた。
 私は体を反らし、ヒジを避ける。
 すると、続けざまに左足が飛んでくる。


サザビー 「だぁ、タイムタイム!あべちゃんストップ」

阿部   「なんだ、サザビーか・・・」

サザビー 「まったく、冗談の通じないヤツだな」

阿部   「何やってんだよ、こんなとこで」

サザビー 「殺し屋ゴッコだよ。ってか、そっちこそ何やってんだよ」

阿部   「・・・。一応、面談だったんだけど・・・」

サザビー 「こんなに、でっかい会社にか?」

阿部   「ああ」

サザビー 「ふ~ん、俺らのような小っさい会社には用なさそうだけどな」

阿部   「うん、用無いってさ」

サザビー 「あ、んじゃ、無駄足ってヤツね」

阿部   「悔しいから、壁にハナクソ付けてきたよ」

サザビー 「へぇ~・・・って汚ねぇな」

阿部   「冗談だよっ!トイレもちゃんと流したし」

 (当たり前や!!)

阿部   「ところで、マジで何やってんの?」

サザビー 「殺し屋ゴッコですけど何か!?」

阿部   「わかったわかった。で、何やってんの?」

サザビー 「まあ、話せば長くなるんだが・・・」

チョーさん「サボってるだけですよ」

阿部   「ん、チョーさんもいたの?」

チョーさん「ええ、行方の件で」

阿部   「ああ、あれね」

チョーさん「サザビーさんが事務所で暇そうにしてたんで
      連れてきたんですけどねぇ。連れて来なきゃ良かったですよ」

阿部   「・・・・・」


 今回の調査は、行方調査だった。
 依頼者は、都内で会社を経営する女性で
 ある占い師を探し出して欲しいとの事だった。


サザビー 「なんか、アンジェラアキみたいな名前だったよね」

チョーさん「名前ぐらい、覚えてくださいよ」

阿部   「で、進行具合はどうなの?」

サザビー 「まあ、立ち話もなんだし、休憩入れよか」

阿部   「・・・・・」

チョーさん「まあ、数年前に街角で占ってたって情報だけですから」

サザビー 「もう廃業してるっしょ」


 調査は地道な聞き込みで進めていた。
 しかし、有力な情報は得られていなかった。



        続く



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