ギリギリ探偵白書・359


 ギリギリ探偵白書
 「恐喝男・第4話」


 
 企業は何者かに脅迫されていた。
 依頼者である社長は、事を穏便に済ませたいようである。
 解決を目指すべく調査を開始した。





そして、1週間。

様々な判明事項が挙がってきた。

この問題には、依頼者の企業が上場を果たすまでの期間にいくつかの問題が
あったことが起因となっている。

その起因のキーマンは、恐喝行為をしている調査対象者ではなく
一般の市民であり、その人数は5人であった。

彼らと依頼者の間に示談が成立すれば、問題自体がなくなる。

そこで、私は彼らを徹底的に調べ上げる事にした。
そして、その情報を依頼者の顧問弁護士に教えたのだ。

この弁護士さんは非常に腕がよく、数日の間に示談を取りまとめてしまった。
しかし、事実上の問題が解決されたからといって、問題の本質が解決するわけではない。


カズヤ  「代表、とりあえず解決しましたが、恐喝ヤロウはまた来ますよね」

阿部   「ああ、それなら、サザビーのチームが監視してるよ」


サザビーはT.I.U.総合探偵社代表代理である。
その尾行術は、T.I.U.内でも最高レベルである。
例えば、私と組んで尾行したとすると、一緒に尾行している私でさえ、サザビーの
姿を確認できない時があるほどで、探偵の中でもプロと言われるほど腕がいい。


カズヤ  「サザビーさんか・・・、それなら連絡を待つだけですね」

阿部   「ああ、とりあえず、お前らは依頼者さんのガードを今からやってくれ」

カズヤ  「じゃあ、早速リュウとナオに連絡しときます」


カズヤが依頼者さんのところにむかって2時間後、サザビーから連絡が入った。


サザビー 「う~ん、こりゃダメだな」

阿部   「どうした?」

サザビー 「どうやら、マルタイ(恐喝男)は、人を集めてるな」

阿部   「それで?」

サザビー 「強硬手段に出るしかないって言ってたよ」

阿部   「いつ?」

サザビー 「今からだって」

阿部   「ほぅ~、今からか」

サザビー 「てなわけで、依頼者さんに連絡しといてよ」

阿部   「ああ、わかった。サザビーはそのまま継続な」

サザビー 「まじ?」

阿部   「マジ。俺もすぐ行くから」

サザビー 「ヘイヘイ、了解しました。は~腹減った・・・」


私はすぐにカズヤに連絡し、警戒態勢に入るように伝えた。
その上で、私はたまたま事務所で寝ていた警備会社を運営している元T.I.U.の
夏目に応援を頼んだ。


夏目   「・・・マジですか・・・、まぁ、いいですよ」


私は身支度を整えて、依頼者さんの会社に向かった。

そして、依頼者さんの会社が入っているビルの1Fにある喫茶店に到着した時
サザビーから連絡が入った。


サザビー 「珈琲ですか、悠長なもんですな・・」

阿部   「もう着いたか」

サザビー 「ほらっ、右」

阿部   「右?・・・おっ、来た」


私は珈琲を一気に飲み干し、そのままエレベーターに乗った。
そして、社長室に入った。


依頼者  「・・・阿部さん、どうしよう・・・」

阿部   「○○さん、あなたは、横の部屋に行ってなさい。あとは、
      こっちでやるから」


その後、秘書さんが慌てた様子で内線電話で連絡してきた。
私は「そのまま通しなさい」と言った。

数分後、恐喝男が社長室にやってきた。



        続く



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