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「館蔭の杜」を眺めつ つれづれに

窓外の森を眺めながら時々の想いを綴る

竹駒神社の芭蕉句碑(岩沼)

2015年06月30日 | 日記
名取から国道4号線を南下して岩沼の竹駒神社にある芭蕉の句碑を訪ねた。
広大な境内のどのあたりに句碑があるのか皆目見当がつかないので、正面から入って探すことにした。
入口には「竹駒神社」の黒い社額を掲げた赤い大きな一の鳥居があり、直ぐに黒の二の鳥居が続き、奥に重厚な構えの山門が幾重にも重なって見えた。



目指す芭蕉の句碑は意外にも黒の鳥居を潜ったすぐ右手の一角にあった。
細長い石碑が二基並んでいて左側の「芭蕉翁」と書かれたのが目指す芭蕉の句碑である。



脇に立つ札に碑の説明書きがされているが、二つの碑は、寛政5年(1793)芭蕉の百年忌法要を記念して一緒に建立されたということである。



芭蕉の碑には、正面に
「佐くらより松盤二木を三月越し」
の句が彫られていた。

この句は、江戸を旅発つときに弟子の挙白から送られた餞別の句「武隈の松見せ申せ遅桜」にこたえて詠んだ句だといわれる。

碑の左側には「當社より二木の老松まで2丁餘」と、この句の題材にした「二木の松」への案内が記されていた。

右側の碑は、芭蕉の門人東龍斎渡辺謙阿の「名月塚」といわれる句碑で
「朧よ里松は二夜の月丹こ楚」
と刻されていた。



境内には拝殿までの間に、東北ゆかりの歌人達のの碑があった。

髄身門の前には岩手県出身の佐藤梧悦の
「あきざくら径に溢れて豊の秋」
という歌碑があった。



梧悦の句碑は、先(6月24日)に訪れた桜岡大神宮にもあった。

白唐門の脇には土井晩翠の
「竹駒の守のみやしろもうで来て綻びそめし初桜見る」
という歌碑があった。



竹駒神社で行われた文化講座に講師として来社した際の即興の歌で、真蹟を彫りこんだものだという。。




境内を出て、二丁程離れたところにある、この句の舞台の「二木の松(武隈の松)」まで足を運んだ。

通りに面した一角が「二木の松史跡公園」として管理されていて見事な枝振りの松が天高く伸びていた。



現在の松は7代目ということだが、既に樹齢150年を越えており、根元付近から二又に分かれている姿は代々変わりはないといわれている。



史跡公園の中にも「より松は二木を三月越し」の芭蕉の句碑があった。


二木の松は岩沼市の指定天然記念物になっていて、平成26年3月に「奥の細道の景勝地」として国の名勝(国指定文化財)に格上げされたと聞く。