たまびと日記 2

記憶力が衰えないようにとブログに記録しているのに、
記録したものはどんどん忘れていくという悪循環に陥っています。

恐るべし99歳

2015-10-08 12:46:16 | 日記
庭の草取りをしていたら、裏の家の80歳くらいのおばあさんに声をかけられました。
「毎日毎日草取りばっかりしてるんだから、もう草なんか無いでしょうに」

これって、褒められてるの? けなされてるの?
毎日草取りだけしているわけじゃないのに・・・(笑)

適当にお返事して、また黙々と草取りをしていたら、今度はお隣のおじいさんに声をかけられました。
おじいさんは99歳、夏の間入院し、退院してからは少しの間老人施設で暮らしていたのですが、ご本人に「自分は老人だ」という意識が無いので、
さっさと退所してしまい、今はまた以前のように一人で暮らしています。
一人暮らしに戻った時に、ご近所の奥さんが心配して声をかけました。
「大変だから、お風呂は近所の老人施設に行って入ればいいんだし、ご飯だって自分で作らなくたって、給食を届けてもらえばいいのよ」
するとおじいさんはこう返しました。
「そんな考えじゃ駄目なんだ。 何でも自分でやらなきゃ、人間が駄目んなってしまう」
そのやりとりを聞いていた私は「あぁ、こういう気概がこの老人を長生きさせているのね」と感心してしまいました。

私に声をかけて来た時は、一人で畑の片付けをしていたらしく、「綺麗になるねえ、でも隅から隅まで綺麗にしちゃ駄目なんだ、
どこか一カ所汚い場所を作るんだ」と言ったのです。
「へっ」・・・私、ビックリ
隅から隅まで綺麗にしたい私なので、「どうして」と聞いてみたかったのですが、何しろおじいさんは耳が遠いので、大声を出さないと聞こえないのです。
話がややこしくなるのがめんどくさくて、聞かずに終わりました。
おじいさんは「まあ、休み休みやりなさいよ、俺も腰が痛いから休み休みだ」と、どこまでも上から目線です。(笑)

まだ休憩を続けたかったらしいおじいさんの次の言葉は「今年はどこの家の柿も、早くから赤くなっているけど、味はまだまだなんだ」
「20度以下の日が十日以上続かないと、甘くならないんだ」
私  「なるほど・・・近所のみどりちゃんから赤い柿を貰ったけど、全然甘くなかったのよ」
おじいさん、嬉しそうに「そうだろう 今年は豊作だけど、なかなか寒くならないから、味は駄目かもしれないな」と予想していました。
そして、重そうにたくさんの実をぶら下げた柿の木の下で「俺は柿の実はとらないから、甘くなったら勝手にもいでいいよ」と言ってくださいました。


昼食時になり、おじいさんが家に帰った後を見たら、束ねられた枯れ木が地面に立っています。
仕事の美しさに驚いてしまいました。
それに左の端にある茶色い塵取りは、おじいさんの手作りだと思います。
恐るべし99歳
コメント (2)
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