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時が来たら~地方プロレスラーに渡された痴呆女性からの手紙

2022-04-21 23:33:00 | 日記




とある地方のプロレス団体のエースである青年が、
脳天逆さ落とし(パワーボム)を喰らって首を痛めた。
自称団体所属の医師からは、
首の関節がおかしくなったら、
妖怪ろくろっ首みたいに首が伸びまくると言われて恐ろしくなり、
青年は引退を決意した。

地方プロレスラーとはいえ、
人気者やった青年に、
たくさんのファンが惜しんだ。
団体側も引き止めたが、
青年の決意は強かった。

多くの女性ファンからの手紙(当人がSNSには手を出してない為)が手渡された。
そんな女性の中に、
首にデカいガマ口財布を下げた、
小柄な60代女性、
パスコードがまみが、
封書を手渡して、
そのまま走り去ってしまった。

青年のファン層が20代の中で、
60代は珍しかった。
また、
簡単なメッセージメモしかもらわない青年にとって、
封書は更に珍しかった。
やから、
早速読むことにした。

手紙にはこう書かれていた(要約文章と青年本人のリアクション括弧内表記にするけど)。

『Dearノブキ様。
私を見て驚かれたことでしょう。
(当人は全く知らないとのこと😛)
私もあなたを見て驚きました。
(勝手に驚けとのこと😛)
あなたは思い出さないかしら?
実は、
私たちは、
前世で愛人関係にあったのよ。
(ほざくなとのこと😛)

(中略)

時は元禄13年。
あなたは、
地方大名の長子であり、
私は神社⛩の巫女でした。
あなたはいたずら好きで、
よく私をからかったものでした。
そんな子供じみた友達関係が、
男と女であるが故に、
愛人関係に変わったのです。

私は巫女の立場なのに、
あなたの胸に顔を埋め、
幾たびの夜を過ごしたことでしょうか?
こんな私たちが許される訳がなく、
天の神々は裁きを下しました。
(ギリシャ神話か?とのこと😛)

(中略)

私とあなたの関係を知った佐吉は、
(佐吉🤣🤣🤣------とのこと😛)
寺社奉行に私を訴えました。
あなたの家来である佐吉は、
嫁と3人娘の世帯を持ちつつも、
同性であるにも関わらず、
あなたに恋心を抱きました。
(スゲーですねとのこと😛)
いわば、
私は邪魔者。
信心に篤かった副将軍にまで、
佐吉は嘆願書まで出し、
私を亡き者にしようとしたので私は泣きました。
(w🤣とのこと😛)

(中略)

私たちは逃げました。
けど、
追っ手に追い込まれて、
私たちは不死の泉に手をつないで、
身投げしましたね。
(知らんね😜そんなこと、とのこと😛)
あなたは溺死。
私は全身打撲の寝たっきりで、
歳を経て、
あなたの後を追いました。

失われた時。
だけど幸せだった。
元禄13年の初夏の香り。
この年の150年後に黒船が来ました。
時は慌ただしく経ち、
数兆回以上の風雨の果てに、
元禄の初夏も気付けば平成の初夏。
瓦版はTwitterになり、
将軍徳川綱吉の治世は総理大臣安倍晋三の治世になり、
そして、
私たちは、
真実と虚構の時の流れに、
覚醒することなく、
永久に流れていくのでした』

青年は、
封書を仕舞いながら呆れ果て、
団体のオーナーを呼び出した。
そして、
引退の撤回と、
首の治療の為の長期休暇を願い出た。
オーナーはうれしそうに「わかったよ」と言って、 
出て行こうとしたその後ろ姿に、
青年は、
「オーナー。俺はこれから不審者に会ったら、無差別にバックドロップしますから」と言った。
オーナーはやさしく「わかったよ」と答えた。

一方、
パスコードがまみは、
愛は廃れたと嘆き、
痴呆症の処方薬を飲んだ。





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