ヤマオと言う、
自称生き字引の横着メタボがいた。
常日頃、
説得力のある屁理屈で、
相手を論破して、
得意げになっていた。
それで、
知人友人には、
自分のことを、
プラトン21と呼ばせていた。
が、
みんなは、
ヤマオが三つ歳下の妹に恋心持っていたので、
ブラコン21と陰口した。
このヤマオが、
映画鑑賞にハマり出して、
クロサワに信服する(ヤマオが信服したクロサワは、黒澤明やなくて黒沢清)。
コッポラをほめまくる(ヤマオがほめたコッポラは、フランシス・フォード・コッポラやなくて、娘のソフィア・コッポラ)。
そんなヤマオは、
多くの人々を魅了して止まない「2001年宇宙の旅」を観たことがない。
それで、
映画館にかかる言うから観に行った。
冒頭から、
「2001年宇宙の旅」にハマったヤマオは喜んでいたが、
コンピュータの判読ミスで、
登場人物が、
宇宙船外での点検作業をするシーンで、
長々と続く宇宙空間と酸素吸入時の呼吸音で、
大いびきかいて寝てしまった。
あまりのいびきのやかましさに、
横席の人が注意しても起きないので、
最後にはほったらかしにされる。
一方、
映画の方は、
あの有名なラストシーン迎えた。
そして、
美しき青きドナウの曲が流れる、エンドクレジットになるや否や、
ヤマオは目覚めて、
エンドクレジット見つめつつ、
「ああ、いい映画やった🎦」と感動した。
実際の映画と、
途中で眠りこけて、見た夢の区別も出来んヤマオは、
こうして、
自称生き字引だのプラトン21だの言う博学家のお里が知られることになった。