映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

盛夏に想う

2023-07-30 13:19:00 | 歳時記雑感
今年の夏は格別に暑い(と、毎年言ってる気がするけど)

それでも何だか湿度が低く風通しが良いので、散歩するのもあまり苦にならない






この花を見たり人気の絶えた白い道に色濃く映る木々の陰を見てると、高校生の頃の想い出が蘇る




大した進学校でもないのに、夏休みだと言うのに7月いっぱい補習授業があった

午前中に終わるのだが、休みを削られたようで損をした気持ちでいっぱい

そんなある日、外国人の女の子たちがフラリと現れた

今でこそどんな田舎でも見かけるが、その当時生身の外国人(それも同い年くらいの金髪美人)はレア

英語の得意な奴に会話問答を任せ、写真部にはカメラを用意させた

ど田舎の少年たちがぎこちないスマイルで異国の少女たちとモノクロームの写真に写ってた




当時の級友とも音信不通になり半世紀近くになる

金色の髪をしていた彼女たちも彼の地で幸せに暮らしているだろうか

来週から帰省するので、懐かしい母校を訪ねてみようかな





62歳の夏に挑むこと 2023其の壱 ロックコンサート

2023-07-29 23:06:00 | お遊び
UVERworld at NISSAN STADIUM

お昼休みの散歩コースなんですよ
いつも日産スタジアムの外周を一回りして午後のお仕事始めます

その日産スタジアムで行われたロックコンサートに参戦しました
その数72,000人ですって
そこそこの都市が出来ちゃう人数ですね

会社の同僚(といっても40歳近い年齢差がある、自分の娘より若い女の子)にアテンドされて
若者の海に呑まれました
拡がる電飾のさざ波の中で白髪頭の還暦過ぎたジジイはわたくしひとりだけでしょうか

お歌の事前学習はしたものの、80%は分かりませんでした
それでもライブコンサートの魔力は3時間の立ちっ放しを支える麻薬です
昼食後散歩する風景とは、少し違った光と風が流れてゆきました

ゆかりん、オトウさんを誘ってくれてありがと
今夜はゆっくりおやすみなさい





月曜日、祭りの喧騒が嘘のように人影はありません

油蝉の声だけが残るスタジアム周辺を散歩します












2023夏ドラマ 始まりの4作

2023-07-22 20:01:00 | 旧作映画、TVドラマ
今度の夏ドラマもあまり期待できそうもないと思いながら、取り敢えず4作を観てみた

「18/40」
作品の質がどうだと言うより、深田恭子が変だ
そもそもあの辿々しい台詞回しが気持ち悪くて役者としての評価は全くしていないけど、最近のメンタル崩壊の報道のせいかより一層アンドロイド化が進んでいる印象を受ける
相方が笑顔に定評がある福原遥なため比較対象が顕著で、危ういハラハラ感を抱えながら観なければならないのだろうか。顔立ちもスタイルも40歳を感じさせない美しさなのに。残念
18歳でシングルマザーになる福原遥の負けない人生の切り開き方をドラマの主軸に置き、舵を切り替えれば最後まで楽しめるかもしれない

「真夏のシンデレラ」
今更なんで往年のトレンディードラマを再現するのか?なんてことは言うつもりはない。わたくし達には懐かしくとも今の20代には新鮮かも知れないし、時代がどれほど移ろってもボーイミーツガールの鉄則は破られることはないはず
それにしたって、湘南江の島の海で10名近い男女が絡みあうのは観てる方が疲れちゃう。物語の作り方が丁寧なら引き摺り込まれるのだろうけど(去年の傑作silentがそうだった)、このドラマは脚本も演出も稚拙で森七菜の頑張りでどうにか持っているようなところがある

「初恋、ざらり」
久し振りにテレ東深夜ドラマを観ている
題材の選び方が深夜ドラマならではだし、他の民放テレビでは実現できそうもない。昨今、障害者と健常者の恋愛もバリアフリー化しようとの流れが強く、LGBT始め多様性の波に乗ったドラマが多く作られている
大きな枠ではこのドラマも同じかもしれないが、自閉気味な軽度の知的障害者を主人公にしているところに勇気を感じる。車椅子や杖をついていれば傍目にも障害は理解できるし、障害というのとは違うかもだけどマタニティマークやヘルプマークも世の中に浸透してきているのに、軽度の知的障害ってタブー視された最後の偏見なのかも
原作も評価されているらしいので、しっかりリサーチがされた骨格なんだろうと思う。脚本も演出も大仰に感動植えつけます的な装飾がなされていないのも好ましい
序盤三作を観て先ず思うのは、主役の小野花梨と風間俊介がすこぶる良い
小野花梨は今までも個性的な脇役をかなり強烈に演じていたから、ドラマや映画通の中では既に名女優だったりする。深夜ドラマとはいえ堂々の主役、その力量を遺憾無く発揮する時がきた
風間俊介も地味で気弱なキャラをフルに当て込んでおり代替えの効かない役作りだ
小さな波風は立っても、世間の片隅でしっかり手を取り合いながらニコニコ笑う二人になって欲しいと切に願う

「ハヤブサ消防団」
池井戸潤の原作は先日読んでいる。そもそも世間が有り難がるほど池井戸作品が面白いと思ったことないし、TBS日曜夜に放送される熱苦しい一連のドラマは苦手
過疎の山村に消防団は必要不可欠だと思うけど、老人のサロンのようになっているだろうし、他所者が馴染むには結構ハードル高いだろうと推測される。わたくしも定年後生まれ故郷に帰ったとしても、すんなり消防団には入れそうもない
ロケ地がネギで有名な下仁田なので観続けようとは思う

「らんまん」
想い人と夫婦なって、より一層植物バカの生活が加速される
役者達が適度に肩の力抜いた感じで楽しみながら演じているようだ。これから要潤の大学教授との接点が変わっていくのだろうけど、浜辺美波との夫婦生活もバランス良く観せて欲しいものだ
毎朝の愛の花に癒されている


ジブリの呪縛から解き放たれた「君たちはどう生きるか」

2023-07-16 08:02:00 | 新作映画
勘違いしている人が多いだろうから、そこだけは吠えておこうと思います
宮崎駿監督はスタジオジブリっぽい映画を作りたくて10年の時を経て作品を発表したわけではありません
監督は今生きている宮崎駿を表現したかったのです。当たり前ですが
宮崎駿=スタジオジブリではない事を大前提に視座をあげてみてください

きっと大部分の酷評は自分たちの知っているジブリ映画じゃないから失敗作だと烙印を押すのでしょう

ディズニーじゃないんだから、100年前と同じ綺麗で絵空事のファンタジーなんかやってられるわけないじゃないですか!30年前の自分と寸分違わぬ貴方でいられますか?そうだとしたら怖いですよね。そんな人魅力的でしょうか
いつまでもラピュタやトトロの宮崎駿ではないのです。成長とか退化とかではなく刻々と死に向かって生きているひとりの作家なのです

わたくしはこの最新作を大変好意的に受け止めました
主人公は飛ばないし巨悪と戦うこともありませんが、監督の死生観をより鮮明に感じることができたので興味深い作品となりました。地獄から天に昇る夥しいワタワタは人になるのだと言うのに、いくつかの命はペリカンに食われてしまいます。全部が生きて天に届くわけじゃないのです・・・知っているけど惨い描写でした

大叔父は過去を守るため未来を犠牲にしろと迫ります。監督自らの老いを自覚しているんでしょうか。所謂老害って奴に対する怯えのようなものも感じました。監督だけじゃなく、鈴木Pやスタジオジブリそのものの閉塞感にも通ずる気がします
死せるまで安定しない積木を積む孤独感に耐えられなくなったのかも知れません

少年は新しくお母さんになる人(空襲で亡くなった本当のお母さんの妹って言うのが時代の隔世を感じる)が連れ去られた異世界を訪れ、アオサギや少女の頃の本当のお母さん(少女の頃神隠しにあったと伏線が張られていた)達とラビリンスを彷徨うことになります
確かにその動機は不明瞭だし、かつての宮崎作品のようなデフォルメされたアクションシーンはありませんので、大方の人はガッカリするのでしょう

わたくしが感心したのは神隠しにあってた少女の頃のお母さんと一緒に、新しくお母さんになる人(少女からすれば妹)を現世界に連れ戻そうとする感性(アイデア)でした。今の若いクリエイターには想像もつかないでしょう
わたくしの祖父母も同じような関係でした。男女は逆ですが、祖母にあてがわれたのは連れ合いだった人の弟(わたくしの祖父)でした。だからわたくしの父親と父親の姉二人は種違いの姉弟です
昔はそんなことが珍しくもなく血縁を成していたんですね。宮崎駿というよりも時代を象徴する設定なのでしょう

少年と少女の頃のお母さんは違う扉から現世界に戻ります。別れ際少女は言います「貴方のお母さんになれるのが楽しみ」
泣きました
少年はやっと亡くなったお母さんを送ることができ、新しいお母さんを迎える踏ん切りがつけられます
自分の生きる世界は自分が積み立てた思いと行動で作られていくのですね
「君たちはどう生きるか?」と老境の宮崎駿監督に問われました

還暦過ぎたわたくしにもまだ答えは出せません
多分こうやって考えることが生きることだろと思うのです
今日もご飯食べてビール飲んで汗かきながら生きていきましょう


事前情報はなるべく仕入れないようにして映画は観ますが、完全にシャットアウトするのは無理です。この作品の凄いのは初日観るまで物語はおろかキャストまで漏れていなかったことです
よっぽど特徴あれば別でしょうが、声だけで声優を当てるのはわたくしには無理です。ラストクレジットを観るまで想像もつきませんでした

あいみょん
AIMであるわたくしは本当にビックリでした
後で調べてみれば、ちょい役じゃなくて重要な少女の頃のお母さん(ヒミという役)じゃないですか!思い返せばあいみょんの中低音の声が蘇ってきます
ファンクラブ会員用のメッセージにこれが最初で最後と書かれていますが、とても立派に声優できていましたので撤回してもらいたいものです


宮崎駿監督、これが遺作にならないことを願います
どうかもう一作
やっと、ジブリではなく自分の映画が作れましたことにお祝い申し上げます









アニメ 2023上半期を忘れないように

2023-07-15 16:51:00 | 旧作映画、TVドラマ
漫画はほとんど読まないけど、嫌いなわけじゃない
小説も老眼駆使して年間40作くらいは読むように頑張っているので、漫画まで手を伸ばす余裕がないだけ
映画であれテレビドラマであれ、そもそも物語が好きだから観ているので、面白い漫画がアニメ化されているなら許される限り鑑賞したいと思う
わたくし達が子どもの頃と違い、今日日アニメは膨大な数が作られそのほとんどは深夜枠で放送されるらしい。夜9時には床についてしまうわたくしにはリアルタイムで視聴することは到底無理だが、便利な世の中、プライムビデオが好きな時間に好きなだけ観せてくれる

備忘録として、2023年上半期に放送されて視聴した作品の中で好きだった作品を並べてみた


 大雪海のカイナ

何処と無くナウシカを彷彿させる世界観はオリジナリティを感じさせないけど、圧倒的な絵の重量感が素晴らしい
近いうちに映画化される?のかな。その辺疎くて申し訳ないけど、大画面で描かれるべき作品だと思う

 事情を知らない転校生がグイグイくる

小学生のお話なのに深みがあって、亡くなったお母さんのエピソードでは号泣してしまった
天真爛漫な男の子が降りそそぐ笑顔に感化されてゆくヒロインの成長が眩しい作品で、毎回応援しながら楽しんだ

 スキップとローファー

田舎から都会の高校に進学した女の子を中心に描かれる学園アニメなんだけど、お気楽な恋愛至上主義ストーリーじゃない
ジェンダーの問題や将来に対する若者の揺れる感情なんかがさりげなく散りばめられているのも良い

 久保さんは僕を許さない

存在感の薄い子っていつの時代にも必ずいるんだろうな。イジメとは違うのかもしれないけどマイノリティではある
それでも、特定の人にとってど真ん中に強烈な印象を与えることが恋の始まりなんだと、このアニメは教えてくれる

 もういっぽん

学生時代の限りある時間の中で仲間たちと同じ目標を目指して努力する姿は気高い。それだけで文句なく応援しちゃう
スポーツならどうしても勝ち負けが結果として付いてくるけど、友情とか後悔とか達成感とかは別の宝物だよ

 君は放課後インソムニア

自分を取り巻く世界の回転は余りにも速すぎて、その遠心力に振り落とされないよう必死で寄り添っていた
その感覚が等身大の高校生の生身から伝わってきて感無量。校外学習の暁の浜辺で触れあいながら眠る二人の神々しさ

 僕の心のヤバいやつ

中学生の初恋が瑞々しく描かれていて毎回キュンとしてしまう。中二病の男の子の面倒くささも可愛い
輪をかけて可愛いのがモデルもやっている美少女ヒロインの所作。オジサンは二人に特別な仲良しになって欲しいんだよ