映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

素顔のままで

2022-01-29 08:18:00 | 歳時記雑感
まだ暗い早朝6時

散歩に出ようと数メートル歩いてマスクをしてなかったことに気づき引き返す


半年前、第5派の波に飲み込まれるように感染し、苦しい思いをしたけど

癒えてしまえば記憶から消えようとしている昨今

あの頃1日の最多感染者が25,000人と言って驚いていたのに、今や8万人強だと

記憶は古びても、辛かった想いは脳裏にへばり付いて離れない

先ず自分が2度目の感染しないよう首を低く生きてゆく


それにしてもそろそろマスクを外し、朝の空気を目一杯吸い込みたいな

これが最後のコロナ騒動だったと、後世に伝わることを切に願う

2022 冬ドラマ始まりました

2022-01-26 16:40:00 | 旧作映画、TVドラマ

今年も冬のドラマが始まった
凄く期待しているものは無いけど、珍しくNHK大河ドラマを観ようと思い一年間頑張ってみるつもりだ

「カムカムエブリバディ」
深津絵里がヒロインになって、舞台は大阪の街にあるクリーニング屋とジャズが演奏されるお店を行ったり来たりしている。一月下旬にオダギリジョーと夫婦になって京都に暮らし回転焼き屋を始めるらしい。額の傷と母親に捨てられたと思い込んでいる心の傷にこの結婚は福音をもたらすのだろうか。朝ドラだから悲惨な結末にはならないんだろうけど、最初のパートは決して幸せな結末ではなかったからちょっと不安だな。もう少しで最終パートへ引き継がれるだろうからこの2週間あたりが山場になりそうだ

「ミステリと言う勿れ」
きっと原作は面白いんだろうと思うけど、このドラマはダメだ
菅田将暉は変わり者の主人公を楽しそうに演じているので流石だなと感心するけど、物語に枝葉が付きすぎて3話終わったところで急激にリタイアしたくなっている。妹を殺された謎めいた兄(永山瑛太)の登場が迷走路の入り口ならこれからもっと見通しのきかないドラマになりそうだ。伊藤沙莉のような使い勝手のいい女優を見殺しにしているのも気に食わない。殺された妹(白石麻衣)の真実と今後主要キャストで登場しそうな門脇麦が気になるのでそれまでは観続けるつもり

「恋せぬふたり」
久し振りにNHKよるドラを楽しんでいる
題名も思わせぶりだけど、恋もセックスにも関心を持てない人をアロマンティック・アセクシャルと言うんだそうだ。初めて聞くややこしいヨコモジに今時のドラマ作りの大変さが滲む。セクシャリティの線引きをも超えて今度は生物の根本にかかわるような問題を抱えているように思う。もう男とか女とかLGBTQとか言ってる場合じゃない。野菜やアイドルには惹かれるのに、自分以外の人間に恋愛感情を抱けないなんて病気じゃないか!攻めのNHKが観られるよるドラにあってもこの題材は結構過激だろう
そんな二人を岸井ゆきのと高橋一生が抜群に魅力的な人物として演じている
最後は二人の心に恋愛感情が芽吹くのだろうか?このまま飄々と夫婦になってゆく結末でも納得できるようなドラマになって欲しいと思うし、大いに期待している

「ファイトソング」
清原果耶は本当に美人なんだなと民放主演ドラマを観てつくづく実感
間宮祥太郎演じる一発屋ミュージシャンも内気な青年で好感持てるし、ジャニーズの子だと思うけど施設で一緒に育った幼馴染のハウスクリーニング屋もヤンチャさが似合っている。面白くなるドラマはやっぱり登場人物に思い入れできるかが大事だ。脇の栗山千明や稲森いずみも美味しい役回りだし、藤原さくらが個性的な目立ち方をしていて驚いた
このドラマの恋愛も直球じゃない。2か月で結果を出さなきゃならないミュージシャンと2か月後に聴力を失うかもしれない女の子のお試しカップルから始まる恋模様のようだ。名手岡田恵和がこの二人をどのように幸せにしてくれるんだろう。とても楽しみだ
知らなかったので驚きと共に嬉しかったのは、主人公花枝の「ファイトソング」だったのが先日ライブコンサートを見に行ったPerfumeの名曲STAR TRAINだったこと。しみじみ良い曲だ

「妻、小学生になる。」
まだ1話しか観ていないが、この冬一番の掘り出し物になるかもしれない
お話の骨格はかつて何度となく観てきたような既視感があるのだけど、何といっても凄いのは生まれ変わった妻を演じている毎田暖乃ちゃんの神がかった名演技だろう。この子役がいなかったらこんなに面白い導入部には絶対なっていない。生前の妻役である石田ゆり子の口調とか雰囲気とかを違和感なく見せられちゃうから、堤真一の夫も蒔田彩珠の娘も次第に妻(母)が本当に生まれ変わったんだと信じるようになるのだ。それはテレビのこちら側とて同じこと。フィクションのドラマだから、いつもなら荒唐無稽のファンタジーが起きてもせせら笑っているけど、何だか本当にしっかり者の妻が立ち現れたように思えたから凄い。朝ドラ「おちょやん」で健気なヒロイン幼少期を演じたので知ってはいたが、恐ろしいほど感の良い子役(女優と言ってもいいかも)が現れたものだ
精神的大黒柱(妻)を失くした家族(夫娘)が前を向いて歩きだす姿を感動的に描いてくれたならと、金曜日が待ち遠しい限り

「鎌倉殿の13人」
めったに大河ドラマは観ないのだけど、三谷幸喜の脚本である事、舞台が好きな町鎌倉である事、結婚後の新垣結衣も出演していることの3点で新年早々長丁場に取り組んでいる。何故大河ドラマを敬遠しているかと言うと、日本史に登場する人物相関図に疎いため名前とつながりを覚えるだけで嫌になってしまうからだ。この大河も1話目はやっぱり登場人物の相関関係が分からず辛かったけど、3話目にはだんだん分かってきて面白くなってきた。もともと三谷脚本は明瞭なのでここを乗り切れれば一年間観続けられそうだ

「DCU」
酷い
ハリウッドのスタッフに手伝ってもらおうが、つまらないドラマはつまらないのだ
何でこんなに酷い脚本なんだろう。4人で書いているがアダになっているようにしか思えない。特殊チームの意義も不明だし、スペシャルな能力も伝わらないなんて
次で多分リタイアだと思う


コーダ 大切な家族の物語

2022-01-23 18:14:00 | 新作映画
新年初の映画はこれにすべきだった

原作「エール」あってのリメイクだけど、個人的にはこちらの作品の方が好きだ

少女の夢、家族の現実、瑞々しい恋
かなりアメリカの綺麗ごとのようだけど、それでも映画だから観ている人の気持ちを動かしてくれれば成功だ

聾啞者家族の中で自分一人が健常者として生きるってどういう事だろう?想像するより我々が気付かない苦労も多いのだろう。皮肉の様に唯一耳の聞こえる少女は歌が好きで、歌うことにより誰かの気持ちを幸せにしてくれる才を持っている。その才能を一番理解し喜んでもらいたい家族は彼女の歌声を聴くことができない。歌を歌いたいと願う少女の儚い夢は、本来一番応援して欲しい家族に伝えようがないのだ

海の漁で生計を立てている家族も生きることで精いっぱいだから、少女の夢に寄り添う余裕はない。陽気な父親も心配性の母親も妹思いの兄でさえ、健聴者として一緒に船に乗ってくれる少女を労働者(生計を助ける一員)として頼りにしているけど、音楽大学へ進学しようと夢見る少女に懐疑的だ。彼女の歌声に耳を傾けてくれたのは音楽の教師と音大目指す男の子と親友の三人。あきらめなければ夢は叶うというアメリカンドリームに些か鼻白むけど、少女の歌声はそんな棘を抜き去ってくれるようで気持ちいい

とっておきの秘密の場所で泳ぐ少女と男の子のキラキラするような姿は瑞々しい美しさに溢れている。なんか、誠実な恋だなと久しぶりにキュンとしてしまった

物語は進み、入学試験のステージを観る家族に向かって手話で語るように歌うシーンも良かったけど、父親が娘に「自分のためだけ歌ってくれ」と言い、歌う娘の喉に手を当てるシーンには思い切り泣かされた。手に伝わるだろう娘の歌声が父親にとって無上の喜びであることは言うまでもない







あの子は何をさがしたのか 「さがす」

2022-01-23 08:33:00 | 新作映画
伊東蒼の主演映画だと理解した

故に昨年秋に公開された「空白」の中学生と混同している

NHK朝ドラにも同じようなフォルムで登場したから一層混ざり合う

彼女のネイティブらしい関西言葉とツッコミが少しだけ物語を潤してくれるけど、概して遣る瀬ないお話だ

難病の奥さんを苦しみから解放する夫の気持ちに嘘はなかったと思う

しかし、娘の前から失踪していた間に起こされた行動にわたくしは共感出来ないし、寧ろ不快でしかない

清水尋也演じるサイコパスの方が、病気として捉えれば納得度は高い(肯定しているわけじゃない)

殺人を是か否かなんてステレオタイプの問いかけで見せようとはしてない

だからと言って、人の持つ業のようなものを深めて感じさせてはくれなかった


力作だし伊東蒼と清水尋也は凄く頑張っていた。だけど、

今年初めに観る作品じゃなかったかなと、チョピリ後悔

胸焼けしてますか? 日本アカデミー賞ノミネートに寄せて

2022-01-22 18:49:00 | 映画ベストテン

もう本当に止めようとは思うのですが、年に一度の毒吐きの場として書いてます

今年も日本アカデミー賞のノミネート作品が発表されましたね
5作品の内、3作品観てません。そんなんで偉そうなこと言うなと怒られそうですが、別に偉そうにしているつもりはなく、えぇ〜?と思っているだけなんですよ

大本命は「ドライブマイカー」なんでしょう。あれだけ海外で評価が高ければ無視できませんでしょうし
日本アカデミー会員があの作品を本当に評価しているのか疑問ですが、取りあえず一票入れとこっていう人多いんじゃないでしょうか
その他は順当なノミネートかと思ったら、「キネマの神様」があるじゃないですか。山田御大作品、松竹の全精力を結集したでしょう。志村けんの訃報で紆余曲折があった曰く付きの作品です。わたくし丁度コロナ罹患中だったため鑑賞できないまま終演になってしまいました。評判も頗る悪かったので見逃したけどそれ程後悔しなかった作品でした
う〜ん、これを入れちゃだめだろうなと思うのです。いったいどのような尺度で選ばれているんでしょうね?毎年毎年不思議でなりません

アニメもノミネート作品2本しか観てないのですが、どちらも大御所だしヒットしたので迷うとこですね。復活の意味では「竜とそばかすの姫」なんですけど、最後まで頑張ったで賞の意味を込めて「エヴァンゲリオン」に授けてほしいと思ってます

主演男優女優も相変わらず同じような顔ぶれです。
もう小百合さんは確実に最優秀賞確定の時だけのノミネートにしませんか?毎年壇上に上げるだけなんて失礼だし、その席を若手に振りましょうよ。個人的には永野芽郁ちゃん応援してますが、天海祐希かな
役所広司も映画に出ればノミネート状態なので、もう殿堂入りでいいんじゃないですか。「空白」の古田新太の名前が無いところで一人勝ちですもん。ただ今年は佐藤健あたりに行くような気がします

助演になると裾野が広がるので難しいところです
「あのこは貴族」で好演した水原希子なら一押しですが、三浦透子も選から漏れているとすると、功労賞として草笛光子を選んでほしいです
男優は観てないけど「狐狼の血2」で異彩を放っていたと評価の高い鈴木亮平一択でしょう

監督と脚本は濱口監督ですね

外国映画も観た中で最も優れていた「ノマドランド」

後の技術的な賞は専門的知識もあまり無いため申し上げられません
言えるのは二つ。日本アカデミー賞が唯一素晴らしいのは、裏方さんたちにパートごとの賞が設けられていることです。これこそ現場の人にしか評価できないと思うから。我々素人や批評家にさえ照明とか録音とかの技術力は判定できません
それにしても技術って作品の良し悪しとは違ったものだと思うから、つまらない作品でも撮影技術は優れていたとかもあると思うんですよね。その辺にもスポットが当たるともっと嬉しいです(ダイジェストでもいいから受賞シーンはテレビ放送してあげてくださいな)