映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

梅雨の晴れ間に

2020-06-27 23:15:00 | 釣り
今日は雨の降らない土曜日
できれば泊まりがけで桂川釣行を楽しみたかったけど、あいにく日曜日は朝から雨の予報

朝イチで川茂堰堤上流の吐き出し口で大型を狙うが、小さな天魚ばかり
下流に渡る瀬が深過ぎて自分には難しく、上流へ向かうがいつもの通り魚のアタリはない


深い青緑色は生き物の息吹を感じる

豊富な水はこうした富士の湧水がもたらす


水量が多い時に試したい柄杓流合流地点から上流へ行こうとしたが先行者有り
仕方なく下流の瀬を丁寧にさらうと、幼魚の山女魚と虹鱒が引っ切り無しに喰いつく

夏の魚は流れの速い瀬で強く引く

昼からは東桂で合流する鹿留出合い上流を釣る
今日は朝からこんな風に体高のある美しい天魚ばかりが数多く釣れる

今日の主役は七寸から八寸くらいの天魚

日帰りなので、秋山温泉に浸かろうとよってみたが、地元民以外は利用できないとかで追い帰された
土曜日の夜、ガラガラの施設が泣いている
ルールを決めても運用とのバランスがうまくなければ、利用したい人には不快な思いしか残らない




虚像 現実

2020-06-24 19:24:00 | 歳時記雑感

虚像と現実

フェリーニの奥さんは美空ひばりをイタリア人にしたような容姿顔立ちのジュリエッタ・マッシーナ。美人じゃないけど小柄で愛嬌のある日本人好みな女優さんだ。彼女の名前は知らなくとも、あの名作「道」のジェルソミーナだと言えば頷ける人もいるのではなかろうか。これが巨匠フェリーニが死ぬまで連れ添った女性像の現実。
フェリーニ作品に数多登場する女性像は全く正反対。「甘い生活」のシルヴィア(アニタ・エクバーグ)や「8 1/2」のサラギーナに代表されるようなグラマラスでセクシーな女性。「女の都」なる作品ではそんな女性がわんさか登場してくる。これは映画監督フェリーニが描いた虚像。

最近なんだかみんな分かりやすいモノばかりになってしまって、奥行きがないように感じてしまう。現実と虚像のギッチンバッタンを楽しめない人が増えているのか、それとも作り手が取っ付きの良いモノだけを提供しているのか。この前読んだ若竹千佐子著「おらおらでひとりいぐも」のように苦痛になるくらいの不可解さも必要なのだろう。

世間では芸人の浮気ごときでテレビ三面記事は大騒ぎ。不良アイドルの大手事務所退所なんかがニュースになる。芸人もアイドルも人としての資質を問題にしてどうする?彼等は虚像なんだと何故割り切らないのか。現実の常識の中では生きていけない悲しい生き物だと白けた目で擁護してあげよう。

ただ、日々を淡々と生きる我らが現実なのかは、実を言うとわたくしも分からないでいる。



もう半分、あと半分

2020-06-24 19:01:00 | 新作映画


気が付けばもう今年も半分が終わろうとしてます。
本来ならオリンピックに湧き踊っていた頃だろうに、世界中この様です。
お正月から映画も順調に観たい作品をコンスタントに鑑賞していましたが、3月中旬から6月中旬までの三か月間全く映画館にも通えず失速です。
それでも振り返りとして鑑賞した新作8作品をランキングしておきましょう。
採点の目安は ★20点 ☆10点 

パラサイト ★★★★★
正月早々いいもの観させていただきました。ポン・ジュノ監督作品では「殺人の追憶」の方が断然優れていますが、あのアメリカ人にも理解できてオスカーまで授かったのですから奇跡の作品です。日本映画も黒沢、小津活躍の頃のように土着的な特異性とインターナショナルな普遍性を兼ね備えた作品を生みだして欲しいものです。

Last Letter ★★★★★
岩井俊二監督のナイーブな優しさが沁みるようないい作品でした。「Love Letter」で切ない涙を流した人には四半世紀の時を超えたラブレターとなりました。出演者も丁寧な演技で素晴らしかった。主題になっている(喪失感からの再生) ほんと 言うほどには簡単ではないですね。

初恋 ★★★★☆
あまり相性のいい監督ではない三池崇史監督作品です。孤独なボクサーが巻き込まれる裏社会とのアレコレ。暴力とアクション中心の作風にはあまり馴染めないのですが、この作品はタイトルにもあるように孤独な青年と薄幸な少女とが惹かれあってゆく様を映しこみ、立派な青春映画にしてくれました。

星屑の町 ★★★★☆
昭和四十年代にぎりぎり小学生だったわたくし世代以上の年配者には耳ざわりの良い流行歌が沢山流れ、演技する姿を殆ど見かけることのできない能年玲奈(のん)が可愛い衣装で歌い踊るだけで嬉しくなっちゃう。あまちゃんがそのまま大人になったかのように無邪気で良いなあ。本格的に復帰して欲しいもんです。

1917 ★★★★☆
アカデミー最有力だったから、画期的な撮影方法だけじゃなく結構期待していましたが、ドラマとしてはいまひとつ感じるものは無かったです。戦場の臨場感は流石ですが、かつてオリバー・ストーンやスピルバーグ、イーストウッドが描いた物の派生でしかなくチョッピリ肩透かしでした。

ヲタクに恋は難しい ★★★★
福田雄一はツボに嵌まると強引に連れていかれるけど、灰汁が強すぎると空回りしてしまうきらいがあります。この作品はいい塩梅に調合されていて楽しめる娯楽作でした。主演の高畑充希あっての成功ではありますが、日本語版ミュージカルをここまで面白くできたのは褒めていいと思います。

Fukushima50 ★★★☆
あれから10年近い歳月が経ちますが、日本人の脳裏から原子炉爆発の映像が消えることはありません。断片的ですが、事故の拡大を防ごうとしてそれこそ命を懸けて作業にあたった方たちがいたことは知っています。このドラマは限りなくドキュメンタリーに近いリアリティだけで観せて欲しかったです。

一度死んでみた ★★★
広瀬すずのコメディなので、様子見がてら久しぶりの映画館に足を運びました。すずちゃんはじめ主要キャストからチョイ役まで贅沢な役者が惜しげもなく登場しますが、何だか無駄遣いとしか思えませんでした。細かな配慮はしているのですが、タイミングよく一本にまとめ上げることの出来ない脚本と演出が残念です。

書き終えて思います。
ヤバイ、半年も過ぎて未だ8本しか観てない。去年は既に13本も鑑賞していました。来月からちょっと気合入れて頑張らないといけませんね。

どうする夏ドラマ2020

2020-06-24 04:07:00 | 旧作映画、TVドラマ

コロナ騒動のあおりで春ドラマはほとんど夏ドラマになってしまった。
待ちわびたためかどうか分からないけど、楽しみな番組がラインナップされている。
巷で評判の半沢直樹やハケンの品格のようなビッグネームもあるけれど、どちらも観ていなかったので続編もパスしようと思う。乗り遅れたドラマの続きに思い入れはないから、きっと後悔もしないだろうし。
観ようと思っているドラマをスタート順に並べてみた。

6/26「MIU404」
野木亜紀子のオリジナル作品。警察バディ物という使い古された設定をどんなふうに壊してくれるのか楽しみだ。演じる綾野剛と星野源も野木作品とは相性が良いように思う。TBSだし、主軸スタッフはあの「アンナチュラル」制作班だしで期待できそう。

7/7「私の家政夫ナギサさん」
何となく透けて見えそうなドラマだけど、名作の多いTBS火曜10時枠なので何かがあるかもしれない。多部未華子と大森南朋の達者な芸を楽しむだけでもいいかな。

7/16「アンサングシンデレラ」
このところ駄作続きの石原さとみが輝きを取り戻すことができるか。ドラマウォッチャーのみならず、視聴率のとれる女優が欲しいテレビ業界としても無視できない。ただし、共演者もスタッフもいまひとつの感があり、フジテレビ制作なのも不安の種だ。

8月「親バカ青春白書」
なんと、新垣結衣があの世に行ったお母さん役。その娘が永野芽郁で娘バカの父親をムロツヨシがやるそうだ。作演出を福田雄一が仕切るので、どんなドラマになるのか若干不安もあるけれど、この夏一番の楽しみだ。ガッキーも芽郁ちゃんも大好きな女優だから無条件で応援しちゃいそう。「大恋愛」でみせてくれたムロツヨシと福田組のムロツヨシを上手くブレンドしてくれれば、笑って泣ける良いドラマになるんじゃなかろうかと期待MAX。

夏「私たちはどうかしている」
浜辺美波と横浜流星の組み合わせだけが楽しみ。

夏「妖怪シェアハウス」
深夜ドラマ枠なのでお気楽に楽しめればいいかな。小芝風花が妖怪になるのかな?それはそれで楽しみ。

夏「監察医 朝顔2」
一作目は結構感動しながら観ていた。あの震災津波で母を失った上野樹里監察医が、夫と娘の家族をもち父親の時任三郎と共に乗り越えてゆく縦糸が良かった。続編も手堅く作ってきそうだ。


残り香

2020-06-19 20:38:00 | 歳時記雑感
香りとは不思議なもので、見たり聴いたり触ったり味わう感覚とは違う
もうそこには実在しないのに、存在そのものより心を揺さぶったりする

宇治十帖の主要キャラ 生れながら芳しい匂いを持った薫に対して、競争心を燃やすのが匂宮
香を薫きしめ負けまいとするほどに、古よりこの不可思議な魅力に人々は囚われている

秋の金木犀、冬の沈丁花、この季節なら梔子
普段は気付かず通り過ぎるのに、言葉にできない甘美な香りに驚き振り返る


撮り溜めたビデオも見飽き部屋を出ると、この雨の中いつ帰ったのだろう
玄関に妻の傘と残り香が漂う